- 八納 啓造
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
- 建築家
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対象:新築工事・施工
家の熱損失の約4割がサッシから逃げている!
断熱性能を考える上で外せない要素が外部サッシです。表題にも書いたようにスタンダードな住まいの場合は、熱損失量の約4割がサッシから逃げています。
これまでも書いてきた、断熱性能や気密性能に合わせてサッシの性能も非常に重要になってきます。(※これ以外にも換気能力がとても重要になります)
しかし、サッシの重要性があまり認識されていないのが実情です。
日本のサッシの熱貫流率U値のレベルは、先進国に比べてかなり低いという事実を知っていますか?
どれだけ熱を通しやすいか?を示す数値として熱貫流率のU値というものがあります。例えば、一昔前に日本でスタンダードだったアルミ枠の単板ガラスのものは、6.5W/m2・kです。最近使われるようになった、アルミ樹脂複合サッシのペアガラス(空気層12mm以下)で、4.65。同じガラスで樹脂サッシの場合で、3.49。日本で一番性能がいいサッシで、最近まで2.33でした。
それに対して世界のサッシの熱貫流率の最低基準をみてみましょう。
※表KEIZO ARCHITECT OFFICE作成
表を見ていただくと一目瞭然です。
他国の窓の断熱性能は義務基準ですが、中国も含め各国の義務基準に対して大きく下回っていることが分かると思います。しかも、日本の場合は義務基準がありません。この事実を知って驚く人もいるでしょう。
少しでも窓の断熱性能がいいものを使うことは断熱にとても有効
日本の窓の現状を知らないまま、家づくりをしてしまうと、知らない間に断熱性能の低い窓を使用されている、ということも起こります。
そこで、家づくりをする際には「窓のU値はいくらのサッシですか?」というのを確認することが重要になります。当社の場合でもコストバランスで許せる限り最優先で断熱性能の良い窓を選ぶようにしています。
また、海外のサッシも視野に入れることは重要です。
特にU値が1近くのものや1を切るものは、ヨーロッパぐらいにしかまだありません(この辺りは随時リサーチ中)。コストバランスの調整はありますが、一度検討することも無駄にはならないでしょう。
このコラムの執筆専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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