日経記事;『ホンダ、北米の変速機生産能力5割増 メキシコに新工場、販売回復受け』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ホンダ、北米の変速機生産能力5割増 メキシコに新工場、販売回復受け』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月4日付の日経新聞に、『ホンダ、北米の変速機生産能力5割増 メキシコに新工場、販売回復受け』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダは3日、メキシコに基幹部品である変速機(トランスミッション)の新工場を建設すると発表した。約4.7億ドル(約460億円)を投資し、2015年後半に稼働させる計画。年産能力は70万台で、北米での生産能力は5割増える。

同国で14年から生産する北米向けの小型車「フィット」に搭載する。日本の自動車メーカーは景気の上向く米国向けを狙い、生産体制の整備を急いでいる。ホンダも生産コストの安いメキシコを増強、需要増に対応する。

メキシコで基幹部品も生産する。

同社はメキシコ・グアナファト州に年産能力20万台の四輪車工場を建設中。14年春に完成し、日本で今秋に発売されるフィットの新シリーズを現地で生産する。新工場は同じ敷地内に建設する。

新工場ではCVT(無段変速機)を生産する。稼働当初は35万台の能力だが、16年後半には70万台に増やす。ホンダが北米に持つ変速機の年産能力は現在、137万5千台で、これが5割増えることになる。

ホンダにとって北米は、最も四輪車の販売台数が多い地域。新型車を発売したセダン「アコード」や「シビック」「CR―V」の3車種が主力。特に米国は景気が上向きつつあり、新車販売も好調だが、フィットは現在、日本から輸出している。

ホンダは16年度の世界販売台数を12年度比5割増の600万台にする方針を掲げている。中国など新興国を中心に拡販するが、北米も200万台前後の販売を確保したい考え。今回の変速機の新工場建設で、生産体制はほぼ整うことになる。』


5月2日付の日経新聞に、4月の米新車販売台数が、前年同月比8.5%増の128万5338台だったと報じられました。

特に、大型車が好調で米3社が2ケタ増となっていることが特徴的です。大型車は、ピックアップトラックやSUV(多目的スポーツ車)などになります。

米国市場で、大型車の販売が好調なのは、ローン金利が下がっていることと、シェールガスやシェールオイルが普及し始めたことで、中東の高い石油に対する依存度が大幅に下がるとの安心感が背景にあるとされます。

対称的にトヨタの環境対応車の代表格であるHV「プリウス」が21%減と大幅に減りました。人気車種が大型車に移っていることの影響が大きかったようです。

トヨタにとっては、少々残念な結果ですが、日本のTPP交渉参加や円安状況下で米ビッグスリーは、国内自動車メーカーの動きに神経質になっていますので、現時点では波風が立たない状況になっています。

国内自動車メーカーは、米国市場での販売台数増加により、数々のジャパンバッシングを受けてきましたので、稼ぎ頭である米国市場でどう生き残っていくか、さまざまなノウハウを身に付けています。

円安状況下で輸出数量を伸ばすと、米国ビッグスリーから円安を利用した不当な安値販売でシェアを奪われたとの、反発・クレームが発生する可能性があります。

そこで、国内自動車メーカーは、米国内での現地生産比率を高めており、現地雇用の創出をしているとアピールして、ビッグスリーからの反発やクレームに対応してきました。今後も現地生産は強化されていきます。

最近、各国内自動車メーカーは、米国とFTA(自由貿易協定)を締結していますメキシコに生産拠点を設立したり、強化する動きを活発化しています。

FTAにより、メキシコから米国への輸出に関税はかかりません。メキシコは、米国に隣接していますので、米国内の生産とほぼ同じ輸送費で供給できます。

また、メキシコの労働賃金は、米国より廉価です。このため、国内自動車メーカーは、メキシコでの生産体制を強化しています。

本日の記事にありますホンダの動きもその一つです。

米国だけでなく、世界各地の市場で現地の要求仕様・機能・価格に適応した商品を製造・販売するには、現地生産は必要な手段の一つになります。

日本の経済状況だけを考えると、円安であれば輸出で稼いだ方が貿易収支が黒字化しますので、輸出事業の拡大が好まれます。

しかし、輸出一辺倒のビジネスモデルはもはや存在しえません。貿易相手国からの反発を生み、事業自体の継続ができなくなるリスクがあります。

海外事業は、輸出と現地生産のバランスを上手く取って行なうことが重要であり、必要です。特に、産業のすそ野が広い自動車産業は、この絶妙なバランスの維持が求められます。

今後の市場拡大が見込まれる東南アジアも同じです。消費者市場に近いところで作り、販売する「地産池消」の割合は増えていくとみます。

中堅・大手企業とBtoBタイプの事業を行なっている中小企業は、既存取引先の動きを注意深く観察しながら、国内での事業や輸出で対応できるのか、きめ細かく判断していくことが重要になります。

取引先が生産拠点を海外に移管したり、強化すると、部材・部品供給先に海外進出するように要請、あるいは要求される可能性があります。

中小企業は、このような要請・要求が出てきても対応できるように、事前準備しておくことが今後の事業継続・拡大には重要になります。

例えば、自前で海外の販路開拓・集客を行なっておいて、国内取引先さきだけでなく、海外でも顧客開拓しておきます。自前で輸出事業を行なうようにします。

輸出事業を行なうと、海外顧客との会話や取引を通じて、海外事業に対する適応力やノウハウ蓄積ができます。

国内取引先から、海外進出の要請・要求があったときに、自前で販路開拓・集客ができていれば、海外進出後の事業継続リスクの低減化が可能になります。

何度か本ブログ・コラムで書いていますように、海外進出した中小企業が事業継続できない最大理由の一つが、販路開拓・集客ができないことによります。

海外進出する中小企業にとって販路開拓・集客は最大の課題です。いつまでも国内取引のみで行なっていけない状況になりつつあります。

今から、円安環境を利用して海外市場の販路開拓・集客を行なって、輸出事業を始める積極策が重要であり、必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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