【未来の人+過去の人=大学】 悩める若者へのレクチャー 2 - 建築家への相談 - 専門家プロファイル

須永豪・サバイバルデザイン 
長野県
建築家
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【未来の人+過去の人=大学】 悩める若者へのレクチャー 2

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大学生へ向けてのレクチャーで話したことの続きです。
 
【未来の人+過去の人=大学】

『先生』って
「未来に期待が持てるからそのポストを与えられた」
わけではないですね。

評価されたのは、もう終わってる『過去』についてで、
しかもその評価をした人は『更に過去』に評価された、
オジイさんたちです。


一方、大学へ学びにきているあなたは、
過去をひとつも持たない、未来に活躍するしかない人です。

図を見てください、階段状の図の、黒いライン、
20歳というところ、今あなたたちはこのへんですね、

そしていずれ30歳になって40歳になる。
その時、あなたは必ず何かしてるでしょう。

生きてさえいれば、必ずなにかやってるはずですよね、
ものを作って残すとか、活動するとか、

つまり、あなたは必ず、
あなたのステージ(世界・場)で活躍するのです。

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いま20歳のあなたたちに教えてる教授は、50歳とかでしょうか。
図の茶色いライン、ステージで生きている人達です。

この人達は、すでにひと世代前のステージの上で生きているわけですが、
あなたたち未来への世代へ向けて、
「世の中、社会、建築、○○ってもんは、こういうもんだ」
と自信満々に教えてくれるでしょう?

下手すれば80歳の学長がまだ力を持ってたり、
GAっていう、ナンバーワン(?)建築雑誌のボスの二川さんも
最近お亡くなりになる間際まで、
毎月出てくる新しい建築を、誌上で評論してた。

このおじいさんたちが、
図の黄土色ラインの人達です。


でも…こんな滑稽なことがありますか?
未来人へ向かって、すでに終わってる過去のひとが、
教えてるんですよ。

未来人に教えを乞うならまだしも。


この図を見たら、
彼らが活躍した『二世代前のステージ』での話しが、
未来のステージを予言しているわけが無い、
それがわかりますよね?

こういう気の毒な状況に、
教えてる過去のひとも、教わってる未来人のあなたも、気が付いてない、
そう考えて見ると、まったく滑稽でしょう?

これが、あなたたちがいま居る、
大学です。

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ただ、
この先に、どんな未来になるのか、
それが今の時点では誰にもわからないですね。

本当はタイムマシーンに乗って
未来をカンニングして来たいわけですけど、
私もしょっちゅう思いますが、
それができない。

そうすると、人は過去をカンニングしようとする、
なぜかと言うと、
次の図を見てください。

この年表のように時間も時代も、
一方向へ流れている、と思い込んでいるからです。

未来は過去の延長にあって、
だから過去からの流れをよーく見つめれば、
未来の方向が見えてくる、って

一般的にはそう考えている人が多いのです。

だから先達たちは、若者へ一生懸命教えてくれます、
善かれと思って、親切に。

でも、それは全部古い情報、価値観なんです。
未来を作るあなたたちにとって、
残念ながら、そのほとんどは役に立たない。

だから親切心だけありがたく受取って、
評価なんかは「へー昔の人にはそう見えるんだー、
ボクの思ってることは理解できないんだなー」
と、ただ聞いておけばいい。

なにを批評されようが、気にする必要は全くないんです。

大学は過去を集積した場です。
でも、言い方を変えれば、

これは巨大な墓場です。

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どうですか、
はじめの図のように、
人それぞれが別の時間を生きている、
と思えてきませんか?


だって、原発が3機吹っ飛んで、
人々の価値観がハッキリ2分された、
こんな奇妙な社会になるなんてこと、

過去の流れをいくら見ていたって、
だーれも予測はできなかったでしょう?

だから、
過去の人々の延長に、今の人々が居る、
それはきっと違いますね。

 

しかも、2分された向こうとこっちでは、
別の時間、別の世界を生きていますよね。

私は私の時間を生き、
あなたはあなたの時間を生きてる。

だから未来は、あなたの外にはなくて、
あなたの中にあるのです。

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だけど、その肝心なものが、
なかなか簡単には出てこない、少し時間が掛かるし、
その期間は苦しいよね。

だからつい、過去をカンニングして、
過去のひとがいいねぇって言ってくれる評価基準に合わせて、
作っちゃう、行動しちゃう。

気持ちはわかるけど、
これをやってたら、絶対にダメです。


私にとってのステージはさっきお見せしたように、
例えば、新しい木造で建築をつくることや、
社会に潰されない子どもを育てること、などです。

自分自身のステージに気がついたのは、
34歳くらいでした。

そこでのやることが、増えたり減ったり変わったりは、
あると思いますよ、

でも私はこの先50歳、60歳になっても、
同じステージでやっているはずです。

だから必ず時代遅れになって、若い人達に抜かされていきます。
…というか、未来人にはじめから追い抜かされてます。
でもそれで良いのです。

だって、
『自分のステージ』で『自分の時間』を
過ごし続けて良いのなら、
こんな幸せなことはない、と思いませんか?
 
 
一方、
「常に時代とともに、最先端を」って生き方をすれば、
それは一見カッコいいようですが、

実際には、自分の中側を無視して、
外側(人の評価)に自分を合わせ続ける、
人生ですよ。


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あなたにもそのうち「これが自分のステージだ」って気がつく瞬間があるでしょう。
ちゃんと、活きて生きてれば。
死んだまま生きててはダメですよ。

そのとき、本も、先達からの評価も、
過去の情報はほとんどいらないって、わかるでしょう。
それが本当の『自信』ですね。


いまあなたに自信がないのは当たり前、
それで良いです。

ただ、大学へ行くのなら、
『評価』によって歪められないように、
この滑稽で気の毒な状況を、
まずはしっかり意識しておいてください。

 
大学には、過去がギュッと圧縮されているので、
効率よく学ぶには良い場です。
 
過去の中には、普遍で本質的なものも時々紛れ込んでいます。
それを見つけください。

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…という私からの話しも、
「ヘー」と思って聞き流せば良いんですよ。

だってコレ、私が私のステージを生きながら、
辿り着いた答えですからね。

この考え方が、もし普遍の本質であれば、
あなたの役に立つでしょうし、

今の時代を生きるための術でしかなければ、
あなたのステージで生きるに於いては、
このままでは役立たない考え方かも知れません。

(明日へ続きます…)
 

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人間らしい「サバイバル」ってなんだろう?

安心して寄り掛かれるおおきな木のような存在感と、ジャングルジムのような自由さと、楽器のような豊かな響きがある空間。そういうものを、木でつくりたい。

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