東京都の猪瀬知事がニューヨークタイムス社のインタビューで、トルコ・イスタンブールを非難する発言をした問題は、まったく違う意味で興味を引きました。恥ずかしい話、わたしはオリンピック憲章で他の候補地を非難することが、憲章違反になるとは知りませんでした。オリンピック開催には、それほど関心がないからです。
開催地に立候補をしている猪瀬都知事の場合、このルールを知らなかったでは済みません。立候補する都市間の競争である以上、事前にルールがあるはずです。100年以上の歴史ある近代オリンピックの開催では、なおさら厳しい取り決めがなされていると思います。ただ、猪瀬都知事は、この当たり前のようなルールに、気付いていなかったのではないでしょうか?
ビジネスにおいても、このルールを知らないで参入したため、たいへんな痛手を受けることがあります。このところ大手企業のリストラが続いていますが、辞める社員の中にはフランチャイズ開業を目指す人が少なからずいます。そんな一人の男性の話ですが、「これまで工場勤務が長かったために、開業のためのノウハウがまったくなかった」と言います。
そのため、「ラーメン店のフランチャイズに加盟して飲食ビジネスのノウハウとラーメンを作る技術を覚えようと思います」 その上で、「契約期間が切れたら今度は自分の能力でラーメン店の開業を目指します」と話していました。この人の場合、フランチャイズのルールを知らないで加盟を考えている人です。ほとんどのフランチャイズ契約には、競合禁止義務と言う規定があります。
フランチャイズ契約によって加盟をしますと、契約期限が切れた後は、一定期間同じ業種で開業することを禁止する規定です。フランチャイズ本部の秘密や技術を盗まれないためです。フランチャイズ業界ではよく知られた規定ですが、五輪憲章と同様に契約書の内容に気付かないで開業しますと、裁判を起こされる可能性さえある規定です。
【一言】
五輪憲章もフランチャイズ契約書も、しっかり内容を確認しなかった単純ミスなのでしょうが、その代償はあまりに大きいものにつきます。もし、東京が選ばれなかったら、猪瀬知事は針の筵に座ることになります。フランチャイズで契約違反をした場合も、代償は高いものにつきそうです。参加する世界のルールを軽くみていますと、その後立ち上がれないことにもなりそうです。
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