私が新卒採用をしていたときの応募者に、「御社の○○部の○○プロジェクトの仕事が出来るなら入社を希望します」という学生がいました。会社で仕事をしている多くの方はわかるでしょうが、新入社員の配属は本人の入社後の様子やその年の計画など様々な状況を総合的に判断して決めますので、よほど専門的な勉強でもしていない限り、入社前に配属を確約することは難しいことです。「それは約束できない」と伝えると彼はそのまま辞退していきましたが、このように非常に具体的なキャリアを、あまりにピンポイントの狭い範囲で考えているケースは結構多いと感じます。
私が経験してきたことの感想として、仕事上のキャリアは運や偶然に左右されることが非常に多いということです。初めは無理やりだったがやってみたら面白かったとか、偶然出会った人の影響で志向が変わったとか、自分では制御できないことで自分のキャリアが左右されていることが何と多いことかと思います。
具体的なイメージを持つことも良いと思いますが、あまり決めつけずに、とりあえず与えられたことをやりながら考えるという姿勢も必要なように思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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