パース製作のちょっとしたアドバイス(5)「色彩遠近法」 - 建築パース・CGパース - 専門家プロファイル

宇田川 ひとみ
ヒトミ・キュービック・デザイン 
長野県
グラフィックデザイナー

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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パース製作のちょっとしたアドバイス(5)「色彩遠近法」

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こんにちは。
ヒトミ・キュービック・デザインの宇田川です。

本日は第5回目、そして遠近法の3番目、「色彩遠近法」についてです。

 

まずは、下記の色の対比をご覧ください。

 

 これは、「ヨハネス・イッテン」の色彩論に掲載されている色の対比を応用して
寒暖対比と補色対比を同時におこなった図です。

絵の中の色はそのもの単独で置かれているのではありません。

色には赤・朱色・黄のような暖色と、青・緑といった寒色があります。

図を見ると、暖色は前にせり出してくるような感じがあり、寒色は後方に張り付いて
いるような感じがお分かりになると思います。

また補色というのは、混合するとグレイや黒に近い色になる2色のことをいいます。

この補色の2色は、隣接すると互いに刺激しあって、互いに目立つという性質をもっています。

色彩遠近法とは、色がもつこれらの視覚的&心理的特質を利用し、絵に奥行きを表現する方法です。

 

では、パースではどのように利用すればよいのでしょうか?

ひとつは、前回の空気遠近法と重なりますが、遠くのものほど寒色に近づけるのです。
また、遠くのものには強い補色対比を避けることです。

下記のパースをご覧ください。

※絵をクリックして下さい。大きく表示されるので違いがよくわかります。

 

このパースは、中央の通路棟と左側建物を増築するため、右側既存棟と入れた全体の

雰囲気を確認したいとのご要望を受けて作成しました。

①のパースは遠近法を考慮せず、指定された色で壁・屋根を仕上げています。

どれもそれぞれの色を自己主張してしまい、絵のメインである増築部が目立ちません。

②は、奥の既存棟の色対比をおさえ(彩度を下げます)、目線が手前の増築部にいくように

しています。

 

【 色彩遠近法のコツ 】

遠くのものを描くときは、寒暖対比を利用し、補色対比は弱めましょう。

 

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