日経記事;『トルコ原発、日本の技術移転に期待 資源相に聞く』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『トルコ原発、日本の技術移転に期待 資源相に聞く』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本雅暁です。

5月12日付の日経新聞に、『トルコ原発、日本の技術移転に期待 資源相に聞く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本勢の受注が決まったトルコの原子力発電所の建設計画に絡み、同国のユルドゥズ・エネルギー天然資源相は日本からの技術移転への期待が受注の決め手になったことを明らかにした。

イスタンブールで10日、日本経済新聞のインタビューに答えた。日本と共同で技術系大学を立ち上げ、将来はトルコが自ら原発の運営や部品の生産にかかわる方針も示した。

トルコ政府は建国100年の2023年までにエネルギー分野に1300億ドル(約13兆円)を投資する計画で、日本勢に一層の積極参入を促した。

ユルドゥズ氏は「日本勢の計画は地場産業や雇用にプラスだ。技術を獲得でき、トルコ経済に好影響を与える」と指摘。その上で「できるだけ早期に日本とトルコで科学技術の国際大学を設立する」と述べた。日本の研究者からノウハウを学び、トルコのエンジニアを育成する考えも示した。

このほか原発を建設・運営する事業会社にはトルコ側から国営電力会社(EUAS)が最大49%出資すると言明。トルコ企業の資本参加を技術獲得につなげる意向だ。51%は伊藤忠商事を含む日仏連合が出資する。

日本勢は事業会社の設立から2年以内に、原発建設が地場産業や地元人材の育成に与える影響を調査しトルコ政府に報告する義務を負うという。出資比率や資金調達手法など詳細を詰めた上で、今年9~10月までに正式な契約を締結する。

3カ所目の原発建設に向けてはトルコの地場企業による部品生産を想定し「現地調達率は最低80%を目指す」と表明。「トルコ人エンジニアが原発を運営する」との目標も示した。

3カ所目の建設地は「2年内に選定する」とし、日本勢が事業化調査(FS)を行うことで合意したことも明らかにした。

ただFSを実施しても「優先交渉権の獲得にはつながらない。現段階でどの国が有利かと指摘するには時期が早い」とも述べた。ロシアが受注した原発4基と、日本勢受注の原発のうち1号機を23年までに稼働させるほか、3カ所目の原発の建設も開始する計画だ。

ユルドゥズ氏は「日本と原発で協力できれば、どんな分野でも協力できる」と言及。省エネや再生可能エネルギーの分野で日本企業の参入を求めた。

一方、エネルギー天然資源省高官らによると、トルコ政府は原子力賠償制度に関する法案を年内にも国会に提出する見通し。原発事故で損害が発生した場合の対応を定めた改正パリ条約に基づくもので、事業会社の賠償の最低限度額は7億ユーロ(約924億円)と規定されている。』


本日の記事は、先に安倍首相がトルコを訪問したときに、最終確認された三菱重工業と仏アレバ連合の受注に関して、同国のユルドゥズ・エネルギー天然資源相が日経記者とのインタビューで答えた内容について書いています。

事業費は2兆円規模で、出力は4基で450万キロワット程度となる見通し。23年まで第1号機の稼働を目指すとされます。

福島原発事故の影響で、三菱重工や東芝、日立製作所などの国内メーカーは、海外での原発建設プロジェクトへの入札や参加を見合わせていました。

新政権が、成長分野の柱の一つとして、エネルギー関連の社会インフラ事業拡大を積極的に打ち出したことにより、これらの原発プラントメーカーの動きも再活発化してきました。

特に、安倍首相は自らの海外訪問時にトルコに積極的に国内メーカーの原発技術を売り込んだとされます。

社会インフラ事業を今後の成長分野の一つにする考えは、合理的であり積極的に官民一体となって事業拡大する姿勢が重要になります。

新興国の場合、社会インフラを整える事業は、通常、巨大なものになり、資金、技術、ノウハウ、人材など多くの点でリスクを伴います。

今回、原発事故後の初めての案件であり、相手国がトルコという地域大国であることは大きな意味があります。

それは、国内メーカーの原発建設事業に関して、トルコに対して今後の対応方針を具体的に示していることです。

一つは、日本政府が人材育成などを含めて原発推進のサポートに関するコミットメントをトルコに与えていることです。

今回の受注に関し、三菱重工は人材育成と関連技術の移管・教育育成支援について、約束しています。

本日の記事では、ユルドゥズ・エネルギー天然資源相は日本からの技術移転への期待が受注の決め手になったことを明らかにしています。

今回のトルコでの受注は、多くの示唆を意味します。単に技術、信頼性や価格だけでなく、人材育成や技術移管などのソフト面でのコミットメントが重要になることです。

加えて、同日付の日経記事は、「伊藤忠商事はトルコの原子力発電所の売電事業に参画する。三菱重工業と仏アレバ連合の受注が確定した原発の建設・運営会社を仏エネルギー大手などと設立する。出資額は700億円超になる見通し。」と報じています。

トルコは、社会インフラの強化に必要な資金が大幅に不足していますので、今回のような伊藤忠の資本提供は、現地で歓迎・感謝されると共に、今後のモデルケースの一つになります。

現時点では、国内電力会社の国際原発建設案件に参加することは難しいですが、その他の面では技術、信頼性、価格、人材育成、技術移管、資金協力などの面でオールジャパン体制を作れます。

トルコだけでなく他の新興国では、大きなエネルギー不足問題に直面しており、原発分野だけでも世界で160兆円の潜在需要があるとされます。

他の新興国でも、自国での原子力発電に関する産業育成や資金確保に高い関心をもっています
このソフト面でのメニューを充実すれば、国内勢が今後、海外原発建設プロジェクトを受注できる可能性が高まります。

原発の安全性確保は、まだ道半ばの面はありますが、日本を含む国々での電気エネルギー確保のための有力な手段の一つになります。

また、原子力産業は、すそ野が広く、海外での原発建設プロジェクトを数多く受注すると、国内に新規事業の機会が増えますので、素材・部品などの関連する中小企業の収益拡大に貢献します。

三菱重工、日立製作所、東芝などの大手関連メーカーには、安全性向上に向けた技術開発を継続しながら、積極的に海外市場開拓することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本雅暁

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