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日経記事;『千代田化工、水素発電所実用化へ 燃料安く生産 CO2出ず』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月2日付の日経新聞に、『千代田化工、水素発電所実用化へ 燃料安く生産 CO2出ず』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『千代田化工建設は水素発電所の実用化に必要な技術を開発した。燃料の水素を低コストで供給できる。国内外の企業と設備の商談に入っており、早ければ2~3年後にも世界初の水素発電所が稼働する見通しだ。

水素発電は二酸化炭素(CO2)が発生せず、国内で燃料を自給できる。輸入の化石燃料に頼る日本にとって新たな電源になる可能性がある。

水素は製油所や化学工場などで大量に発生している。既存のガスタービン発電所で燃料として使えるが、体積がかさばり発火もしやすいために貯蔵や輸送が難しく、現在は多くをそのまま大気中に放出している。

発電で利用するには一定量を常にマイナス253度以下という極低温で液化するなどして貯蔵する必要があり、巨額の費用がかかることが課題だった。

千代田化工は液化した水素を常温で貯蔵・輸送しその後に効率的に抽出できる設備を開発。出力10万キロワット程度の小規模な発電所に水素燃料を供給できる。

価格は100億円規模とみられる。国内外の石油や電力などエネルギー関連会社と商談している。千代田化工は燃料供給事業も手がける。

水素は有機化合物のトルエンと混合すれば、常温で貯蔵可能な液体になるが、そこから水素だけを取り出すことが難しかった。千代田化工の新技術では独自開発の触媒を使い98%以上という高効率で取り出せる。

同社が現在試算する水素発電のコストは石油火力より低いが、石炭やガスの火力より約6~8割高い。設備改良などでコスト抑制を急ぐ。

千代田化工は今回の技術を次世代エコカーの燃料電池車向けの水素燃料の供給に活用することも計画している。』


「必要は発明の母」になります。日本は、現時点でほとんど天然資源が自国内で取れません。ほとんどの天然資源を海外から輸入調達しています。

最近の円安状況下で、天然資源の輸入コストは増加しており、日本の貿易収支赤字化の最大理由の一つになっています。

原発稼働再開には、新しく定められた安全基準のもとで再検査を行なう必要がありますので、当分時間を要します。

日本のエネルギー調達コストを下げるには、石油、天然ガス、石炭の調達先を多様化して、一定国への依存度を下げておく必要があります。

この観点からみますと、米国のシェールガス輸入の目処がたったことは、朗報です。また、ロシアから天然ガスを調達するやり方も有効な方法になります。

シェールガスやロシアからの天然ガス輸入も含めて、調達価格を冷静に調査・確認して調達先を選び、柔軟に対応していくことが重要になります。

中東地域も調達先の選択肢として残しておいて、調達コストの最も安いところから輸入するしたたかさが必要です。


また、何度か本ブログ・コラムで述べていますように、IHI、三菱重工、日立などが開発・実用化しました超効率の石炭火力発電装置を積極的に国内で活用して、調達コストの安い石炭使用量を増やすことも重要になります。

石炭火力発電装置は、新興国やアフリカなど今後、経済発展が期待できる地域で有望であり、必要なものになります。

国内で実用化検証が終わった装置を、蓄積したノウハウと共に輸出することが、石炭火力発電装置の大きな市場開拓につながります。

石炭以外でも、国内では色々な火力発電装置の開発・実用化が進んでいます。その一つが本日の記事にあります、水素発電所です。

水素発電装置・発電所の考えは、以前からありました。ネックになっていたのが、常にマイナス253度以下という極低温で液化する条件でした。これを実現するには、高額装置をもつ必要があったので、実用化・商用化にはほど遠い状況でした。

千代田加工は、この問題を液化した水素を常温で貯蔵・輸送しその後に効率的に抽出できる触媒・設備を開発することで解決しました。

水素発電装置の最大のメリットは、CO2を排出しないことです。水素自動車と同じ理屈になります。

記事によると、千代田加工の水素発電装置による発電コストは、石炭やガスの火力より約6~8割高いとのこと。

千代田加工には、実用化・商用化する過程で発電コストを石炭やガスよりやや高いか同程度まで抑えることを強く期待します。

発電コストの低減化が実現できれば、国内だけでなく海外市場でも数多く販売できます。CO2排出削減は、地球温暖化対策のために、国、企業、国民が協力して対応・実行する必要があります。

CO2排出削減の実現策の一つが水素の活用にあります。政府は、自動車メーカーと協力して、水素自動車や水素ステーションの実用化に向けて動き出しています。

千代田加工は、水素発電装置の技術を水素燃料の供給にも活かす考えもあるとのこと。

電力会社の地域独占事業のやり方が変わりつつある状況下で、競争が進み、発電や送電方式もコスト競争力強化が求められます。

自由競争下で、最も有効な発電方式・装置が勝ち残っていきます。環境対応しながら、発電コストを最低化できる方式・装置が国内だけでなく世界市場で支持されることになります。

今回の千代田加工の水素発電装置は、その有力な選択肢の一つになります。更なる研究開発を続けて、低コストで発電できる装置の実用化・商用化と、水素自動車普及促進の面からもを大いに期待します。

今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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