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日経記事;"電力競争時代へ一歩東電火力に2陣営名乗り首都圏,業種越え争奪 新日鉄住金など建設"に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本雅暁です。

5月25日付の日経新聞に、『電力競争時代へ一歩東電火力に2陣営名乗り首都圏,業種越え争奪 新日鉄住金など建設』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京電力は24日、新設の火力発電所から電力を調達する入札を締め切った。中部電力が東電と組む形で応札し、新日鉄住金とJパワーも名乗りを上げた。

東電は今後も外部資金を取り込んで老朽火力の建て替えを進める。戦後から続く地域独占体制が崩れ、他電力の首都圏進出が本格化。異業種を交えた競争時代にようやく踏み出す。

入札に参加したのは2陣営。中部電・東電連合は東電の常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)に新規の発電設備を導入する。新日鉄住金とJパワーは別々に応札したが、鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)に発電所を共同で建設し、それぞれが東電に電力を供給する。いずれも石炭が燃料だ。

今回の応札分で東電が調達できる電力は合計68万キロワット。2020年度の稼働で、原則15年間にわたって調達する。東電は計画を評価した上で、7月に最終決定し、10月に電力受給契約を結ぶ。

東電は260万キロワット分を調達する計画だったが、遠く及ばなかった。発電単価に環境対策費などを加えた価格の上限を1キロワット時あたり9円53銭とした入札条件が厳しく当初関心を示した企業の多くが応札を見送った。

東電は不足分については13年度内に再度入札を実施する考え。今回は企業にとって検討期間が短かった。「次の入札に参加しそうな予備軍は多く、すべて足し合わせると400万キロワット分に達する」(政府関係者)との見方もある。

中部電の首都圏進出で電力市場の競争原理は大きく変わる。中部電は一部の電力を独自に売れるからだ。ある幹部は「東電管内で顧客を開拓して電気を売ることに重要な意味がある」と強調する。資金力のない東電を発電所建設で支援する一方で、小売りでは東電の顧客を奪う。

生産で手を組み、営業の最前線で競合するのは自動車や電機などの業界では当たり前。中部電に触発され、ほかの地域の電力大手も首都圏を目指す可能性がある。中部電以外のある電力大手も今回の入札への参加を検討していたもようだ。

東電は東京湾沿いの老朽火力も入札を通じて建て替える方針。その規模は合計1千万キロワット超。多くはガスや石油を燃料としており、設備更新で収益力が向上する余地は大きい。

建て替え案件を本命視する企業は多く、電力事業拡大を目指す都市ガス大手や石油元売り、商社が参加に意欲を示している。

電力の小売りで東電の競合相手が増えるのは確実だ。価格競争が促進されれば、利用者の選択肢が広がる利点も期待できる。』


5月22日に、日経記事;『中部電、東電と発電所建設 首都圏で独自小売り、地域独占に風穴』に関する考察 [新規事業開拓・立上]のタイトルで、ブログ・コラムを書きました。

本日の日経記事も、東電が発注する新規発電設備工事に対して、先に述べた中部電力に加えて、新日鉄住金とJパワーも応札しました。

記事によると、他企業も応札を考えていたようですが、東電が示した条件からは採算が取れないと判断して見送ったとのこと。

今回の新規発電設備は、常陸那珂火力発電所と鹿島火力発電所が対象で共に石炭火力となります。
今回新規設備では、石炭使用することに大きな意義があります。

日本は、火力燃料である石油、天然ガス、石炭のほぼ全てを輸入に頼っています。石油と天然ガスの輸入価格は高止まりしており、非常に高額なコストで輸入しています。

この高額コストが日本の貿易収支を赤字状態にしつつあります。現在の日本の状態をみていますと、原発の早期再稼働は難しいものがあります。

また、太陽光発電を中心とする自然再生エネルギーからの発電量は、当分の間限定されます。太陽光発電の場合は、高コストになりますので、普及が進むと電気料金の高さが課題になります。

電気エネルギーを考える場合、発電量と発電コストの両面から最善の解決方法を考える必要があります。

天然資源の中で扱いやすいのは、天然ガスです。日本は、今まで大量の天然ガスを使用してきました。扱いやすさとCO2を含む有害物質の排出量抑制効果があるためです。

しかし、日本には天然ガスの価格決定権はほとんどなく、供給元の言い値で購入しているのが実状です。

最近、天然ガスの調達方式に動きが出てきました。一つは、米国のシェールガス輸入化です。米国政権が日本への輸出にGOサインを出しました。

現時点では、米国内のシェールガス調達コストは、中東地域での天然ガスの当該コストより安くなっています。

しかし、将来米国が輸出するシェールガスの販売価格を上げるリスクがあります。日本は、米国のシェールガスへの期待や依存度を高くしないことが必要です。

その観点からみますと、ロシアが日本に対する天然ガス輸出事業化の動きを示していることは注目されます。

天然ガスに関しては、日本は多様な調達先を持っていることが重要になります。多様な調達先は、日本の価格交渉力強化につながることによります。


一方、火力発電に石炭を使用することは、今まで国内では積極的に行なわれてきませんでした。理由は、上記しましたように天然ガスや石油に比べて、取扱いに手間がかかることとCO2などの有害物質排出量が多いことによります。

これが国内火力発電の中で、石炭使用が極端に低いことにつながっています。この状況が福島原発事故以降大きく変わりました。

天然ガスによる火力発電依存度の高さからくる高発電コスト化が進んで、一般消費者と企業が支払える電気料金ではなくなりつつあります。

電気供給は、安定した電力供給量と合理的な電気料金の両方を同時に達成する施策で考えることが必要です。

石炭使用は、輸入調達コストの低減化を実現します。最近、三菱重工やIHI、新日鉄住金などの重電メーカーは、超高効率な火力発電装置の開発・実用化に成功しています。

この最新装置では、石炭火力から排出されるCO2などの有害物質を天然ガス使用装置とほぼ同水準におさえられるとされます。

今後、東電などの電力会社が石炭火力発電装置を積極的に活用していけば、日本の天然ガス依存度を下げることになりますので、日本全体の天然資源輸入コスト削減につながります。

さらに、国内で多くの最新石炭火力発電装置が稼働しますと、多くの技術とノウハウ蓄積が進みます。

その成果をもとに、国内企業は新興国中心に最新石炭火力発電装置を売り込むことが可能になります。新興国も日本と同じエネルギー問題に直面しているからです。

CO2などの有害物質排出量を抑えながら、低コストで調達できる石炭を使用する火力発電装置の潜在需要は大きいものがあります。

合わせて、国内企業が得意な節電対策技術・製品も売り込めます。低コストで石炭火力発電し、節電できる総合的なシステムや装置は、日本企業にとって大きな事業機会をもつことになります。

国内で発電・送電の分業化が進みますと、合理的な競争が起こり更なる技術および価格競争力が高まっていくことが予想されます。

国内の実証・事業化結果をベースに世界市場を開拓することが重要であり、電力会社が石炭火力発電装置を積極的に採用して国内企業の競争力強化につながることを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本雅暁

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