- 辻 良史
- 筑波大学発ベンチャー(株)サイバー・ヨガ研究所 代表取締役
- 東京都
- 博士(体育科学)
株式会社サイバー・ヨガ研究所の辻です。
私がメンタルが強いなとつくづく思う選手は、女子テニスのマリア・シャラポワ選手です。
とにかく勝負どころでの集中力が尋常じゃないですね。
彼女は、ゲームを左右するセットポイントなどで、セカンドサーブでもエースを狙ってきます。
もちろん人間ですので、失敗(ダブルフォルト)に終わる場合もあります。
しかし、彼女はかなりの確率でうまくいっています。
相手にしてみたら、自分が攻めようと思っていたときに出鼻をくじかれるような感覚におちいると思います。
武道でいう「先の先」ですね。
シャラポワ選手は、名門「ニック・ボロテリー・テニスアカデミー」出身で、ジュニア時代からメンタルトレーニングの教育をしっかり受けています。
このアカデミーは、他に、アンドレ・アガシ、ボリス・ベッカー、ピート・サンプラス、マルチナ・ヒンギス、そして日本人では、錦織 圭選手が在籍していたことで有名ですね。
ここのアカデミーの特徴は、メンタル面の強化にかなり力を入れているところです。
ジュニア時代という多感な時期にこうしたメンタルトレーニングが受けられることは素晴らしい環境だと思います。
話を戻しますが、結局、迷ったときは勝負に出た方がいい場合が多いです。
なぜなら、守りに入って凡ミスを犯してしまったとき、「あのときやっぱり勝負しておけばよかった…」という悔しさだけがずっとついて回ってくるからです。
同じミスでも、勝負に出てのミスなら、挑戦を試みてのミスなので、凡ミスとは、全く質の違うミスといえます。
自分を責める理由にはならないので、「自己イメージ」が低下しません。
この点が凡ミスとは決定的に違う点ですね。
ビジネス分野では、「成功の反対は失敗ではなく、何もしないことだ」といわれたりします。
これは、スポーツでも同じで、守りに入ってのミスには気をつけたいものです。
頭では分かっていても勝負どころでは守りに入ってしまうのは、人間の防衛本能が働くためなのですね。
これを打破するには、
①普段からプレッシャーのかかる場面を想定した実践練習
②ポイントごとの気持ちの持ち方の習得
③生理学的に緊張を和らげ、リラックスする方法の習得
が必要になってきます。
筑波大学発ベンチャー株式会社サイバー・ヨガ研究所代表取締役 辻 良史
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