日経記事;『送配電システムの輸出拡大 日立と東電が提携 共同出資でコンサル会社』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『送配電システムの輸出拡大 日立と東電が提携 共同出資でコンサル会社』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月31日付の日経新聞に、『送配電システムの輸出拡大 日立と東電が提携 共同出資でコンサル会社』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所と東京電力は送配電を中心にした電力システムの輸出事業で提携する。両社で共同出資のコンサルティング会社を設立、4月から営業を始める。

海外の電力事業者へ設計技術や操業ノウハウを提供、設備の受注増を狙う。電力需要が急増する新興国では安定供給が可能な電力インフラが求められている。国内での豊富な実績を持つ重電と電力の大手が連携し、海外の成長市場を掘り起こす。

日立は変電設備に強い。

日立と東電は発電した電気を安定的に送る送配電システムの企画や設計を手がけるコンサル会社を設立した。資本金は約5000万円で、日立が8割強、残りを東電が出資。コンサル事業の年間売上高目標は約10億円だが、日立は変電設備などの受注拡大につながると見ている。

送配電網が不安定な東南アジアやインドを中心に営業するが、欧米など先進国も対象にする。IT(情報技術)や蓄電池を使って電力需給を制御するスマートグリッド(次世代送電網)の技術も売り込む。

日立は2012年11月、三菱重工業と火力を中心にした発電設備事業を14年1月に統合することで合意し、海外市場の開拓を加速する方針を打ち出した。ただ、送配電設備は事業統合の対象から外れており、東電とつくる新会社を活用しながら、海外展開を加速していく方針だ。

東電は福島第1原発事故以前、海外で原発運営への参画を計画していた。12年11月にまとめた事業計画では20年までに海外コンサル事業で年間20億円を稼ぐ目標を掲げた。事故後、海外の新事業を手がけるのは初めて。

国際エネルギー機関(IEA)の試算では、12~35年の電力設備投資の合計は16兆8670億ドル(1585兆円)とされ、このうち4割強が配電や送電向けとなる見通しだ。東南アジアなど新興国を中心に電力網の整備が進む。

 日本は官民一体で原子力発電所の輸出に力を入れてきたが、原発事故で受注活動は停滞している。ただ、日本企業が持つ高効率の火力発電や緻密に制御できる送配電網などへの評価は依然高く、インフラ輸出の柱になるとみられる。』


環境、電力、エネルギー、交通、水道、などの社会インフラ事業は、国内企業が得意とする分野です。

国内企業の技術に対する繊細さ、こだわりなどは、日本人特有の個性であり、社会インフラ事業ではその良さが最大限発揮できる分野の一つです。

最近、政府は国内で石炭火力発電を活性化させて、高コスト体質になっている電力コスト削減と、石炭火力発電のノウハウを蓄積することで、当該発電技術・装置の輸出事業拡大を目指す方針を明確化しました。

石炭火力発電は、今後とも大きな潜在需要が見込めますので、今回の政府方針は、国内企業の海外市場開拓を後押しするものになりえます。

上記社会インフラ事業は、医療と共に国内企業が今後世界市場で伸ばす必要のある主力分野です。
大手企業だけでなく、中堅・中小企業にとっても大きな新規事業が得られる、すそ野が広いのが社会インフラ事業の特徴の一つになります。

私が支援する中小企業の中に、エネルギーや環境関連事業に関係するビジネスを行なっているところが複数あります。

現在は国内中小の事業展開をしていますが、近い将来東南アジア市場を開拓する計画をもっています。この観点から、国内大手企業の海外事業展開にはいつも大きな関心をもっています。

本日の記事は、日立製作所と東京電力は送配電を中心にした電力システムの輸出事業で提携することについて書いています。

記事によると、2012年から35年までの世界の電力設備投資は、16兆8670億ドル(1585兆円)とのこと。内わけは、発電57%、配電32%、送電11%となります。

今回の日立製作所と東電の連携事業は、送配電事業を中心に行なうことになります。送配電は、上記設備投資の43%を占めていますので、この市場規模は、7兆4210億ドル位(682兆円)になります。

このうちの20%のシェアを取れば、23年間で136兆円の売上確保が可能になります。この事業が成功すれば、両社にとって大きな新規事業の一つになります。


ぜひ、両社の総合力を最大化して、大きな新規事業に成長させることを強く期待します。日立は、三菱重工と発電設備事業を2014年1月に統合します。

日立が発電に加えて送配電事業まで手掛けると、海外市場で発電から送配電までの全装置・設備を一気通貫でまとめられることになります。

発電から送配電まで、最新の技術をフル活用して、最高効率のシステムを海外政府や電力会社に提案することで、受注確保が可能になります。記事にありますように、IT、蓄電池、スマートグリッドなどの最新技術を相手側のニーズに合わせて組み込んでいくのも必要になります。

相手側が資金調達の問題をもっている場合、日本政府からの円借款やODAなどの仕組み活用も考えていくことになるとみます。

言わずもがなですが、政府と密に連携して政府がもっている仕組みを最大限有効活用するのも、世界市場で電力などの社会インフラ事業を行なうときのポイントの一つになります。

いずれにしても、国内経済において発電・送配電事業はとても重要なものになりますので、今後とも日立製作所、三菱重工、IHIなどの大手メーカーの動きに注目していきます。

これら大手メーカーの動きは、関連するベンチャー・中小企業にとって新規事業機会創出につながると共に、海外市場開拓のきっかけになりえます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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