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英語圏に留学する本当の意味

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留学

カナダの大学在学中の生徒が一時帰国して遊びに来ました。

高校クラスの生徒の前で実に的を得た話をしてくれたので、その様子をコラムにしてみました。 

「英語圏に留学する」ことの本当の意味とは何かが、よくわかると思います。

1.本人の発声方法がかなり変わり、声がよく通るようになっていました。 ここで勉強していた時には、結構ぼそぼそ小声で話していましたけどね。

「日本人は話をするときに、声が小さいし、音をはっきり出しません。 カナダでその習慣のまま話していると、最初は聞き返してくれていた人もそのうち注意を払ってくれなくなります。 放っておかれますね。 相手に、そして周りのみんなに聞こえる声で発音すること。 単純なことですが、非常に大切なスキルです。 これなしには相手にされません。」

解説:日本人は特に母音の発音が弱いです。 やわらかくそっと発音するのが日本語です。 それに引き換え英語の母音にはかなりのパワーが必要です。 しかし、いくら特訓して英語の母音がはっきり出るようになっても、日本にいる限りはすぐにもとに戻ってしまいます。 この教室の外の日本語の世界でははっきりとした発音で話す必要がないからです。

はっきり音を出して話さないと相手にされなくなる環境で、思い知る(!)ことは留学の大きな成果ですね。 やっと「英語を話す」とは何なのかがわかります。


2.大学の教室での様子。 質問、Discussion など、日本の生徒はどうしても受身で、自分から発言出来ません。 そんな日本式受身態度は直りましたか?

「最初はどうしていいかわからないので黙ってました。 そうしたら、『あ、こいつはわかってないのか。』と誰も構ってくれません。 ポトポトとでも声を出し始めると、聞いてくれます。 スピードがないのですぐ誰かが話し始めますが、頑張って続けます。 黙っていても誰も順番に当ててくれたりしませんよ。 黙っていること=内容が理解出来てないやつと、見なされます。」

解説: これが日本の生徒を教えていて一番フラストレーションを感じることです。 みんな当ててくれるまで待って、自分からはなかなか発言出来ません。 質問も出来ません。 私の所で何年も訓練した生徒でも、日本の環境にいる限り、この受身態度から抜け出すことは無理ですね。 

留学した周りの学生の態度に大いなる影響を受けて、黙っていたら放っておかれ、馬鹿だと思われる経験はこの上なく大切です。

またこの経験は、いわゆる語学学校では無理ですよ。 英語が出来ない人を集めている語学学校では、英語圏の知的活動の根本をなす積極的な言語活動を経験することは出来ません。 大学のレベルに達して初めて仲間に入れる環境です。


3.日本の大学の先生と、カナダの大学の先生との大きな違いは何ですか? (この生徒は、日本の大学も卒業しており、二つのまったく異なる大学環境を客観的に観察している貴重な存在です。)

カナダの先生は絶対、「その答えは間違っている。」とは言いません。 論理的根拠さえあれば、「そういう考えも出来るね、」とみんなの意見を聞きます。 

数字を規則的に考えて行くはずのAccounting のクラスでさえ、先生は、「Critical Thinking を使うことが大切だよ。 例えば、教科書に書いてあることもそのまま信じないで自分で確かめてみること。」

すべてのクラスでCritical Thinking を使うことに念を押されます。 日本のように、教科書は絶対で、みんなで同じ事実を覚えこむことはありません。

解説:この生徒は日本にいる間、ここでCritical Thinking の基本をかなり勉強して行きました。 もちろん完璧にわかったわけではありませんが、それでも、もしCritical Thinking とは何か知らずに留学していたらどうなっていたでしょう。 自分のどこを直せば授業についていけるのかもわからず迷子になってしまいますね。 英語圏で学ぶ日本人留学生のほとんどは、そこで迷ってしまっているケースが多いと思います。

ここの高校生にも一生懸命Critical Thinking を教えますが、日本の大学に行ったら最後、きれいさっぱり消え去ってしまうようです。 使える環境がないからですね。


4.こんなことも声を大にして付けたしてくれました。

日本の大学にも「英語で授業をします。」とかなんとか言っているところが増えていますが、問題はそこではないんです。 例えば、カナダの大学の授業をそのまま日本に持って来て日本の大学生に受講させたとしても意味がないです。 つまり、その授業にいる学生たち、教室の外での態度、言動、大学外、社会での人々の考え方、それら環境が英語を本当に理解する上には欠かせません。 

日本の環境の中で、英語で授業を受けても、クラスメートは受身の日本人では意味がまったく違います。 日本にいる外国人の友達をいくら作っても、本当の意味の英語の助けにはならないのと同じです。 日本にいる外国人は日本人の態度にある程度合わせてしまいますし、周りの環境はまったく受身そのものの日本だからです。

解説: 正にその通り。 国際なんちゃら学部に行くので留学しなくても英語は出来ます!と勘違いしている人が未だにずいぶん多いと思います。 すべて周りの環境が100%ショックをもたらし、今までの後ろに引いた受身の自分を変える場所にいない限り、本当の英語は絶対わかりません。 

これも多くの大学が生徒集めのために始めていますが、1~2年ちょこっと英語圏に行っても意味がないですよ。 英語のレベルがかなりないといわゆる本当にCritical Thinking を体験するレベルの授業には入れてくれないからです。 実際は、ESL(英語を外国語とする人のクラス)の下の方に入り、英語が出来ない者同士でお茶を濁して来るだけです。 

日本の大学から短期で送られてくる学生の英語のレベルの低さはカナダでも悪名高いです。 ほぼESLのかなり下のレベル行きです。

補足:30年以上に渡り、Critical Thinking を教えた高校生を、カナダの大学、そして日本の大学に送り出して来ました。 カナダに行くか、日本に残るか、それからの人生の大きな分かれ目ですね。

日本の大学に一ヶ月でも在籍した生徒。 日本人特有のPassivity (受身の態度)に染まります。 一緒にいる学生、先生、そして環境が受身そのものだからです。 その中で自分ひとり浮くのを本能的に避けるため、見事にPassivity に染まります。 そばでいつも私のように、「声を出して、発言して、質問して。」とがぁがぁ言う人もいなくなりますしね。 非常に残念です。 折角伸ばして来た芽が花にならない様子が残念です。

カナダに行った生徒。 日本では大して目立たなかった生徒が大きく存在感を増します。 たった数カ月で自己評価がぐんと上がり、「明確な発音で、どんどん発言し、ひとを楽しませる話術」を身に付けます。 もともと持っていた能力というより、英語圏という環境がここまで日本の若者を開花させるのか!と毎年驚きます。

日本から飛び出す生徒が増えることを期待して。


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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
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