日経記事;『東南ア、湧き出る中間層 旺盛な消費 成長バネに』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:新規事業・事業拡大

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『東南ア、湧き出る中間層 旺盛な消費 成長バネに』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営コンサルタントの活動 海外展開支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月13日付の日経新聞に、『東南ア、湧き出る中間層 旺盛な消費 成長バネに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『フィリピンのマニラ首都圏に日本のカジュアル衣料品店「ユニクロ」が開業した。販売される衣料品の価格は日本とほとんど変わらず、フィリピン人にはいくぶん高い。それでも買い物客でにぎわい、売上高は世界各地の店舗の中でも上位に入る。

フィリピンとインドネシア、タイの東南アジア3カ国は2012年、そろって6%台の高成長を達成した。その原動力となったのが中間層と呼ばれる人たちの旺盛な消費意欲。その勢いは「高度成長期の日本のようだ」(東南アジアの日本企業関係者)。

豊かさを示す1人当たり国内総生産(GDP)が3000ドル(約30万円)の大台を超えると、家電製品や自動車といった耐久消費財の売れ行きが加速するといわれる。

日本は1960~70年代に1人当たりGDPが一気に3000ドルを超えて、冷蔵庫や洗濯機などが家庭に行き渡った。これが約2500ドルのフィリピンは個人消費が爆発的に増える寸前といえる。

2億4000万人の人口を抱えるインドネシアでも中間層が台頭している。米ボストン・コンサルティング・グループは、インドネシアで家計支出(外食や余暇を除く)が月200万~500万ルピア(約2万~5万円)を中間層と定義。20年にはこれら中間層が現在の約2倍の1億1750万人に拡大するとみている。

中間層の消費意欲がけん引する成長モデル。フィリピンやインドネシアよりも先行するのがタイだ。1人当たりGDPは6000ドル近くになっており、豊かな中間層が、高額消費を引っ張る。例えば自動車。タイでは12年の新車販売台数が143万台を超え、前年から8割も増えた。

これとは反対に、これからフィリピンやインドネシアを追いかけるのがベトナム。所得水準はなお低いが、英調査会社ユーロモニターによると、人口に占める中間層の割合は10年の約25%から、20年には50%近くに急拡大する見通し。消費市場の予備軍といえ、東南アジア市場の層の厚さがうかがえる。

もちろん、中間層がけん引する高成長の実現は簡単ではない。注目されるのは労務問題の行方だ。

「6%の経済成長が続くかぎり、最低賃金を年30%引き上げるべきだ」。インドネシアでは今、労働組合が先鋭化している。自信を付けた労働者が賃金の引き上げなどを経営側に強く訴えている。

所得増加は消費の活性化につながるが、企業収益と賃金のバランスが大きく崩れると、成長を阻みかねない。

東南アジアならではの事情もある。日本とは違って、所得が増えると家政婦を雇う家庭が多く、家電の普及率は「かつての先進国に比べると、拡大のペースは緩やか」(日系電機メーカー)という。

とはいえ、中間層の勃興はめざましい。旺盛な消費が東南アジアの高成長をけん引していくのは間違いないだろう。』


何度か本ブログ・コラムで書いていますように、日本は少子化により生産年齢人口減少が起きています。

生産年齢人口は、年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層のことを言います。この人口層は、収入があり、購買力をもっています。

生産年齢人口が多いほど、その国の購買力が大きいことになります。

日本の生産年齢人口をみてみますと、2005年10月現在で8409万人であり、総人口の65.8%を占めていました。 

政府が2012年4月17日公表した結果をみますと、2011年10月1日現在の人口推計では、生産年齢人口は8134万2千人となっています。

つまり、日本の生産年齢人口は、2005年10月から2011年10月の6年間で約275万人減ったことになります。

この生産年齢人口減少が、国内経済・市場の縮小原因の一つになっています。

中小企業が、事業拡大を考えるときに、対象市場を国内のみにするか、海外まで含めて考えるかの重要な要素の一つが、対象地域の生産年齢人口の増減であり、その大きさになります。

一般的に生産年齢人口減少は、市場規模の縮小に直結します。国内市場のみで勝ち残っていくためには、徹底的な差別化・差異化可能な技術・商品を出して対象市場でオンリーワンになることが必要です。

オンリーワンを維持強化できる限り、当該企業は国内市場で勝ち残れます。しかし、市場が飽和状態になると、売上拡大はできません。市場自体が縮小しているからです。

そこで、更なる売上・事業拡大を図るには、生産年齢人口が伸びている市場に進出して事業を行なう必要が出てきます。

本日の記事にありますように、東南アジアは生産年齢人口が伸びており、その規模自体も一定の大きさをもっています。

同時に、生産年齢人口層の所得自体が、日本国内企業などの積極的な投資で、多くの工場が建設されたことによる雇用増により年々向上しています。

国内企業は、東南アジア地域の中で最も早い段階からタイに投資してきました。多くの自動車関連や電機関連企業がタイに進出して、多くの工場をつくり、現地従業員を雇用しました。

タイ人は勤勉で真面目な性格をもっている人が多かったので、多くの国内企業が積極的に進出した結果、タイの生産年齢人口層に属する多くの人たちが職を得て所得が増加しました。

現在、タイのほとんどの労働者は職を得ており、失業率はゼロに近い状態になっています。また、国内企業の産業集積が進んだ結果、現地での生産活動に必要な部品や加工技術の多くは、現地調達することが可能になっています。

現在、中小企業を含む多くの国内企業が東南アジア地域に新規投資して、工場建設や販売拠点作りなどを行ないつつあります。

特に、2011年以来、中国との関係が領土問題で悪化した後は、多くの国内企業が東南アジア地域への関心を強めています。

東南アジア地域の状況は、タイが上記のように一歩先行して経済成長をとげています。現在、インドネシアやフィリピンがタイを追っかけようとしています。

多くの国内企業が製造拠点やIT開発・サービス拠点などを、インドネシアやフィリピンに作りつつあります。

当然のごとく、両国の生産年齢人口層の所得水準も上がっていきますので、多くの購買力をもつ中間層も増えていきます。

タイでは、多くの国内企業が進出した結果、従業員確保が難しくなっており、必然的に労働賃金も上昇います。さらに、タイの中間層の購買力が上昇することになります。

インドネシアでは、政府の後押しも得て、労働組合が労働賃金上昇要求を強めていますので、新規工場建設には課題がありますが、中間層の増加で消費者市場の拡大の観点から新規事業開拓・拡大の機会があります。

タイでは、労働者不足の問題を、ミャンマーやカンボジアなどの出稼ぎ労働者を確保することで、解決しようとする動きが出ています。

バングラデシュ、ベトナム、ミャンマーなどの国ぐにには、繊維産業のような労働集約型事業を行なう企業が多数、進出しています。

その結果、まだ生産年齢人口の所得水準が低い国ぐにでも、将来、当該水準が上昇して、人口増加率と人口の大きさからみて、非常に大きな消費者市場が出現することは、確実です。

中小企業を含めた国内企業は、東南アジアを取り込んで事業活動することで、成長機会を手に入れる可能性が高くなります。

もちろん、現地進出には多くのリスクが伴いますので、事前に入念かつ周到な準備をして、調査確認を行ない、しっかりとした事業計画をつくることが重要であり、必要になります。

また、東南アジア地域の消費者市場需要を取り込むのであれば、ネット通販や現地の輸出入商社、特約店網を活用して、輸出事業に特化することも最近の円安で現実的なやり方になります。

私の支援策企業の中に、東南アジア向けにネット通販で足場をつくり、並行して特約店網を開拓しているところもあります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム