正解を求めない指導と異文化コミュニケーション - 英語全般 - 専門家プロファイル

野村 直美
ENGLISH SCHOOL cocoro 代表
英語講師

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対象:英語

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正解を求めない指導と異文化コミュニケーション

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 はじめまして。広島市で英語講師をしております野村直美と申します。初めてのコラム投稿でドキドキしておりますが、英語に興味を持ってもらえるような、また、英語を学習されている方が、元気を出して英語学習が続けられるようなコラムを書いていくよう努めたいと思っております。

 来月4月より広島市西区己斐の造形教室アトリエぱお様にて、cocoro英語コースが開講致します。先日、アトリエぱお代表の加藤宇章先生と「造形」と「語学」の教育についてお話をさせて頂く機会がありました。異なる二つの分野であるにも関わらず、共通する考えや指針が多く驚きました。その中の一つに、「正解を求めない指導」という考えがありました。最初のこのコラムは、この「正解を求めない指導」について書いてみようと思います。

 私どもENGLISH SCHOOL cocoroでは、「正解を求めない指導」を、キッズクラスでも大人クラスでもTOEIC(R)クラスでも行っています。目的は、生徒の皆さんが「黙っている」状態を排除するためです。日本人は、質問をされ、正解が判らなければ、殆どの場合、黙ってしまいます。ところで、どうして、黙ってしまうのでしょうね。

 私達日本人は、静かに黙って人の話を聞き続ける事がお行儀が良い事と教えられ育ってきました。そして、生徒が黙っていても、生徒が判っているのか判っていないのかを、先生は、なぜか判断できてしまうという事実。これは、日本語の特徴で、言葉のない部分に多く意味を含んでおり、言ってもないのに、意思の疎通が図れてしまうのです。この驚異の日本語力が、英語を使っている時も影響してしまうのです。

 では、英語の世界では、「黙っている」とはどういう意味かと言うと、「関心がない。」とか、「無視している」とか、あまり感じの良い事ではありません。なんという事でしょう、日本人の私達は、なんと答えて良いか判らないから黙っているだけなのに、それが、英語の世界では、相手に失礼な行動になっているとは。 

 実は、この食い違いこそが、異文化コミュニケーションをしている証しです。異文化コミュニケーションを円滑に行う為には、自分達の文化をよく認識しておく事が重要です。私達の母国語は、言葉のない部分に大きな意味がある、また、言葉そのものの意味だけでなく、それ以外の多くの意味を含んでいる言語であるという事を認識しておかなければいけません。

 そこで、英語を話す時は、判らない時に黙ってしまうという私達の文化を、なんとか排除し、何かを話さなければいけません。では、何を話すかと言いますと、「判りません。」と言うか、または、自分の考えを言うかです。”I think.”と言って、「私はこんな風に思うのだけど・・・」と言えば、正解も不正解も関係ありません。自分の思いは自由ですから。正解のある質問を生徒様に投げかけると、正解が判らない時、どうしても黙ってしまうので、正解がない質問をし、”I think.”と言って話してもらうという指導は、「正解を求めない指導」のひとつです。

 難しい内容ではなく、例えば、「今、マイケルジャクソンさんは、天国で何をしてるかしら?」と自分で問いかけてみて、勝手に、"I think he is sleeping."と言ってみる。現実に起こっている事を英語でぶつぶつ言うより、遥かに色んなアイディアが出てきて、話す練習になると思います。

 日本語の特徴が英語を話す時にも現れる事がありますが、このような母国語が外国語に影響してしまう事を母語干渉と言います。これは、日本人だけでなく中国人が、韓国人が、フランス人が、あらゆる国の人が外国語を学習するとき起こる事です。母語干渉を起こしてしまったと気付く為には、母国語自体について、母国の文化について、知っておかなければいけません。

 余談ですが、私はフランス語学科だったのですが、(酷いフランス語力です。。。)以前、フランス人と私のヘンテコなフランス語で話をした時の事です。大体、英語からフランス語に直して話してしまうのですが、そうすると、英語の干渉がフランス語に起こり、そのフランス人に吹き出されてしまいました。

 私:Ce matin un paquet est arrive. (This morning a package arrived.)

フランス人:ええー、小包が自分で歩いてきたの!?フランス語では、それは言いません。 J’ai recu un paquet. (I received a package.) と言います。

ヨーロッパ言語同士でほぼ同じアルファベットを使う英語とフランス語でも、英語から翻訳してしまうと、へんてこな事が起こってしまうのです。

 今回のコラムでは、日本人が、英語を話す学習の中でつい黙ってしまうという実態から、異文化コミュニケーションを見てみました。相手を知るには、まず、自分自身を知る事が重要。英語を話す練習をされている方には、日本語の特徴を知り、日本語を通して話そうとしていないか、日本語の習慣がそのまま出て、相手に自分の言いたい事を伝えられないのではないかと振り返ってみるのも、学習の手助けになるのではないかと思います。

 最後までお読み下さりありがとうございました。

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