日経記事;『医療機器、官民で輸出 ソニーなど18社参加し新組織 成長戦略に盛り込む』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『医療機器、官民で輸出 ソニーなど18社参加し新組織 成長戦略に盛り込む』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月21日付の日経新聞に、『医療機器、官民で輸出 ソニーなど18社参加し新組織 成長戦略に盛り込む』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は4月をメドに、日本の医療関連の機器やサービスを海外に売り込む新組織を官民共同で立ち上げる。三菱重工業やソニー、テルモなど医療機器メーカー18社が参加する。

それぞれが得意とする製品を組み合わせ、新興国などで新たな受注につなげる。将来は医療機関も組み入れ、日本の医療ビジネスを「オールジャパン」で普及させる体制を築く。

新組織の活用は政府の産業競争力会議で議論し、6月にまとめる成長戦略に盛り込む。具体的には経済産業省の主導で2011年に発足した一般社団法人メディカルエクセレンスジャパン(MEJ、東京・港)を全面的に改組。

主に国内で外国人向けの医療サービス事業を手がけるMEJを、医療製品やサービスの海外販売を後押しするための中核組織に変える。

新MEJの設立に向け三菱重工やソニー、テルモに加え、東芝、日立製作所、NEC、オリンパス、三菱電機、日本光電など18社が参加し、すでに事務局を立ち上げた。各企業から出向者を募り、従業員も拡充する。

新MEJは例えば新興国で現地企業を招いた大規模なセミナーを開催し、日本の医療機器メーカーなどが最先端の画像診断や放射線治療技術について説明。関連機器の商談に結びつける。メーカー各社が得意とする機器や技術を持ち寄り、セットでの受注をめざす。

政府は今後、新MEJに医療機器メーカーだけでなく病院など医療機関も加わるよう呼びかける。日本の病院経営のノウハウや病院で使う機器など「日本発の医療をまるごと販売する」(政府関係者)狙いだ。

新MEJの設立は政府が策定する成長戦略の医療・健康分野の柱となる見通し。』


医療分野は、環境・エネルギーと共に、国内企業が差別化・差異化を可能にする技術・商品・サービスを提供できる事業の一つになります。

医療分野は、先進国市場だけでなく、新興国を含む海外市場で大きな新規事業機会があることは確実です。

すでにオリンパス、テルモ、東芝、日立、ソニーなどの国内企業が個別に得意分野を持っており、当該分野で事業展開しています。

この個別企業の動きをまとめて統一した方向性を出して、総合的な提案を海外顧客にできれば国内企業にとって大きな新規事業機会になります。

国内企業の商品は、高い技術力を持っており、信頼性、性能、機能などの点で海外企業のものに比べて、遜色ない状況にあります。

しかし、国内医療関連企業の海外市場開拓は、米GEや独シーメンスなどの欧米大手企業と比べると、売上実績では大きな差をつけられています。

米GEや独シーメンスなどの欧米企業は、以前から海外市場開拓を行なっており、国内勢は後れを取っていましたし、今もその状態が続いています。

また、国内企業は個別に優秀な技術・商品・サービスを持っていても、総合的な提案を海外顧客企業にできる実力と経験が不足していました。

海外市場の販路も欧米企業と比べると、脆弱な状況です。費用対効果の課題もあって、大きな投資を控えてきたことも要因の一つになります。

この状況下、政府が旗を振って新MEJを核にして、国内企業が連携して医療機器やシステムを海外顧客に提案できるようになると、新規事業機会が生まれる可能性が高くなります。

海外市場開拓には、先進国市場を除くと、販売価格、現地で要求される仕様・機能・性能・サービス内容などに関して、現地の声を真摯にきく姿勢が重要になります。

国内市場用に開発・商品化したものを、たとえ低価格化してもほとんどの場合、売れません。これは、自動車や家電商品分野で国内企業が経験済みのことです。

従来、国内企業は新興国の高額所得者層をターゲットにした事業展開を主に行なっていました。そこに欧米企業が中間者層から貧困層までをカバーする事業展開を行ない、大幅な事業拡大を実現しました。

ここ3年から4年位の間に多くの自動車、あるいは家電メーカーは、新興国市場にマッチした価格・機能・仕様をもつ商品で事業拡大を図っています。

国内医療企業は、海外の高額所得者層だけでなく、中間所得者層や貧困層をカバーする柔軟な事業展開することが成功のポイントになります。

記事によると、新MEJは病院経営も事業対象にするようです。この病院経営も高額所得者層だけでなく、中間所得者層から貧困層まで幅広く事業対象とすることが大事です。

国内企業が得意とする、環境・エネルギーや医療分野は、進出先の社会インフラの重要な役割をもっています。

その社会インフラを国内企業の技術・商品・サービスで、育成・維持する姿勢をもって、現地人から高い信頼を得ることが事業成功のカギになります。

現地の社会インフラの改善に貢献しながら、事業拡大できることは、すでに海外進出した国内企業の成功事例が証明しています。

この視点から、新MEJが新事業方針を明確化して、医療機器や病院経営の輸出事業を展開することを期待します。

高度な医療だけでなく、低コストで維持・運営ができるようにノウハウ提供も必要です。インターネットを含むITの積極活用も重要です。

さらに、新MEJには、大手企業だけでなく、高い技術力をもつベンチャー・中小企業にも新規事業機会がもてるような仕組み作りを期待します。

多くのベンチャー・中小企業は、個別に独自開発した技術・商品を海外の医療分野に輸出しています。

知名度やブランド力の無さから、なかなか顧客開拓ができていなかったり、販路開拓が思うように行かない企業も多く存在しています。

例えば、高度加工技術が要求される医療用器具の開発・商品化は国内企業の得意分野です。これらの企業の苦手なことが、販路開拓であり集客です。

私の支援先や知っている企業の中には、優秀な技術・商品を駆使して海外の医療分野に参入し、ニッチ市場で事業を行なっているところがあります。

しかし、これらの企業は、例外です。

新MEJがベンチャー・中小企業も参画できるようにして、中堅・大手企業の下請けではなく、同じ立場で事業できる環境提供を求めます。

今後の新MEJや国内医療関連企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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