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日経記事;『2020年全都道府県で人口減 都市部も高齢化加速 2040年推計 市町村の7割,20%超減』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月28日付の日経新聞に、『2020年全都道府県で人口減 都市部も高齢化加速 2040年推計 市町村の7割,20%超減』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は27日、2040年までの地域別の推計人口を発表した。全ての都道府県で20年から人口が減り、40年には7割の市区町村で人口減少率が20%以上と全国平均を上回る。

高齢化が進み、総人口に占める65歳以上の割合は36%を超える。人口増を前提にした社会保障制度の再設計やインフラの見直しが課題になる。

同研究所が10年の国勢調査に基づき30年後の地域別人口を推計した。東日本大震災による死亡や人口移動の影響も考慮し、都道府県と市区町村の推計を出した。福島県は東京電力福島第1原子力発電所事故の影響が読めず、市町村別の推計はしなかった。

推計からは人口が減り続け、高齢者の存在感が高まる日本の姿が浮かぶ。前回07年の推計では全都道府県で人口が減るのは25年以降で、人口減は以前の想定より加速している。

菅義偉官房長官は27日の記者会見で、「少子化対策の必要性を再認識した。拍車をかけて対策を行っていかなければならないという強い思いだ」と述べた。

人口が減る都道府県数は10~15年は41で、20~25年に47都道府県になる。40年時点で落ち込みが最も大きいのは、秋田県の10年比35.6%減だ。次いで青森県(32.1%減)、高知県(29.8%減)と続く。福島県(26.8%減)や岩手県(29.5%減)も全国平均の16.2%より大幅に落ち込む。

市区町村別でみても10年比で人口が増える自治体は、全体の5%弱にあたる80しかない。人口の落ち込みは小規模な市町村ほど激しい。総人口に占める65歳以上の割合は10年の23%から40年に36.1%に高まる。

特に大都市圏と沖縄県で高齢者人口が増える。地方から就職などで大都市に出てきた団塊世代をはじめ、退職後も地元には戻らず都市に住み続けるためだ。埼玉県と神奈川県は、75歳以上人口が10年の2倍以上となる。

地方は高齢者数はそれほど増えないが、高齢化率は40%程度と高止まりする自治体が多い。介護施設に入りたくても入れない高齢者が増え、若い働き手が減る地域で医療や介護サービスをどう提供するかが課題となる。

人口が減ると、老朽化が進む道路や橋の維持コストの問題も深刻になる。0~14歳人口が10%未満の自治体が全体の6割弱となり、小中学校などでは空きが出てくる。維持するインフラの選別が欠かせない。

40年にはすべての都道府県で15~64歳の生産年齢人口が減少する。この結果、現役世代から集める税収と社会保険料は減る。一方で高齢者にかかる社会保障費は増える。

元気な高齢者や女性が社会保障の受け手から支え手に変わらなければ、経済の活力は維持できない。国内の働き手の急減を補う移民の検討も課題に浮上してくる。』


日本の人口は、総務省の人口推計によると、2008年がピークでおよそ1億2千8百万人であり、それ以降毎年15~20万人減少しています。

2011年も、出生数は105万人と過去最少になり、1人の女性が生涯に産む子供の数の推計である合計特殊出生率は前年と同じ1.39にとどまりました。とも20に05年を底にほぼ回復基調にあったが、ブレーキがかかった形になっています。

死亡数は125万人と戦後最多を更新しました。その結果、日本の人口は約20万人の自然減になりました。つまり、毎年15~20万人規模の市がなくなっていく状況になっています。

総務省や人口問題研究所は、毎年15~20万人の人口減少が2009年以降起こっていると発表しても、国民的な関心は低く、政府が本腰を入れて対策してこなかったのが実情です。

本日の記事によると、『菅義偉官房長官は27日の記者会見で、「少子化対策の必要性を再認識した。拍車をかけて対策を行っていかなければならないという強い思いだ」と述べた。』とのこと。

現在の自民党政権に抜本的な早期対策の立案と実施を期待します。

人口減少の中で最も深刻なことは、昨日のブログ・コラムで書いたように、「生産年齢人口;年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層のこと」の大幅減少です。

生産年齢人口減少が、国内市場の縮小や、記事にあるような税収入の減少につながります。政府が行なうべき対策は、生産年齢人口の維持増加です。

かって、人口減少に直面したフランスの状況をみますと、1955年以来人口増加がつづき、2010年に6200万人を超え、2050年に8000万人に達するまで一貫して増えつづけています。

フランスは、「人口は国力」との基本的コンセンサスをもっています。第二次大戦後、人口減少に直面したフランスは、上記コンセンサスをもとに人口増加に取り組みました。

その結果、2050年には8000万人に達するとのこと。日本の人口減少が続けば、フランスに追い抜かれます。

人口減少は、米国を除く先進国共通の問題ですが、フランスは例外です。「人口は国力」との基本的コンセンサスをもっているためです。

フランスでは、子育て支援に関して以下の制度があります。

・出産した女性には収入とは無関係に890ユーロ(1ユーロ=120円換算で約10万7000円)のお祝い金と、子どもが3歳になるまで毎月178ユーロが支給される。

・2~3歳児が通える保育園の多くは公立で保育料は無料。午前8時半から午後4時30分まで預かってくれる。

・3歳未満の子どもを自宅で預かってくれる保育アシスタント制度の存在で、保育料は年間で約1万ユーロかかるが、公的な補助が受けられる。アシスタントになるための研修制度や資格制度がある。

・働く母親は育児休暇を3年間取得できる。この間は無給だが、雇用主には「休暇取得前と同等の職場や職種に復帰させる」ことが義務付けられている。子育てが終わっても同じ職場に復帰でき、不利益な配転の心配がないので、安心して育児に専念できる。

・片親のみで子育てをしている家庭や身障児のいる家庭には、特別手当が支給される。

・地下鉄やバスは子ども料金が半額になる。子どもが3人以上の家族には「多人数家族パス」が支給され、子どもの数によって割引率が高くなる。など

フランスのように、高い失業率や経済的課題をもっていても、上記施策で人口増加を維持しようとする国があります。


上記施策の中には、今の日本でもすぐに導入できるものが幾つもあります。高齢者対策も重要ですが、子育て支援にもっと、お金をかけて若い世代が安心して仕事をしながら、子育てを楽しめる社会環境を早急に作ることが重要です。

例えば、我が子を認可保育所に預かってもらえない母親たちが都市部に多くいます。これらの女性たちは、働くても子どもを保育所に預けられないので、働けないのです。


日本の状況は、フランスのそれと大きく異なります。日本もフランスと同じように、「人口は国力である」との認識をもって、できることから早急に対応すべきです。

市などの公的施設に余裕がなければ、国もしくは地方自治体が資金を提供して、もっと民間運営の保育所を増やすなどの臨時対策を取る必要があります。

規制緩和が必要なら、即時に行なう必要があります。夫婦が共働きを続けられるよう、保育サービスを整備することが重要ですし、実行できることです。

安倍首相は、IT戦略本部の初会合を本日、3月28日に開いて、下記三つの課題の議論を早期に行なうよう、指示を出すとのこと。

(1)ITの利活用による民間投資の促進
(2)医薬品ネット販売など新しいIT社会の実現
(3)公共データの民間開放と電子行政の推進

そのうえで、高齢者らが遠隔治療を受けられる「在宅医療」や、出勤しなくても自宅などで仕事ができる「テレワーク」の普及をめざす考えとされます。

例えば、テレワークをもっと国内に普及させて、若い世代が自宅で仕事をしながら、子育てできるように、企業の協力を得て実行することも有効な方法ですし、現行のインフラで即時に実施可能です。


私は、ベンチャー・中小企業の販路開拓・集客支援も行なっています。その中で感じるのは、米国や東南アジアの人口増加地域・国の市場規模拡大です。

人口の規模は、市場規模に直結すると実感・認識しています。

人口減少の抑制と増加への反転には、時間を要します。ITをフル活用しながら、各種の規制緩和や企業や行政の姿勢の変更などを迅速、かつ有効に行なって、実行できることから手を付ける積極的な動きが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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