日経記事;『レアメタル、回収コスト半分以下に 大阪府立大、細菌使い加熱不要』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『レアメタル、回収コスト半分以下に 大阪府立大、細菌使い加熱不要』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営コンサルタントの活動 新規事業開拓・立上支援

皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月30日付の日経新聞に、『レアメタル、回収コスト半分以下に 大阪府立大、細菌使い加熱不要』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『大阪府立大学の小西康裕教授は自動車用排ガス装置やリチウムイオン電池から、細菌を使ってレアメタル(希少金属)を効率よく回収する技術を企業と共同開発した。回収コストを従来の半分以下にできる。

今月、小型家電リサイクル法が施行されるなど、本格化するレアメタルの回収に活用する。廃棄物に大量に眠る金属資源「都市鉱山」を開拓する技術開発が今後加速しそうだ。

小西教授と日高ファインテクノロジーズ(大阪市)は使用済みの排ガス装置の中の触媒から白金を回収する技術を開発した。3年後の実用化を目指す。

白金やパラジウムの触媒をいったん砕いて薬品で溶かし、金属を体内に取り込む特殊な細菌を加える。実験では50ミリリットルの溶液から3時間で白金などを99%回収できた。

白金を回収するには従来、電気炉でセ氏1300度に熱して溶かしていた。細菌を使えば加熱の工程がいらなくなり、回収コストが数分の1になる。白金回収の普及につながる。

小西教授は東レ子会社の東レエンジニアリングと共同で、携帯電話などのリチウムイオン電池からリチウムやマンガンを取り出す技術も開発した。実用化の目標は5年後。

正極材のマンガン酸リチウムを細菌を含む溶液に加えた。細菌によって電子を与えられた鉄イオンがほぼ全てのリチウムと85%のマンガン、アルミニウムを溶かした。溶けた金属は樹脂で回収できる。高温で金属を溶かす手法の数分の1のコストで済む。

関西大学の芝田隼次教授らは日本リサイクルセンター(大阪市)と共同でリチウムイオンを含む溶液にメタノールを加えて回収を促す手法を開発した。リチウムイオンは約20%しか沈殿しないが、水酸化ナトリウムとメタノールを加えて溶解度を下げて95%沈殿させた。』

また、同日付の日経新聞に、『都市鉱山、豊かな埋蔵量経済新聞』のタイトルで関連記事が掲載されました。

主な内容は以下の通りです。

『廃棄された家電製品や携帯電話に含まれる再利用可能な金属は「都市鉱山」と呼ばれる。物質・材料研究機構の試算によると、日本の都市鉱山の埋蔵量は金が約6800トン、銀は6万トンにのぼる。多様なレアメタルも含まれており、なかにはインジウムやタンタルのように世界の埋蔵量の1割を超えるものもある。

小型家電リサイクル法は市町村が中心になり、レアメタルや貴金属の再資源化を促すのが目的だ。

だが、回収や再利用はコスト高が原因でこれまであまり進んでいない。従来法だと炉の中でセ氏数百度以上に加熱して金属を溶かさなければならず、電気代などがかさむからだ。2008年時点で金の再利用率は40%でパラジウムは38%。白金は19%、ロジウムは7%にとどまる。

都市鉱山を有効活用するには、レアメタルなどを低コストで取り出す回収技術の確立が欠かせない。また、微量の貴金属やレアメタルを他の金属類から選別する技術開発も今後重要になってくる。』

記事に出ています、「小型家電リサイクル法」は、正式名を使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律のことです。2013年4月1日に施行されました。

小型電子機器とは、携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機、電話機やファクスなどが対象になります。

地方自治体や自治体が認定する業者が回収し、その中に含まれるベースメタル(鉄や銅など)、レアメタル(金、銀、リチウム、プラチナなど)などをリサイクルするという趣旨のものです。

回収主体が、地方自治体になりますので、準備・対応ができる自治体から実施することになっています。

すでに、2001年4月1日に施行された家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)と合わせて実施することで、国内に天然資源として存在していない、レアメタルなどの鉱物資源の回収体制が法律上は整いました。

記事にありますように、廃棄された家電製品や携帯電話に含まれる再利用可能な金属は「都市鉱山」と言われます。

都市鉱山の言葉は、2001年に施行された家電リサイクル法の前後から使われています。回収に多額のコストがかかることや、実施方法の難しさなどから、2~3年前くらいまであまり強い関心がもたれませんでした。

都市鉱山に再び脚光が当たったのは、中国が領土問題に関連した反日行動の一環として、レアアースやレアメタルの実質的な輸出制限を行なったことによります。

これ以降、レアアースやレアメタルの輸入価格は、一時高騰しました。国内メーカーは、当該資源不足や高騰した購入価格に苦しめられました。

その過程で、国内の素材・部品メーカーは、レアアースやレアメタルを使わないで、同等の機能や性能を出せる汎用的な素材の使用方法を開発して、代替素材や部品を開発・商品化してきました。

「必要は発明の母」の言葉を体現したのが、上記代替素材・部品の開発・商品化です。現在もさまざまな開発・商品化が進んでいます。

本日の記事は、さらに一歩進めて、都市鉱山からレアメタルを低コストで容易に回収しようとする技術について書いています。

ポイントの一つが、細菌の有効利用となります。細菌を使えば、高温度にする加熱を行なう必要が少なくなりますので、電気料金を安くできます。

また、水酸化ナトリウムとメタノールを加えてリチウムイオンを回収する技術の開発も進んでいます。

いずれの技術も数年以内に実用化されるとのこと。

都市鉱山が有効に活用されるようになると、計算上、日本は海外からの貴重な鉱物資源の輸入量を減らせることになります。

さらに、リサイクル率が高まると、これらの小型家電を埋めずに再資源化することでゴミの量を減らすことができま。

埋め立て処分場の容量節約や小型家電に含まれる鉛などの有害物質を高温度に焼却しないで、取り出せれば環境負荷の軽減につながります。

環境立国を目指す日本には、最適な目標課題の一つになります。ここには、ベンチャー・中小企業の知恵を生かせる潜在需要が存在します。

国内企業が、日本国内で小型家電のリサイクルを事業化できれば、当該技術・ノウハウをベースに海外市場開拓が可能になります。

欧米や新興国では、多くの携帯電話やスマホ、タブレット端末が使われています。どの国でも、これらの小型家電がこのまま廃棄されると、大きな環境問題になります。

そこに国内企業の技術・ノウハウで、環境問題を解決しつつ、レアメタルやその他の鉱物資源などを回収できれば、大きな事業機会が生まれます。

国内で実証・実現化したものを海外市場に持ち込むのが効率的なやり方になります。

多くのベンチャー・中小企業が活躍することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム