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- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE（ピープルアンドプレイス） 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
「そうか！まずは自分で何でも決めつけずに相手に聴くのが基本でしたよね！だから、私は初日の新人さんに『何か不安なことは無いですか？』と聴く様にしたいです！」
マネジャーは、初日を迎える新人アルバイトが、とても不安な気持ちでいると言うことを店長と共有しました。そして、今度は「どうやったらその不安な気持ちを解消できるのか？」について、問いかけたのです。
「なるほど、新人に直接聴くのは良いことだね。不安と言っても漠然としているからね。人によってもその種類は違うかも知れません。人間関係に対する不安だったり、作業そのものに対する不安だったり、色々な不安があるでしょうね。それを聴き出すこと、それはとても大切なことです。」
そう言ってマネジャーは、自分が行おうとしている答えを自分から引き出した店長の言葉を承認しました。
「まず何をするべきか、店長は自分で考えたね。素晴らしいです。では、お土産にひとつ教えて上げるわね。新人さんには「不安」だけを聴くのでは無く『どうなりたいか？』という希望も聴くのよ。なりたい自分のイメージはとても大切。その時に自分がお客様に何を提供できて、お客様がどう感じているかを想像してもらうの。自分が目指す姿をはっきりさせるのは、新人にとって大きな目標になるのよ。そして、先輩アルバイトや店長は、その新人の目標を共有しておくの。誰か具体的なスタッフのようになることが目標ならば、そのスタッフにとっても、大きな励みになるしね。お店にとっては一石二鳥なのよ！ぜひ、『不安』を聴いた後に『希望』も聴いてみてね。必ずすごい効果が出るからね」
マネジャーが店長に伝えたのは、
「新人が、近い将来、自分がどの様なスタッフになりたいのか？を聴くこと。これは、目標を具体化させるだけでは無く、目標にされた先輩自身の責任感をも高める効果がある」と言うことです。
マニュアルによるトレーニングも、チェーン店などではレベルを合わせるために必要でしょう。でも、最も効果的なのは、あこがれの先輩のマネをすることなのです。これは、する方もされる方も、大きなプレッシャーが掛かります。具体的すぎて逃げ場が無いからです。でも、この逃げ場の無い「お手本物まね方式」は、新人はもちろんのこと、先輩スタッフの自覚を大幅に促進するパワーがあります。
新人にとっては、「目指す姿」を答えることによって、不安感は希望に変化していきます。しかも、あこがれの先輩からのアドバイスやトレーニングはより効果があるのです。
ただ、中には初日を迎えたときに、「あこがれの先輩」がいないときもあります。そんな時は、「自分が理想とするスタッフ像」を考えさせるのです。この質問が抽象的すぎて答えられないときは、店内の色々なシーン「接客」「クレーム」等の各シーンで「最高の自分ならばどういう応対をするか？」と色々なシーンを用意しておいて、それについて質問をするとよいでしょう。
リアルな人物であっても、自分が想像したバーチャルな人物であっても、新人スタッフが自分で答えを絞り出すことが重要なのです。
それにより、新人スタッフ自身も「責任感」が生まれてくるのです。
新人アルバイトの初日を迎える店長は、いきなり仕事から入らせずに、まずは、このスタッフが「目指す姿」を明確にしてあげること、それを必ず忘れない様に致しましょう。
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