日経記事;『トヨタ、米で増産投資 円高是正でも体質強化 400億円、雇用700人拡大』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『トヨタ、米で増産投資 円高是正でも体質強化 400億円、雇用700人拡大』に関する考察

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皆様、おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月19日付の日経新聞に、『トヨタ、米で増産投資 円高是正でも体質強化 400億円、雇用700人拡大』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は米国での増産投資に乗り出す。ケンタッキー工場で2015年からレクサスブランドのセダン「ES」を生産する方針。

円高是正が進んで輸出採算が改善している中でもあえて米国での増産投資に踏み切るのは、為替が変動しても屋台骨が揺るがない強固な体質づくりを急ぐためだ。一方、国内の生産規模は維持し、最先端の技術を磨く戦略は継続する。

豊田章男社長が米国で19日午前(日本時間同日夜)に記者会見して発表する。レクサスを生産するケンタッキー工場では現在、主力セダン「カムリ」などを生産している。今回、他の車種の増産対応なども含め総額400億円程度を投じ、同工場の雇用も700人規模で増やす見込みだ。

レクサスはブランド力に優れたドイツ勢に対抗するため、トヨタが注力している高級車。一部をカナダで生産するほかは日本で製造し、各国に輸出している。日本製の品質を売りにするが、海外販売が約9割を占めており、トヨタは現地生産の拡大を検討していた。

為替は1ドル=100円近い水準まで円安が進んでいる。70~80円台だった昨年に比べると輸出採算は大幅に改善した。だが「足元で円高が是正されたからといって、『為替フリー』の体質を目指す方針は変えない」(トヨタ幹部)考え。米国でのレクサス生産を決めたのは、継続的に収益を稼ぎ出すために欠かせないと判断したためだ。

一方「国内生産300万台」(豊田社長)を維持する方針も変えない。レクサス「ES」の米国生産開始に伴い、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)ではこの分の生産がなくなるが、2014年発売を目指して開発中の小型SUV(多目的スポーツ車)を追加することで生産規模を維持する。

足元の国内市場は「アベノミクス」効果もあり堅調だが、人口減や高齢化で市場の伸びは期待できない。中長期で「300万台」を維持するにはハイブリッド車(HV)「プリウス」「アクア」に続くような、先端技術を使って国内中心につくり、輸出競争力も備える新商品が欠かせない。

15年には元町工場(愛知県豊田市)で燃料電池車の量産を始める。こうした次世代エコカーの普及を軌道に乗せられるかどうかも焦点になる。』


トヨタ自動車の動きは、他の国内大手メーカーの動きに影響を与えます。トヨタが現在の円安状況下で、米国での生産を増加するやり方は、日本が7月から始めるとされるTPPの本格交渉も意識しているとみます。

米国の自動車メーカーは、彼らの自動車が日本国内で売れていないのは、日本の輸入障壁や軽自動車などの日本独自のルールがあるなどであり、これらを撤廃しない限り日本とのTPP交渉に反対するとしています。

すでに、自動車を含む多くの国内企業は、最大の消費者市場である米国に工場をもっており、米国消費者の要求仕様・機能・性能・価格にあった商品を提供しています。

国内企業が作る商品の品質や信頼性が高いため、トヨタやホンダなどの自動車は米国市場で売れています。

米国自動車が日本国内で売れていないのは、商品の魅力がないことによります。最近、欧州自動車メーカーの車が国内市場で売れています。

国内消費者は、多少高くても商品価値を欧州製自動車に見い出しているから購入します。米国自動車も同じよう商品の魅力をもっていれば、国内市場でもっと売れるはずです。

トヨタは、今回主力車の一つであるレクサスを米国工場で増産する計画を発表しました。日本国内からの輸出を増やすのではなく、消費者市場での現地生産を増やすやり方です。

この決定は、TPP交渉を開始する政府への後押し支援になります。米国工場での増産は、現地従業員の雇用増(記事によると、700人の雇用増)につながりますので、米国政府に歓迎されると共に、米国自動車メーカーの円安による輸出事業拡大の批判をやわらげる効果があります。


トヨタが高級自動車であるレクサスの増産に踏み切るの理由の一つに、米国市場の消費者市場回復があります。

米国市場経済を悩ましてきた、多額の住宅ローンなどの各家庭の巨額な借金の返済や調整が進んだこと、シェールガスの事業拡大を含めて新規事業や新規工場の立ち上がりなどで雇用も増加していることが要因の一つになります。

最近、大きな伸びを見せている東南アジア地域で、各製造企業が行なっている現地生産の強化と同じです。

現地の要求仕様・機能・性能・価格にあった商品を現地でつくり、販売するやり方です。トヨタは、レクサスで言わば、「地産地消」を米国でも加速します。

このやり方は、合理的です。現在は円安状況下になっていますが、将来円高状況になる可能性があります。

円安状況下で体力回復できるうちに、現地化をさらに強化することで、為替変動に対する対抗力がつきます。

中小企業は、トヨタのような大手メーカーとすぐに同じ動き方はできませんが、最近の円安で海外市場開拓をしたいという中小企業が増えています。

私は、中小企業の販路開拓・市場開拓、新規事業立上をメインに中小企業を支援しています。

昨年までは、主に東南アジア地域への輸出拡大や、現地での工場建設あるいは販売拠点作りに関する相談件数が多くありました。

昨年後半から、東南アジアに加えて、米国市場開拓の相談件数が如実に増えています。この動きは、米国市場の回復を反映しています。

特に、市場・顧客が業務用途のBtoBタイプ事業の件数が増えていることを実感しています。本日付の日経記事に「、18日発表の貿易統計によると、12年度の日本の輸出額に占める米国向けシェアは17.8%と前年度から2ポイント上昇。4年ぶりに中国を追い抜き、輸出先トップになった。対照的に中国向けは17.7%と1.4ポイントシェアを落とし、東南アジア諸国連合(ASEAN)の16.3%に近づいた。」とあります。

中小企業が、販路開拓・集客拡大のために、円安と相まって米国市場への関心が高くなることは確実です。

米国向け相談件数で多いのが、市場・販路開拓です。まずは、輸出から海外市場開拓を行なうやり方です。

中小企業が米国や東南アジア地域に輸出するときには、幾つかの課題があります。例えば、当該企業や商品の知名度の低さ、輸入商社や特約店探し、潜在顧客の発見・開拓などが共通課題としてあります。

当該企業がどの業界に属するかで、多少状況は異なりますが、BtoBタイプの事業で上記課題を解決する方法は幾つかあります。

特に、米国市場ではある程度汎用化したやり方に加えて、当該企業が属する業界特有の安全規格などの規制や商習慣などを勘案して、対応策を考え、計画して実行することが重要です。

加えて、インターネット通販や自社の英語版Webサイトなどを活用して、直販や広告宣伝を並行して行なうこともポイントになります。

米国市場は、今後東南アジア地域と共に、中小を含む国内企業にとって重要な市場になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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