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日経記事;『(燃料電池車が変える)(上)1億円の車、今や500万円』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月20日付の日経新聞に、『(燃料電池車が変える)(上)1億円の車、今や500万円』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ガソリン車より長い距離を走り、空気を汚さない。究極の自動車といわれる燃料電池車が2015年にまず500万円台の価格で売り出される。暮らしや産業は大きく変わる。日本のエネルギー問題や貿易収支にも影響を与えそうだ。

市販まで2年

「今年と来年しかないぞ」。北海道士別市にあるトヨタ自動車のテストコース。氷点下10度を下回る厳寒のなか、燃料電池車の実証実験が進んでいる。昨年夏には猛暑の米ネバダ砂漠での公道実験も実施。市販開始を2年後に控え、開発は最終段階に入った。

埼玉県庁では太陽電池で発電した電力で水道水を電気分解し発生した水素を充填する実験が進む。
埼玉県庁の敷地内。「究極のクリーンエネルギー」の実験がホンダを中心に進む。屋上に設置した太陽電池で発電し、水道水を電気分解して発生した水素を燃料電池車に充填する。

ホンダと共同で実証事業に取り組む岩谷産業の宮崎淳・水素エネルギー部長は「燃料電池車はもはや将来の技術ではない。ホンダが量産を始める2年後には必ず実用化する」と意気込む。

ガソリン価格の高騰や環境問題。自動車各社は突破口を電気自動車に求めたが、航続距離や充電時間などの問題が明らかになるにつれ、販売は低迷。原子力発電所の稼働再開が不透明ななかで普及の前提も揺れた。

代わりに脚光を浴び始めたのが燃料電池車だ。燃料は水素。空気中の酸素と反応させて水になる時のエネルギーでモーターを動かす。燃料充填にかかる時間はガソリンの給油と同じ、航続距離はガソリン車と変わらないか、それ以上になる。

燃料電池車は10年前にも注目されたことがある。だが、当時の価格は1台1億円。それが今回は500万円程度にまで安くなる。バッテリーに相当する燃料スタックや水素と酸素の反応を高める触媒、水素タンクなどで技術革新が起きた。

例えば、高圧の水素をためる水素タンク。炭素繊維をタンクに巻き付ける技術を開発し、強くて小型軽量の製品ができた。炭素繊維は日本のお家芸。「海外メーカーにはなかなかまねできない」とトヨタの内山田竹志副会長は話す。

車体には政府が補助金の設定も検討している。15年の発売時には、400万円程度まで安くなる可能性もある。

経済効果2.7兆円

市販化に向け、自動車各社の動きは慌ただしくなった。1月にトヨタが独BMWと燃料電池車の共同開発で合意。その4日後には日産自動車と仏ルノーの連合が独ダイムラー、米フォード・モーターと提携した。

デロイトトーマツコンサルティングによると25年には市場の5%程度、30年には10%が燃料電池車に置き換わる見通し。25年までに2.7兆円の経済波及効果もある。燃料スタックや充填設備関連で新産業が生まれる。

新型天然ガスの「シェール革命」に沸く北米。石油の可採年数は40年伸びたとされるが、ひそかに注目されているのは燃料電池開発の草分け、カナダのバラード・パワー・システムズだ。

現在、大株主に名を連ねるのは米テキサス州の運用大手ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ。「技術革新の地平を開拓する」との目的を掲げ、小型株の運用に定評がある。

バラードは足元の収益が好調とはいえない。だが米国でもいずれは二酸化炭素(CO2)の排出が問題になりかねず、将来の市場拡大をにらんで投資に動いた。欧州でもバラードに注目する投資会社が多い。新技術に敏感な米欧マネーがシェール革命の先をにらんで動く。産業が変わる兆しは少しずつ強まってきた。』

3月18付の日経新聞に、「燃料電池車向けタンク規制緩和 圧力2倍まで容認」のタイトルで記事が掲載されました。

内容は、以下の通りです。

「経済産業省は燃料電池車の量産化に向けて規制を緩和する。4月末をめどに高圧ガス保安法の省令を改正し、車載の水素容器の圧力を2倍の700気圧まで認める。

容器を大型化しなくてもガソリン車並みの500キロメートル以上の走行距離を可能にする。高圧タンクを使うには1台ずつ特別な許可が必要だが、国土交通省の型式認証を一度にできるようになる。」

日本は、高圧ガスの取り扱いに関して厳しい規制をかけています。万が一事故が起きた場合、その被害が甚大であることから、欧米に比べて厳しすぎるとされるほどの規制をかけてきました。

今回、国土交通省は、高圧ガス保安法の省令を改正し、車載の水素容器の圧力を2倍の700気圧まで認めるとのこと。これにより、水素タンクを大きくする必要がなく、記事にありますように、ガソリン車と同じようなサイズの車にできると共に、走行距離も一回の充填で500キロメートル走れるようになります。

販売価格は、500万円とのことですので、ハイブリッド車やガソリン車の高級車価格と同程度になります。政府は、燃料電池車の普及促進のため、暫くの間100万円ほどの補助金を出しますので買いやすくなります。

但し、燃料電池車普及のためには、ガソリンスタンドと同じ程度の、水素ステーションを国内に設置する必要があります。

水素ステーション設置の課題の一つが高コストです。建設コストや運営コスト、保守コストなどが対象になります。

この高コストになる理由の一つが、高圧ガス取扱いに関する厳しい規制です。もちろん、水素ステーションの安全確保には、規制が必要です。

ポイントは、この規制内容を見直して、不必要な部分があれば、緩和することです。この規制緩和が水素ステーションコストダウンにつながれば、本ステーションの普及に寄与します。

さらに、水素ステーションに供給する水素の移動方法についても現実的な方法を構築する必要があります。

現在実験的に行なわれている水素ステーションの実績から以下の指摘がされています。

ガソリンスタンドと同じような現行の水素タンクでは、一日20台から数十台の供給量にしか相当しないとのこと。

通常のガソリンスタンドと同じように、一日に200~400台の供給を可能にする方法を構築・実現する必要があります。

水素タンクへの補充も重要です。ガソリンのタンクローリーでの補充では、一日数十台という状況になりますので、水素を導管などにより、何らかの大型水素供給手段を検討する必要があるとされています。

このように、燃料電池車の普及には、水素ステーションのようなインフラ整備が必要になります。


数年前までは、燃料電池車や水素ステーションの実用化は、将来事業として語られていました。

これが、トヨタ、ホンダ、日産自動車のような国内自動車メーカーの開発努力により、500万円程度の販売価格になりつつあります。

国内企業が得意な素材分野、例えば炭素繊維などの貢献もあって、実用化レベルにきています。政府は、大都市中心に水素ステーション設置を検討しています。

燃料電池車は、日本にとって現在のガソリン車と同じような新規の成長事業分野となります。記事では、経済効果を2.7兆円としていますが、燃料電池車の普及と共に、関連する素材や部品などの事業も大きく伸びていくことは、間違いありません。当然のごとく、経済効果はもっと大きくなります。

燃料電池車や水素ステーションの普及には、大きな課題が存在します。その課題を官民一体で解決できれば、非常に大きな新規事業機会が世界市場で生まれます。

国内で実証実験した結果に基づいて、世界市場での事業展開が可能になります。燃料電池車は、CO2やその他有害物質を発生しない理想的な車であることと、有限な化石燃料を使う必要がないため大きな潜在需要があります。

国内関連企業は、燃料電池車や水素ステーションの運営などで、圧倒的な差別化・差異化を可能にする技術・商品・ノウハウをもつことが重要ですし、可能です。

国内のガソリン消費量が大幅縮小すれば、輸入金額の減少に貢献するとともに、輸入価格の交渉力強化につながります。

トヨタとホンダは、ハイブリッド車で世界市場をリードしています。日産自動車も加えて、国内自動車メーカーが燃料電池車で同じようにリードしていくことが、国内の経済発展に大いに貢献します。

燃料電池車や水素ステーションの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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