相対の世界と絶対の世界

今、私達が過ごしている世界は相対の世界です。

相対の世界がどういうものかというと、全てにおいて比べる対象があるということです。

男と女、善と悪、有と無、暑さと寒さ…などというように、お互いに相対するものがあるのが、この現象世界なんですね。



もし相対の世界では無かったとすると、共感というものが出来なくなります。

例えば、この世にいる全ての人が善人だったとしたら、「あの人は良い人だなぁ…。」という気持ちすら生まれてこないわけです。

一般的に悪人と言われている人を見たり、自分が経験するからこそ、あらゆる感情が湧き出てくるんですね。



誰しも人生が上向きになることもあれば、下向きになることもあります。

良いことをすることもあれば、悪いことをすることもあります。

でもそれらは、反対のものを経験するからこそ味わうことが出来る感情なんです。



だからこそ経験というものが何よりも大切であり、経験する以上にわかるということはありません。

悲しい経験をしたことがあるから、優しい気持ちが出てくるわけなんですね。



ところが人間というものは、自分の理解出来ないものを批判するようなところがあります。

理解出来ないものは何かと言うと、自分が経験していないものです。

批判するだけではなく、自分が選択しなかったものを攻撃して、壊してしまおうとすらすることがあります。



自分と違う考え方を非難するということは、この世にある全てのものの半分しか経験出来ない…ということです。

それでは宇宙の法則であるこの世の道理を理解することは到底出来ません。

善を知るためには悪も許せる心が必要になってきます。

これが相対の世界です。



その考え方からいくと、「幸せになりたい…」と思った場合には、不幸の側に一度引っ張っていく必要があります。

すると、不幸を経験した反動で幸せというものが何だかわかるんですね。



「じゃあ、ず～っと幸せな状態でいることは出来ないの？」

という疑問が当然の如く湧いてくると思います。



結論から言うと、永遠に幸せな状態でいることは可能です。

そのためには相対の世界から抜け出す必要があるんですね。

善があれば悪もあり、幸せがあれば不幸もある…という相対の世界にいる以上、常に不安と隣り合わせで過ごしていくことになります。

故に、相対の世界から絶対の世界に行く必要があるわけです。



ところが相対世界と絶対世界という二つの世界があるということは、これまた相対することになってしまっているわけです。

それでは一体どうしたら、この相対する状態から抜け出せると思いますか？

まるで、なぞなぞのようになってきていますが、これがとても大事なことなんです。



人間の思考というものは、つい物事を二つに分けて考えがちです。

でも本当は二つでもあり一つでもあるんですね。

黒でもあれば白でもあり、白でもあれば黒でもある…。



ここまで理解出来たら、もう悩みなんて無くなってしまうのですが、なかなかすぐには受け入れられないし、理解出来ないものだと思います。

だいぶ深くまで学んでいかないとわからないことかもしれませんが…。

まずは自分が正しいと思っている価値観や常識というものに捉われず、その相対にあるものを批判しようとしないこと。

そこから始めてみて下さい。

一人でも多くの方が永遠の幸せに気付けることを心より願っています。

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