日経記事;『広がるメコン経済圏 物流インフラ整備着々 2億4000万人市場に 国境越え供給網』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『広がるメコン経済圏 物流インフラ整備着々 2億4000万人市場に 国境越え供給網』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月31日付の日経新聞に、 『広がるメコン経済圏 物流インフラ整備着々 2億4000万人市場に ニコンや矢崎総業、国境越え供給網』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『インドシナ半島を縦断するメコン川流域の経済圏が膨張し始めた。物流インフラの整備に伴い、「CLM」と呼ばれるカンボジア、ラオス、ミャンマーの後発3カ国と、経済発展で先行したタイ、ベトナムの一体化が加速。

新たな部品供給網(サプライチェーン)づくりが始動した。世界4位のインドネシアに並ぶ人口2億4千万人を抱える大メコン経済圏。その潜在成長力を取り込む動きが激しさを増しそうだ。

ラオス中部のサバナケット県。首都ビエンチャンから400キロメートルも離れた田舎町に設置された経済特区に、ニコンの新工場建設が進む。操業開始は10月の見込みで、関連部品メーカー約20社も進出を検討している。

新工場が生産するのは一眼レフデジタルカメラの部品。サバナケットから西に延びる国際幹線道路「東西経済回廊」を使ってタイ中部のアユタヤ県にある工場に運び、最終製品に組み上げる。

東西回廊は2006年末に完成し、最近は輸送の流れがスムーズになりつつある。回廊のできる前はサバナケットからタイ中部に荷物を運ぶには1日以上かかったが、今は6~7時間で済む。

タイ国境に近いカンボジア西部のコッコンでは昨年末、自動車部品大手の矢崎総業がワイヤハーネスの新工場を稼働させた。進出を可能にしたのは、東西回廊の南側に並行して走る「南部経済回廊」の海岸側ルートだ。

原材料はすべてタイから輸入。低賃金を生かして労働集約的なワイヤハーネスを組み立て、再びタイへと輸出、同国内に集積する日本車工場群へ納入する。生産品目はタイ工場と重複するが、往復物流費を上乗せしても「タイの3分の2程度のコストで生産できる」(同社関係者)。

物流インフラの整備で急速に一体化するメコン圏。ベトナムのホーチミンからプノンペン、バンコクをつなぐ南部回廊は西へと延び、インド洋に達する。

ミャンマー南部で計画され、日本の官民も参画を検討する「ダウェー経済特区」が開発されれば重化学工場の進出に弾みがつく。そうなればインドや中東、アフリカ市場まで見据えた大メコン圏の新たな分業体制が視野に入る。

連携は「横」だけではない。地域を分断していたメコン川は日本の政府開発援助(ODA)などで橋が整備され、アクセスが向上。6月に予定されるタイ・ラオス国境の「第4メコン国際橋」の開通後は、バンコクから中国雲南省昆明まで北上する「南北経済回廊」が一本の道路で結ばれる。

タイ政府が計画するバンコク―タイ東北部間の高速鉄道も、昆明への接続を視野に入れている。

長く戦火や政情混乱が続いたCLMは経済発展が遅れてきた。タイやベトナムの後背地として、ここにきて脚光を浴びるのは、インフラ整備が進んだからだけではない。

一つは経済開放の取り組み。カンボジアは外資導入へ05年から経済特区の整備を進め、その数は7つに上る。旧軍事政権下で孤立していたミャンマーも、民主化改革を進めて国際社会に復帰してきた。

二つ目は低賃金の労働者の存在。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、CLMの一般労働者の平均賃金は月53~132ドルと、タイの3分の1~6分の1だ。

課題はソフト面の改善。通関や出入国手続き、許可証を持つトラックやバスの自由な乗り入れなど、ヒトやモノの往来を円滑にする必要がある。』


カンボジア、ラオス、ミャンマーが所属しますASEAN(アセアン)は、2015年に「ASEAN経済共同体」を作ることを合意して準備を進めています。この合意は、2003年にされています。

また、アセアンは、日本を含む周辺国と自由貿易協定(FTAやEPA)を結びつつあります。アセアンは、加盟国の政治的安定さなどが増しており、政治・社会的視点から経済成長が見込まれる基本的な条件が整いつつあります。

アセアンは、1967年、ベトナム戦争後に東南アジアの政治的安定、経済成長促進等を目的に設立されました。設立当初は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイが加盟し、その後1984年にブルネイが、その後1995年にベトナム、1997年にラオスとミャンマー、そして1999年にカンボジアが加盟し、現在では10か国が加盟しています。

アセアンの総人口は、6億人です。インドネシアが最大の人口をもち、2.3億人います。最小は、おとぎ話に出てくる国のようなブルネイの40万人です。

人口からみても、アセアン加盟国の10カ国は、多様性をもっています。

経済からみますと、一人当たりGDPは最大のシンガポールの43,159ドルから、ミャンマーの702ドルとなり、現時点では貧富差がまだあります。

この多くの多様性をもつ国々が、経済共同体を2015年に確立する意義は大きいものがあります。現時点で合意されている経済共同体の内容は以下の通りです。

・物理的な接続(ハードインフラ)を確立する
交通(航空、道路、鉄道、海運、港湾施設、物流、サービス施設)、コミュニケーション技術の導入(光ファイバー網)、エネルギー(電力網、ガス・パイプライン)、経済特区などを実現する。

・制度上の接続(ソフトインフラ)を確立する。
貿易自由化・促進(ASEAN物品貿易協定、基準・適合性評価手続、ASEANシングル・ウインドウ、税関の統一)、投資自由化・促進(ASEAN包括的投資協定)、サービス自由化・相互承認協定、地域交通協定、キャパシティ・ビルディング・プログラムを実現する。

上記二つの大きな事項の実現により、アセアン域内を経済的に一体化して、発展させようとしています。

私は、アセアン経済共同体化は多少の紆余曲折があっても、計画通りに実行されるとみます。それは、経済共同体は加盟国に多くの経済成長と豊かさをもたらすからです。

上記しましたように、加盟国の政治的・社会的安定性が大きな原動力の一つになっています。象徴的な動きは、ミャンマーの民主化です。

現在のミャンマー政府は、民主化しないと経済発展を実現できないことを理解して、政治の方向性を大きく変えました。

この結果、昨年から日本や欧米諸国が多額の投資をミャンマーに行なっており、日本は最近社会インフラの強化で多くの投資をする約束をしました。

アセアン諸国は、タイを将来像の一つとして考えています。自動車や電機などの多くの国内企業が長期間にわたってタイに継続投資をした結果、タイでは産業集積が進みました。

現在では、タイの産業は多くの国内企業にとって必要不可欠なものになっています。両国の相互依存度は増していますし、今後も続くことになります。

インドネシアは、第二のタイを目指して産業集積化を進めていますし、ベトナムも電機分野での産業集積化を目指しています。

そのような環境下で、本日の記事にありますメコン川周辺地域での物流インフラ整備構築は大きな意義があり、周辺地域の経済活動の活性化を大きく後押しします。

海外を目指す国内企業は、アセアン地域を第一候補地にする考えや計画が増えていますし、合理的なものになります。

多くの国内企業は、タイで行なったように、中期的な経営方針でアセアン地域への投資・進出を行なっています。

現地の経済発展を実行・支えながら、進出国の市場拡大を後押しして、自社の事業拡大を実現するやり方です。

このやり方は、当然のごとくアセアン諸国から歓迎されます。タイでの国内企業の動き方を見ていることによります。

しかし、これからアセアン地域に進出しようとする中小企業は、このような事業環境だけに目を奪われれはいけません。

国内での事業のやり方や考え方を単純にアセアン地域で実施しても、事業拡大はできません。対象市場は、国内とは完全に異なることを理解して、しっかりとした事前調査・確認と事業計画の作成が必要になります。

じっくりと腰を据えたアセアン地域への進出や投資が成功するためのポイントになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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