- 真鍋 貴臣
- 香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
- 香川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
「女子会」が凄い事になっているようです。
【記事抜粋】
「女子会」の経済効果、全国で3兆7千億円に 活発な集まりが好循環生む
大垣共立銀行系シンクタンクの共立総合研究所(岐阜県大垣市)は21日、女性だけで集まるランチや飲み会、旅行といった「女子会」の経済波及効果が全国で3兆6941億円に上る
との試算を発表した。
(以下、http://sankei.jp.msn.com/life/news/130321/trd13032118250017-n1.htm参照)
【抜粋終了】
なんでも、女子会の経済効果は3兆7千万なんだとか。
これは、ただごとではありません。
飲食や旅行など、その影響をストレートに受ける業界だけでなく、その周辺産業なども含めて、マーケットとしての「女性」に目が向くのは当然といった感じです。
私も基本的に「女子会」に代表される女性が時代の主役となる潮流に関しては賛成の立場であります。
古代より、女性優位の時代の方が平和だったようにも感じます。
■「女子会」の先にあるもの
これだけ世間の目が「女子会」に向くと、あらゆる産業・ビジネスが「女性」というセグメントをターゲットとした事業に力を入れてきます。
結果そこに競争が生まれ、サービス・価格の面から素晴らしいものが出来上がってくると想像されます。
しかし、当然ながらそういった流れの中で縮小の憂き目にあうセグメントがあると思います。
私には、それが「30代~50代くらいの中年男性」という気がしてなりません。
そう、「女性マーケット」が活況化すればするほど、自分自身が身を置くマーケットが貧弱化するように思うのです。
■なぜ、「中年男性マーケット」が貧弱化するのか?
企業が、自社の事業領域を分析する際に利用する手法として「PPM(products portfolio management)」があります。
これは、企業が経営資源の配分を決めるための手法で、市場成長率と相対的マーケットシェアを元に、自社の事業や製品を「金のなる木」「問題児」「花形」「負け犬」に分類します。
・市場成長率:高 相対的マーケットシェア:高 ⇒ 花形(事業の中心)
・市場成長率:低 相対的マーケットシェア:高 ⇒ 金のなる木(花形や問題児に資金供給する)
・市場成長率:高 相対的マーケットシェア:低 ⇒ 問題児(花形を目指す)
・市場成長率:低 相対的マーケットシェア:低 ⇒ 負け犬(撤退、もしくは事業縮小)
「女子会」は、いわばこれからの市場成長率が望めるマーケットですので、問題児(企業によっては花形)でしょうか?
一方、中年男性マーケットはというと…
・家計における男性の小遣いが年々減っている事
・家計所得が漸減する中で「女子会」マーケットが拡張する⇒男性の使用可能費用が割を食う
・30代~50代という、最も教育支出が大きい世代につき、そもそも消費の拡大は見込めない
というネガティブな状況に加え、
・中年男性をターゲットにしたセグメントは既に激しい競争に巻き込まれている事(外食、衣服、等々)
・既婚の中年男性の消費に関する意思決定には、多くの場合女性(奥様)の意見が強く反映されること
などの理由が考えられます。
そういった状況を考えれば、多くの企業が「中年男性マーケット」を撤退・縮小するのもやむなしという気がします。
■それでも中年男性マーケットを残してほしい3つの理由
考えれば考えるほどお先真っ暗な中年男性マーケットですが、それでも私は各企業がこの分野に注力してほしい理由があります。
・ニッチな分野にこそお宝あり
ランチェスター戦略という言葉がありますが、ニッチなセグメントにこそお宝があるものです。
お先真っ暗などとは言いながら、それでも人口2千500万人のマーケットですので、潜在的な購買力は充分にあると思います。
・中年男性は家庭の柱。大事にしてあげて。
30代から50代の中年男性といえば、職場では管理職。
日々色々な面で苦労しながら仕事をこなし、家計を支えています。
働かれている奥様も多いと思いますが、やはりご主人様がメインで家計を支えているケースの方が多いのではないでしょうか?
家計支出では一番に削減対象となるご主人様のお小遣いですが、そんな頑張りを支える意味でも、少し金銭的な援助をお願いしたいものです。
・若い世代に夢を見てほしい
子供は鋭い観察眼で親を見ています。
家族のために一生懸命頑張っているにも関わらず、子供から「父親の様にはなりたくない」とか「父親の様な人とは結婚したくない」などと言われるのはあまりにも不憫です。
高価ではなくても仕立ての良いスーツを着て、上質な靴を履き、颯爽と仕事に出かける父親を、嫌う子供は居ないように思います。
そんな「子供が憧れる父親像」のためにも、中年男性マーケットにはある程度の多様性を残してほしいと思うのです。
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