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日経記事;『優秀な研究者を厚遇 政府の科学技術戦略 独法に人材、内外から』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月1日付の日経新聞に、『優秀な研究者を厚遇 政府の科学技術戦略 独法に人材、内外から』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)がまとめる「科学技術イノベーション総合戦略」が明らかになった。研究開発を進める独立行政法人について、国内外から優秀な人材を集めるため、給与水準を見直す。

5年と定めている中期計画期間を延ばし、基礎的成果を応用に結びつけやすくする。政府の成長戦略に反映させる。

理化学研究所や産業技術総合研究所、科学技術振興機構などが対象。来週中に最終案を固め、閣議決定する。関連法改正や新法を検討する。

独法は業務の効率化を主眼に置いた制度で、給与も国家公務員に準じている。国際競争力の高い人材を高給で雇えるように改めるほか、研究者が外部から獲得した資金を運営費交付金から削減する現行制度を見直す。

5年程度の中期目標で評価していた制度も変える。近視眼的なテーマに集中しやすいという反省から、長期的な助成によって安定した研究環境を整えやすくする。

科学技術政策の司令塔となる総合科技会議の機能を強化するため、同会議が予算配分権を持つ「戦略的イノベーション創造プログラム」を創設。年間500億円以上の予算を内閣府に計上する。

iPS細胞などの研究を支援してきた「最先端研究開発支援プログラム」の後継事業として「革新的研究開発支援プログラム」をつくる。』

日本は、貿易立国であり、製造業がその中核となる事業の一つであることは明確です。最近、中堅・大手製造企業の中には、リスクを取らないで新規事業立上を積極的に行なわないところがあります。

一方、ベンチャー・中小企業の中には、最先端の技術やノウハウで新規事業立上を積極的に行なうところが数多くいます。

これらのベンチャー・中小企業にとって、基礎的な裏付けとなる理論的検証や、多くの技術者や長い時間をを必要とする実験の実行は、人的・資金的観点から難しいことになります。

独立行政法人による先端技術の基礎的および応用的な技術開発行為は、その成果を国内企業が活用できることから、該当する技術やノウハウをもつ、ベンチャー・中小企業にとって大きな援軍となります。

日本のハードおよびソフト事業は、最先端の技術やノウハウを駆使して、徹底的な差別化・差異化を図らないと世界市場で勝ち残れません。

かって、多くの大手製造業には、○○研究所が多数ありました。ここでの基礎研究や応用技術は、優秀なものが多くあり、日本の競争力を支える要素の一つになっていました。

しかし、バブル崩壊後、多くの国内製造業は、リストラを行なって研究機関も統廃合されたりして、優秀な技術者・研究者が会社から離れました。

現在、腰を据えて最先端の技術やノウハウ開発行為を行なえる組織的機関は、一部の大手企業の研究機関を除いて、国の交付金で運営されている独立行政法人などに限られつつあります。

独立行政法人は、国の税金で維持運営されますので、研究開発の成果を事業計画通りにきちんと出すことが求められるのは、当然です。

現在の独立行政法人の課題の一つが、研究開発業務に携わっている研究者・技術者の立場の不安定さにあります。

以前、ノーベル賞を受賞した山中教授は、2012年10月18日に内閣府科学技術政策担当大臣らとの会合で講演を行ないました。

その中で、以下のように述べています。(日経BPネットより抜粋)

「山中教授は講演で、米カリフォルニア州のグラッドストーン研究所で研究している経験を通して日米の研究環境を比較。1993年から97年にかけてグラッドストーン研究所に留学していた時代に比べて、研究施設や知的財産に対する意識で、日米間の差が開いたとの認識を示した。

国からの資金的な支援はそれほど差はないが、民間からの寄付で差がついているとの見解を述べた。
 
とりわけ山中教授が強調したのは、研究者を支援する人材の問題で、米国では知財や広報を含めて多様な人材が研究をサポートしていることを指摘。iPS細胞研究所では約200人が働いているが、正規雇用の職員は20数人しかいないと説明し、「これでは研究の質を維持するのが難しい」「どこかの組織で長期的に雇って必要なところに派遣するなどの策が必要ではないか」などと述べ、研究支援人材を長期雇用する仕組みの必要性を訴えた。」

上記山中教授の指摘の中で、他の機会でもたびたび登場しているのは、研究者が安心かつ安定して研究開発業務に集中できる職場の提供・確保です。

例えば、山中教授が中心となってiPS細胞などの研究を支援してきた「最先端研究開発支援プログラム」は、5年間の期間で終了します。

今までのやり方では、5年たつとこのようなプログラムは終了し、多くの研究者は、新しい職場や仕事を自分で探し・確保する必要があります。

この環境下では、研究者は研究開発業務に集中できません。本日の記事によると、「最先端研究開発支援プログラム」の後継事業として「革新的研究開発支援プログラム」をつくるとのことです。

このやり方を他の研究開発プログラムにも適用して、国の内外から優秀な研究者を集めて、日本を最先端の技術やノウハウの集積地にする仕組みが必要です。

アジアでは、シンガポールがこの仕組み構築を行なって、世界中から優秀な研究者を集めつつあります。

日本でも、政府が進めている「科学技術イノベーション総合戦略」で当該事業の仕組みを抜本的に変革して、環境、エネルギー、医療などの分野で最先端の技術やノウハウ蓄積ができる体制の構築と実施を強く期待します。

もちろん、各研究者の研究開発成果や進捗は、発表される論文や出願特許の内容も含めて客観的に評価することは、重要になります。

また、研究開発の成果は、多くの国内企業で共有・使用できるように開示して、日本の科学力・技術力の発展と事業拡大に結び付けられるようにする仕組み構築も必要です。

今後の「科学技術イノベーション総合戦略」の内容と実施計画に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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