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日経記事;『製造業は国内に戻るか 需要のある所で生産 ホンダ社長 伊東孝紳氏』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月9日付の日経新聞に、『製造業は国内に戻るか 需要のある所で生産 ホンダ社長 伊東孝紳氏』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 過度の円高の修正によって、一時の厳しさが緩み、輸出企業を中心に業績が上向くメーカーが増えている。だが、これだけで日本の製造業が復活するとは即断できない。

ホンダの伊東孝紳社長と、東レ経営研究所で産業分析に取り組む増田貴司産業経済調査部長に製造業の未来を聞いた。

 ――「日本で完成車工場が新設されるのはこれが最後」ともいわれる寄居工場(埼玉県)が7月に稼働します。

「国内の生産能力は全体としては変わらない。もともと非常に手狭な狭山工場(埼玉県)を工夫して使ってきたが、さすがにこれ以上生産性を上げるのは限界。そこで狭山は多機種少量生産に特化し、新たに寄居工場を立ち上げることにした」

「ホンダの世界戦略は『アコード』『シビック』の2本柱だったが、今後は一回り小さい『フィット』が主役になるかもしれない。大型車を好む米国でも、小さいクルマのイメージが『プア』から『クール』に変わり始めた」

「戦略車種であるフィット級の小型車の生産に特化して、徹底して効率を追求するのが寄居の使命だ。塗装や乾燥回数を削減する水性塗料の採用など数多くの『世界初』を盛り込み、世界をリードするマザー工場に育てたい」

 ――円安で日本回帰を進めるわけではない?

「為替の動向に右往左往せず、需要のあるところで生産するのがホンダの基本だ。昨年度の実績は国内生産が87万台だったのに対して、海外生産は318万台に達した。今もメキシコで新工場の建設を進めている。寄居で培ったノウハウを輸出してフィットなどの小型車をつくる」

「ホンダは日本と米国市場を基盤に大きくなった企業だが、それだけに新興市場への取り組みに若干遅れた。これからインドやタイなど伸びる地域に積極的に投資し、世界における『HONDA』の存在感をもう一度高めたい」

基幹技術は日本に残す

――国内の拠点の役割は低下する一方ですか。

「自動車の中核であるエンジンやパワートレイン(動力機構)の開発機能はしっかり日本に残す。個別車種のデザインや味付けは現地に移管するが、走りや環境などの基幹技術は日本が担う。

日本は量産拠点というよりも、イノベーションを生み出す拠点にならないといけない。今1万人強の開発部隊が国内にいるが、この人数は大きく増えることも減ることもないだろう」
 ――米国では3次元(3D)プリンターなどを駆使した製造業のデジタル革命が進行中ですが。

「最近突然3Dに脚光が当たり、やや驚いている。3Dは確かに素晴らしい技術だが、私たちはかなり前から3Dやデジタル技術を使いこなしてきた。例えば、新車開発でつくる試作車の台数は以前の5分の1以下に減った。デジタル技術を使えば、実際に試作車を壁にぶつける衝突実験の回数を減らしても、シミュレーションで衝突安全性を確保できるからだ」

「いま最も注目されている技術はビッグデータだ。カーナビを通じて多数のクルマの走行データを集めると,事故防止や渋滞解消の観点で思わぬ発見がある。ビッグデータを生かして、クルマをどう進化させるか、世界中のメーカーがしのぎを削っている」

――日本車にとっては、ブランド力の強化も課題です。

「日本車の強みは『value for money』、つまり品質や車格のわりに価格が安いことを武器に伸びてきた。だが、それにあぐらをかきすぎた。世界の消費者は『日本車』とひとくくりで認識しており、個別の企業ブランドは薄れてしまった。ホンダの個性をアピールするためにも、復帰を決めたフォーミュラ・ワン(F1)は格好の舞台になる」

――日本では各社が軽自動車の開発に力を入れていますが、日本市場でしか売れないクルマに経営資源を注ぎ込むのは正しい方向ですか。

「大きいクルマより、小さいクルマをつくるほうが何倍も難しい。軽の開発で習得した技術は、必ずホンダの実力向上につながる。『軽自動車はガラパゴス商品』という批判は当たらない」』


最近、輸出を行なっている中小企業の事業採算性は、異常な円高状況の改善で持ち直しています。実際私の支援先企業の経常利益は、1US$=80円台の時点と比較すると、20%以上上昇しています。

現在生き残っている中小企業は、過去の厳しい経済・市場環境の下で何とか凌いできた、あるいは、勝ち残ってきたところであり、輸出に関しては、円安になれば直ちに利益を生み出せる経営状況になっています。

米国では、シェールガス・シェールオイルの産出で、製造業の国内回帰が話題になっていますが、実態はかなり異なる動きになるとみます。

決してすべての製造業が国内回帰するわけではありません。一部の米国内の消費に結び付く商品の製造が米国内で行なわれることになると予想します。

例えば、中国での製造は、労働者不足や労働者賃金の高騰で再輸出用途としては、不向きになっています。中国から米国への輸送コストや仕掛在庫の量などを勘案すると、中国で生産して米国に輸出する事業モデルの採算が取れなくなる商品も出てきます。

このような商品の中国製造は、下火になり、他国での製造に移管するか、米国内の製造に回帰することになります。

従って、単純に再輸出を行なっている商品の製造が米国に回帰するようなことにはなりません。ホンダの伊東孝紳社長が言われているポイントは、ここにあります。

今後の製造業の動きは、地産池消が基本になるとみています。もちろん、日本国内の製造業者しか作れないもの、徹底的な差別化・差異化ができるものは、国内から輸出することになります。

海外市場の顧客の要求仕様・機能・性能・価格に合った商品を開発・実用化しようとすると、ビジネスの基本形は、海外製造になります。

東南アジアをみますと、タイで自動車や電機製品関連事業の産業集積が進んでおり、タイは当該地域のハブになりつつあります。

インドネシアも、タイのあとを追っており、産業集積化を積極的に行なっています。東南アジアは、中間所得層のコアになる、15歳以上65歳未満の生産年齢人口が2030年くらいまでは増え続けます。

大きな潜在市場が生まれつつあり、国内企業はこの東南アジア市場を取り込まないと、世界市場で勝ち残れません。

東南アジアでの域内生産が増え続けることは、間違いありません。この傾向は、円安になっても変わりません。

この事業環境下で重要なことは、国内と海外の製造分業になります。国内でしか作れない素材、部品、商品は国内製造に特化して行ない、市場に近いところで作った方が効果的なものは、必然的に海外製造になります。

円安になっても大幅な輸出増加にはならず、輸出と輸入の双方が拡大しつつバランスをとっていくような動きになるとみています。

円安は、輸出事業者の採算向上に寄与しますので、上記の通り価格競争力の強化に大きな援軍となっていますので、柔軟な経営施策を取りやすい状況が生まれます

円安を有効に活用しながら、国内と海外の巧みな製造分業を行なう企業が競争力を強化することになります。

私が支援しています中小企業には、自社の技術や商品の差別化・差異化ポイントを明確にして、対象市場を考えながら、国内製造を維持するのか、必要な事前調査・確認をしっかりと行なって海外製造をするのか、方針を出すようにアドバイスしています。

また、市場環境や事業環境が変われば、柔軟に製造のやり方を見直し、対応することも重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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