地震対策の究極の選択は免震構造にすることです。地震の揺れを建物に直接伝えない構造にすれば家具が倒れたり、壁にヒビが入ることもありません。しかし、免震構造にもデメリットがあります。
デメリット1、高価
免震支承(装置)は開発に莫大な費用が掛かります。建築基準法で禁止されている構造を、大臣認定を取得することで合法化している為、過剰とも言える実証実験を繰り返さなければなりません。
逆に云えば、過剰なほどの実験を繰り返さなければ、安全とは言えない不安定な構造です。
その為、莫大な開発費用が販売価格に反映されてしまいます。
デメリット2、火災には無抵抗
地震と同時に発生するのが火災です。阪神大震災の時は水道が寸断された為、街単位で家が全焼しました。免震住宅は地震には抵抗しますが、火災に対しては他の建物と全く同じです。建物が密集している地域での免震住宅は、免震構造以外に火災に対する備えも必要になります。
デメリット3、津波に無抵抗
基礎と上部構造が地震の縦揺れを制御する程度の緊結措置しか取られていませんので、木造免震住宅であれば水に浸かれば、簡単に浮き上がって流されてしまいます。
デメリット4、類似品が多い
免震の規定は建設省告示2009号と云う、告示により定められていますが、免震に類似する構造の取締規定がありません。その為、免震とは名乗らず類似の名称を利用して、大臣認定を取得せず安全性が確認されていない商品が出回っています。一般人から見れば玉石混合で何が優れた商品で何が危険な商品なのかを見極める方法がありません。唯一の方法は、合法か否かではなく、大臣認定を取得しているか否か、を確認する事です。
建築基準法に対し合法とか、特許を取得していると宣伝していますが、安全性の証明にはなりません。
建築基準法は性善説を元にして作られた法律です。法律を行使する者が悪意を持って法文を曲解すれば、あらゆる抜け道が出来てしまう法律です。
特許申請は、個人の知的所有権を守る法律で、性能や安全性を保証する法律ではありません。特許を取得したからと言って、大臣認定の変わりにはなりません。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
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経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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