日経記事;『ヤマト、宅配便網で企業物流参入 顧客の費用半減』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ヤマト、宅配便網で企業物流参入 顧客の費用半減』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月29日付の日経新聞に、『ヤマト、宅配便網で企業物流参入 顧客の費用半減 部品配送一括で、顧客の費用半減 東京エレクトロンと契約』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマト運輸は、全国の宅配便網を利用して企業向け部品物流に参入する。24時間体制の集荷・配送サービスを提供、効率的なサプライチェーン(供給網)構築で顧客の物流費を半減させる。

まず今年秋に半導体製造装置で国内最大手の東京エレクトロン向けに300社からの部品配送を一括して請け負う。日本の製造業にとって売上高の約5%とされる物流費の負担が軽減できれば、国際競争力向上につながりそうだ。

ヤマト運輸は国内の宅配便で約4割のシェアを持つ最大手。国内の営業所は4000カ所で、家庭などへの集荷や配送を担うドライバーは約6万人を抱える。宅配便は日本で生まれ、世界で最も効率的な物流サービスとされてきた。

日本の製造業は製品や部品の配送を中心に年15兆円程度の物流費を負担している。企業が宅配便網を使った部品配送サービスを利用できるようになれば、コスト競争力が高まる。

ヤマトは10月から東京エレクトロンの熊本工場(熊本県合志市)向けの部品配送を担う。半導体製造装置は1台当たり数万個の部品が使われている。従来は部品メーカーがそれぞれ運送会社と契約していたが、10月以降は順次ヤマトとの契約に切り替わる。

ヤマトのドライバーが部品メーカーの工場に出向いて集荷。宅配便と同様の段ボール箱などを使う。大型で重い部品はグループ企業が専用の大型トラックで運ぶ。全国から集めた部品は熊本県の物流センターに集約、東京エレクトロンの工場に届ける。

部品の配送状況をリアルタイムで把握できる情報システムを開発。顧客は生産状況に合わせて部品の配達時刻を指定できるため、在庫を削減できる。物流センターには部品の自動出荷装置も導入する。ヤマトによれば配送や保管などにかかる物流費用を半分にできる。

東京エレクトロンの場合、部品の集荷から納入までの期間を3~5割程度短縮できる見通しだ。東京から熊本までは現在の3日が2日になる。

ヤマトは今後、自動車や家電など製造業大手に新サービスを売り込む。24時間稼働する沖縄・那覇空港の物流センターに加え、今夏には羽田空港で大型物流拠点「羽田クロノゲート」が完成。アジアなど世界各地を結ぶ輸送体制を強化し、海外の工場向けの部品配送も展開していく。

ヤマトHDの2013年3月期連結売上高は約1兆2800億円。このうち宅配便事業は約8割の1兆円超で、営業利益は約400億円だった。企業向け物流事業を今後の新たな柱にする。

企業物流ではヤマトの本格参入により最大手の日本通運など業界各社のサービス競争が激しくなりそうだ。宅配便2位の佐川急便を傘下に持つSGホールディングスもハマキョウレックスと資本提携するなど、企業物流事業を強化している。』


多くの国内中小製造企業が、ASEANを中心としたアジア市場開拓に力を入れています。私のところにきます相談や支援内容からみても、中小企業のアジア市場開拓関連が増えています。

これは、国内市場が縮小傾向にあることと関係しています。差別化・差異化を可能にする技術・商品を持っていても、国内市場が飽和状態になれば、売上拡大は難しくなります。

今まで海外企業や顧客とのビジネスをしたことがない中小企業には、まず、日本国内に開発・製造拠点を残して、海外市場開拓と輸出事業の拡大実行することをアドバイスしています。

今まで海外取引をしていない企業が、いきなり海外に製造や販売拠点作りの投資を行なうのは、リスクが高いからです。

中小企業庁が毎年出しています「中小企業白書」をみますと、海外進出した中小企業のうち、5割以上のところが数年以内に事業撤退している実態があります。

撤退理由の中で最も多いのが、集客・販路開拓の失敗によります。集客できずに、売上確保が難しいことが撤退理由の中心になります。

従って、中小企業が海外進出する場合、事前に販路開拓・確保をしておくことが安全策であり、必要になります。

この観点から、私の支援先や相談を受けた企業には、まず国内から輸出するビジネスモデルの構築と実行をアドバイスしています。

国内から輸出する場合、通常、海外顧客に直販するか、販売会社を通じて売るかの二つのやり方があります。

販売会社を通じて売る場合、当該会社が自社の販路をもっていますので、国内中小企業は販売行為を委託できるメリットがあります。

しかし、販売会社を通じて売ると、国内中小企業は、最終顧客向け商品の販売価格をコントロールできません。

国内中小企業がコントロールできるのは、販売会社向けの卸価格です。このため、最終顧客向け商品の販売価格を自社で決めたい中小企業は、直販を選びます。

直販体制には、海外代理店(エージェント)を使う場合と、直販自社で販売プロモーションや広告宣伝、マーケティングなどを行なう二通りのやり方があります。

いずれの場合でも、国内から輸出する直販モデルは、受注→決済→商品発送までのプロセスを自社で行なう必要があります。

このときに有効な方法がインターネット通販になります。自社のWebサイトで行なうか、アマゾンや楽天などの通販事業者のサイトを使います。

最近、中小企業の中にインターネット通販を自社のWebサイトで構築・運営して成功しているところが増えています。

代表例の一つにが株式会社メトロールになります。インターネット通販で海外向け売り上げを大きく伸ばしました。下記は、英語版WebサイトのURLです。
URL; http://www.metrol.co.jp/en/

さて、中小企業がインターネット通販で海外顧客向け輸出事業を行なう場合、決済方法と共に物流体制の構築・運営が課題の一つになります。

本日の記事は、ヤマトが海外顧客を含めて製造企業の部品物流に参入することについて書いています。

ヤマトは、最近、消費者が注文してから最短わずか4時間で商品を手元に届ける世界最速の当日配送サービス「Today Shopping Service(TSS)」を国内で立ち上げました。

この効率的な物流体制は、現時点ではアマゾンや楽天などの大手ネット通販専業事業者は実現していません。

ヤマトは、物流専業事業者の強みを生かして、ネット通販や製造企業の部品物流事業の競争力拡大を図っています。

日本の製造企業の部品・製品物流費用は、年間15兆円規模とのこと。ヤマトは、この巨大市場への積極的参入を図っています。

当然のごとく、佐川急便などの競合他社も製造企業の物流市場に参入してきますので、激しい競争が起こります。

国内の中小企業にとって、インターネット通販の海外展開で、ヤマトなどの物流専業事業者と提携して、効率的な物流体制を構築・運営できることは、大きなメリットになります。

ヤマトは、記事によると、部品の配送状況をリアルタイムで把握できる情報システムを開発したとのこと。

リアルタイムで供給者と発注者g商品の配送状況を理解できることは、特にBtoBタイプの事業の場合、双方に業務フロー改善を行なえる可能性が高くなります。

ヤマトには、大手企業だけでなく中小企業の市場開拓も積極的に行なって、当該企業のネット通販による直販体制の支援強化に動くことを期待します。

ヤマトや佐川急便などの大手物流専業事業者が、世界中に効率的な物流体制を構築・運営すると、国内の中小企業がより容易にネット通販による輸出事業を積極的に実施できるインフラ整備・強化につながります。

ヤマトなどの物流専業事業者の今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本雅暁

 

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