交通事故で被害者(側)の落ち度を過失相殺する場合の方法  - 交通事故 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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交通事故で被害者(側)の落ち度を過失相殺する場合の方法 

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交通事故

被害者(側)の落ち度を過失相殺する場合の方法 

 

相対的過失相殺によるべき場合

 

①    故意の加害者と過失による加害者がいる場合(例、取引的不法行為)

 

②    加害者の一部と被害者に特別な関係がある場合

・最高裁昭和51年3月25日・民集 第30巻2号160頁

「夫の運転する自動車に同乗する妻が右自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被つた場合において、右衝突につき夫にも過失があるときは、特段の事情(夫婦の婚姻関係が既に破綻しているなど)のない限り、右第三者の負担すべき損害賠償額を定めるにつき、夫の過失を民法722条2項にいう「被害者の過失」として掛酌することができる。」(正確には「被害者側の過失」または「好意同乗の問題」)

・ 最高裁平成11年1月29日・裁判 集民事 第191号265頁

「一つの交通事故について甲及び乙が被害者丙に対して連帯して損害賠償責任を負う場合において、乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされ、両者の賠償すべき額が異なるときは、甲がした損害の一部てん補は、てん補額を丙が甲からてん補を受けるべき損害額から控除しその残損害額が乙の賠償すべき額を下回ることにならない限り、乙の賠償すべき額に影響しない。」

 

③    不法行為の行為の内容・場所・時間が異なる場合

交通事故と医療過誤の競合の事案として、時間も場所も近接しておらず、過失の行為態様も大きく異なっているケース

 

最高裁平成13年3月13日 ・民集 第55巻2号328頁

1 交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯責任を負うべきものであり,結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害額を案分し,責任を負うべき損害額を限定することはできない。
2 交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,過失相殺は,各不法行為の加害者と被害者との間の過失の割合に応じてすべきものであり,他の不法行為者と被害者との間における過失の割合をしんしゃくしてすることは許されない。

 

 

絶対的{加算的}過失割合によるべき場合

 

1つの交通事故で、時間も場所も近接しており、過失の行為態様も大きく異ならないケース

 

最高裁平成15年7月11日・民集 第57巻7号815頁

「複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する一つの交通事故」において,その交通事故の原因となった全ての過失の割合(いわゆる「絶対的{加算的}過失割合」)を認定することができるときには,絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について,加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負う。

この事案では、加害者3者の絶対的{加算的}過失割合が1:4:1とされた。

 

 

参考文献

中村也寸志(最高裁調査官)・ジュリスト1262号143頁、同・最高裁判例解説平成15年度版民事編

大江強・判例タイムズ1154号94頁

水野謙・ジュリスト1269号93頁(平成15年重要判例解説)

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