日経記事;『イオン,スーパー「1強」に 売上高5兆円超 ダイエーを子会社に 縮む市場,再編迫る』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『イオン,スーパー「1強」に 売上高5兆円超 ダイエーを子会社に 縮む市場,再編迫る』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月27日付の日経新聞に、『イオン,スーパー「1強」に 売上高5兆円超 ダイエーを子会社に 縮む市場,再編迫る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『イオンがダイエーを子会社にすることで、スーパー事業の売上高はイオンの4兆2千億円とダイエーの8千億円を合わせた約5兆円に達する。圧倒的な業界トップになる。

価格競争は激しくなるばかりで、スーパー市場の縮小は止まらない。生き残りに向け再編が加速するのは必至だ。

ダイエーは丸紅が主導する現在の体制下で業績の改善を果たせなかった。債務の圧縮など経営再建に一定のメドをつけたものの、本業の売り上げは伸びず、2008年度以降、1度も最終黒字を達成できていない。

老朽化した店舗投資に回す資金が不足し、既存店売上高は09年度から毎年2~5%ずつ前年を下回る。イオンと一体化した抜本的な構造改革が急務となった。

ダイエーは1980年~90年代にホテル事業や球団経営に進出するなど、多角化を推進。だがバブルがはじけると、過剰債務が重荷となり、銀行管理下の経営再建を余儀なくされた。

2004年には政府の産業再生機構の支援を受け入れた。小売事業の強化を狙う丸紅が06年に筆頭株主となり、07年にはイオンも大株主として参加し、3社でダイエーの再生を目指した。

だがデフレで価格競争が激化したほか、コンビニエンスストアが成長。12年度はスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどとの価格競争が激しく、営業赤字に転落したもようで、イオンの支援なしでは長期的に生き残りが難しくなった。

小売業界2位のセブン&アイ・ホールディングスのスーパー事業の年間売上高は約2兆円で、イオン・ダイエー連合とは圧倒的な差がつく。セブンも主力のイトーヨーカ堂の成長力が低下しており、イオン・ダイエー連合がスケールメリットを生かして調達力を発揮すれば圧倒的な価格競争力を備えるのは間違いない。

市場縮小が進むスーパーでは全国的な再編が進んできた。北海道のアークスが東北のユニバースなどを飲み込みながら南進し、岐阜のバローも周辺地域でM&A(合併・買収)を繰り返してきた。仮想敵は拡大を続けるイオンだ。

イオンは全国のスーパーを傘下に収めながら成長してきた。1990年代以降も経営破綻したヤオハンやマイカルを吸収。業界トップに躍り出た後も、なお規模拡大を志向し続ける。

スーパーの売上高が12年まで既存店ベースで16年連続マイナスとなるなど経営環境は厳しさを増す。

地域密着に徹し、拡大を望まないスーパーでない限り、もはや選択の余地はない。西友を傘下に置く米ウォルマート・ストアーズも日本でのM&Aを志向する。消費増税を控え、どの陣営と組むか、選択を突きつけられる。』

 

何度か本ブログ・コラムで述べていますように、小売市場全体の売上は、横ばいもしくは縮小傾向にあります。

小売市場全体が縮小しているのは、少子高齢化によって、最も購買意欲の高い「生産年齢人口;年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層のこと」社会で働いての減少が大きく影響しています。

また、ここ20年来続いている長期のデフレや景気の低迷が拍車をかけています。新政権誕生以降、円安や株価上昇で景気回復の芽が出始めていますが、生産年齢人口層の収入増までは時間がかかります。

生産年齢人口層が活発に消費するには、一定の時間を要します。

さらに、小売業者では、インターネット通販事業の売上が急拡大しています。小売市場全体の売上低迷の中でネット通販事業は毎年二桁成長をとげています。

ここ3~4年で、スマホやタブレット端末機器の急速普及が進んだ結果、インターネット上のWebサイトを見る、あるいは使う顧客の人口急増が進みました。

このネット利用者の急増が、ネット通販事業拡大を後押ししています。総体的に価格が安いこと、いつでもどこでも注文でき、すぐに配達してくれる利便性が支持される大きな要員です。

また、ネットから豊富な情報を探し、比較できることも支持されている理由になります。

多くのスーパー、百貨店、家電量販店、コンビニなどのリアル店舗事業を行なう小売店は、売上減少の課題に直面しています。

全体の市場規模が縮小しても、リアル店舗に対する需要はなくなりません。この中で大手小売業者が取るのは、市場シェアを拡大して、「残存者利益」を獲得することです。

市場が拡大をやめて成熟化した市場では、大きなシェアをもっていれば、競合他社はいませんので、安定した収益確保が可能になります。

本日の記事にあります、イオンのダイエー買収は、まさに規模の拡大で高シェア獲得を目指す典型例になります。

ダイエーは、関東と近畿にの都市部に店舗を持っており、イオンの既存店舗網を補完する形になります。

なお、上記記事では、イオンとダイエーを足した売上を5兆円超えとしていますが、イオンの連結売上は、5兆2061億円(2012年2月期)であり、ダイエーの連結売上は約8千700億円であることから、6兆円超えとなります。

この売上は、現在最大手のセブン&アイホールディングスの約4兆7863億円を超えるものになり、最大手の立場を確保します。

一般的に、成熟化した市場では、三番手くらいまでしかその市場に残れませんので、現時点では、ダイエー買収後のイオン、セブン&アイホールディングス、ユニーまでが残る企業になる可能性があります。

今後、スーパー業界では、さらに連携や買収が進み、整理・統合が起こるとみます。


家電量販店も同じ状況になりつつあります。

本日の記事に、ヤマダ電機が新規事業として、省エネ住宅ハウス「スマートハウス」分譲事業を全国で販売することを発表しました。2013年度中に、1000戸、300億円の売上を目指すとのこと。

ヤマダ電機もイオンと同じように、他小売事業者を買収して、高シェア獲得を目指してきました。現在は、家電商品だけでなく、自動車や上記住宅ハウスなどの他商品も積極的に扱って、事業の多様化を行なうとしています。

ヤマダ電機が、事業の多様化を進める背景には、家電商品の販売の依存度を下げるための新規事業立上と共に、ネット通販事業の仕組みで扱いにくい商品分野強化があります。

ヤマダ電機のトップは、最後の敵は米アマゾンのネット通販専業事業者とみているからです。小売市場でシェア・売上を伸ばしている大手ネット通販専業事業者の拡大を常に意識して手を打っています。


昨日、3月25日付の日経夕刊記事に、「四面楚歌のベストバイ」のタイトルで、米家電量販最大手ベストバイが、ネット通販専業事業者との熾烈な競争で、厳しい事業環境にあることが書かれています。

ネット通販専業事業者との戦いだけでなく、最も人気があるスマホやタブレット端末機器に関しては、アップルが行なっている自社の直営販売店、アップルストアでの丁寧な商品説明などにより、「アップル直営店の販売比率は12%に達する。」とのこと。

家電商品の販売価格の安さをアピールすることが中心の家電量販店のビジネスモデルは、ネット通販専業事業者の急拡大と、アップルのようなメーカーの動きなどで崩壊しつつあり、すでに他の大手家電量販店サーキット・シティが2008年に倒産したような事態になりつつあります。

ヤマダ電機は、この米国市場の状況をよく見ていると推測します。現在の対応策はその検討分析結果の一つになります。

米国の小売市場の動きは、今後の日本の当該市場の展開をみる上で参考になります。


さて、私が主に経営支援していますメーカーにとって、自社の販売網をどう作って維持強化していくのか、ネットやネット通販などを巧みに活用しながら、状況に応じて他社と連携して柔軟に対応していくことなどが販路開拓のポイントになります。

この視点から、国内の小売事業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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