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まず、低血糖症と聞いて、自分には関係のない病気だと思う方が多いかもしれません。しかし糖尿病の薬物療法に伴う低血糖症の症状とは別の原因で、現代には多くの隠れ低血糖症の方が潜んでいます。
現代の隠れ低血糖症を「機能性低血糖症」といい血糖をコントロールする機能が乱れ、「疲れやすい」「不安が強い」「過度のイライラ」など身体や精神のトラブルが起こります。このように感情の不安定さ、疲労感、うつ症状が見られるため精神疾患と思われがちです。もしくはこの症状を自分の体質や性格だと思い込んでしまっている方も多いようです。
通常、「低血糖症」とは血液中の糖の濃度の変化をコントロールできない状態のことを指します。正常では血糖値は70mg/dl以上に維持されていますが血糖値が70mg/dl以下になると空腹感、動悸、震えなどがでてきます。これが50ml/dl以下になると無気力、倦怠感、発汗など中枢神経の働きが低下。30ml/dl以下では意識レベルが低下し、昏睡状態から死に至ることもあります。
なぜこのような症状がでるのでしょうか。脳はブドウ糖をエネルギー源としているため、昏睡状態などの中枢神経症状は血液中の糖分が低下し脳へのエネルギー補給が低下し、脳の機能が低下することで発現します。
また、血糖値が下がってくると、血糖を上げるために交感神経系のホルモンが分泌されます。動悸・震え・発汗の症状はこの交感神経症状の現れです。これ以上下がると危ないですよ！という警告をしています。
機能性低血糖症の方が精神疾患に間違われやすいのは、この交感神経系ホルモン（アドレナリン・ノルアドレナリン）の分泌が大きく関わっています。これらのホルモンは興奮・緊張・怒り・不安など感情を刺激するため精神症状につながっていきます。
「機能性低血糖症」の原因は不適切な食事が誘因となっていることが多いようです。特に糖分をとりすぎている方は要注意です。ごはんの代わりにお菓子を食べたり、過度のダイエットをして食事を抜いたり、お腹が空かなくても何かを食べたり。
また、アルコールや炭水化物、カフェインの過剰摂取、貧血、ストレス、運動不足の方なども注意が必要です。
これらの影響で膵臓の機能失調が起き、糖の代謝を認識できず、インスリンが急激に過剰分泌されてしまいます。
怖い事は、知らないうちに糖分を多く摂取している事。例えば、コンビニなどの出来合のおかずや清涼飲料水など原材料名を見ると「砂糖」と書かれている食品は大変多くなっています。自分は砂糖を摂取しているつもりがなくても、知らないうちに低血糖症に陥ってしまっている方の原因はここにあります。お店で売っている食品のほとんどには「砂糖」が入っているのです。
血糖値が下がっていることを自覚している方の中には、空腹時に意識的に糖分を摂取している方も多いかと思います。しかし、空腹時に震えがでたり、だるくなったりすることは健康な身体の空腹時の反応ではありません。これらは身体からの警告を示していますので、自分が低血糖症に陥っていることを疑ってみて下さい。気になる人は専門の医療機関で検査を受けることをお勧めします。
ところでなぜ「砂糖」がいけないかというと、多くの加工食品に入っている「砂糖」は精製された砂糖であるからです。これを「白砂糖」といいます。白砂糖は急激に血糖値を上げるため、その分急激に血糖値を下げます。これは心身の安定を壊してしまいます。清涼飲料水に含まれる大量の白砂糖によるキレる子供というのが有名ですね。
これは大人にも同じことが言えます。イライラする、怒りやすい、疲れやすい、だるいなどの症状をお持ちの方は意識的に白砂糖を抜いてみることを強くお勧めます。
そのかわり、空腹時には白砂糖以外の糖分を補給しましょう。白砂糖はタバコやアルコールと同じく中毒性があるため、簡単に断つことは出来ないのが特徴です。ちょっとずつ、黒砂糖、メープルシロップなどの甘味へ変えていきましょう。甘さを感じるカボチャや小豆などもオススメです。アンコは市販のものは砂糖が入っているので、自分で小豆から煮て作るのがいいでしょう。
ここで低血糖症の方にオススメするのは、マクロビオティックのレシピで有名な「野菜スープ」です。
[野菜スープの作り方]
材料：たまねき・きゃべつ・かぼちゃ・にんじん・水２ℓ
（たまねぎ１個の大きさに合わせてその他の材料は同じ分量を用意します）
作り方：
①各野菜をそれぞれみじん切りにします。
②たまねき・きゃべつ・かぼちゃ・にんじんの順番でお鍋に入れていきます。
③野菜が混ざらないように静かにお水を入れる。
④強火で沸かす。沸いたら、30分中火で煮る。あくはとらない。
③野菜の汁をこし器で丁寧にこす。
～できあがり～
手間ひまと愛情をかければかけるほど、野菜本来の味が出て甘くなると言われています。
調味料は何も入っていないため、お野菜を入れる順番を間違えたり、適当に作ると全く素材の味が出ずに失敗してしまいます。そうしたら、お塩などを少量加えて、味を整えてあげてください。余った具は一緒に食べてもいいですし、ハンバーグの具などにしても使えます。
空腹時に震え症状などが出やすい方は、お砂糖を取らずにこのスープを飲むようにしてみてください。
即効性があるので、継続して飲んでいると空腹時の震えなどは収まってくるでしょう。
また、アレルギーや肌荒れにも効果的。野菜不足の方や食欲がない方にもおすすめですよ。
機能性低血糖症は食事の仕方を変えて、体質改善を心がければ症状は回復していきます。甘いお菓子、菓子パンなどを取らないようにして、３食しっかりたんぱく質を取り、野菜や海藻などからビタミンやミネラルをとりましょう。食事をとるときは、お米や麺などの糖質からではなくサラダなど野菜から食べるよう順番に気をつけて下さい。
日本は食品添加物が世界一というデータもあります。私たちは一人あたり平均年間４キロもの食品添加物を食べていると言われています。すごい量ですよね。意識をして見ないと、食品に何が入っているのかが分からなくなっています。
いつでも、どこでも、気軽に買えて、簡単においしく食べられる。
食に対してそのような考えを持っていると、いつのまにか身体を壊してしまう危険があることを忘れないでくださいね。
メディカルコンシェルジュ 清水
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