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日経記事;『会社研究ソニー(上) スマホから始める反攻』に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月14日付の日経新聞に、『会社研究ソニー(上) スマホから始める反攻』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソニーがスマートフォン(スマホ)を軸に攻勢へ転じる。赤字続きで信用力が落ち、米国本社ビルや保有株式なども相次ぎ売却を決めた。株価はひとまず歴史的な安値圏を脱した。市場の期待に応え再び輝きを取り戻せるだろうか。

開発力引き出す

平井一夫最高経営責任者(CEO)が毎週、欠かさない会議がある。電機の製品分野ごとに置く本部長や子会社トップの計7人が集まり議論する。縦割りの弊害を破り、分野を超えた開発力の発揮を狙う。

成果のひとつが2月9日に発売したスマホの新機種「エクスペリアZ」だ。デジタルカメラの画像処理などソニーならではの技術を結集した。日本では機種別売り上げで4週連続の首位となり、2月下旬に投入した欧州でも健闘する。

平井CEOは「ソニー全体が同じ目的で同じ方向に走り出した表れだ」と話す。スウェーデンのエリクソンとの携帯電話の合弁を解消し、完全子会社にしてから約1年。

ソニーモバイルコミュニケーションズを率いる鈴木国正執行役は「2014年3月期の黒字化」を掲げ、人員削減など合理化にも余念がない。

米アップルの成功が示すように電機の主役はスマホだ。韓国サムスン電子も12年12月期決算はスマホがけん引した。スマホなどIT&モバイル部門の営業利益は19兆ウォン(約1兆6700億円)と、テレビなど家電部門の営業利益2兆ウォン(約1700億円)を上回った。

一方、液晶テレビの立て直しに苦労するソニーでは、電機部門が今期で2年連続の赤字となる見通しだ。デジカメなど従来製品の需要がスマホに食われている。まずスマホで盛り返し、他のデジタル家電は、付加価値の高い製品に絞り込むことが課題となる。

昨年10~12月にソニーが世界で出荷したスマホは980万台と、まだサムスンの6分の1。ただ、追い風もある。外国為替相場が円安・ウォン高に転じ世界での韓国勢との価格競争ではソニーに有利になってきた。

優等生デバイス

スマホに搭載するカメラ用の画像センサーをアップルやサムスンに供給している点も見逃せない。ノイズ除去など性能で「他社を2年以上引き離している」(鈴木智行執行役)と自負する部品だ。

デバイス部門は昨年4~12月期に営業黒字554億円を稼ぎ、赤字の電機の中では優等生といえる。端末と部品の両輪でライバルに挑む。

ただ、中期計画通り15年3月期に電機を黒字にできても、自己資本利益率(ROE)は10%程度にとどまる見通しだ。すでに40%を超えるアップルなどに比べ低い。後追いだけでは限界がある。

ソニーはウォークマンなど革新的な製品を生み出し、新しい文化を世界に広めてきた。だからこそ投資家や消費者は特別な会社としてみてきた。株式市場がソニーに望むのも、原点である独創性を呼び覚ますことだ。

アップルにない強みとして「ゲームや音楽、映画といったコンテンツを制作していること」を平井CEOは挙げる。ライバルたちを再び超えるには、ソフト力も融合した驚きのある新製品を生み出すしかない。』


私は、ソニーが最近発売しましたスマホの新機種「エクスペリアZ」を店頭で見て、触りました。NTTドコモが、一押しのスマホとして発表した理由を実感しました。

今、私は別の通信会社が扱っているスマホを利用しているため、すぐに機種変更しませんが、次のスマホ購入時には、後継機も魅力的なものであれば購入を考えます。

久しぶりにソニーらしさが出ている商品との印象をもちました。

本日の記事にありますように、ソニーに対する期待は、ウオークマンのように個人の生活様式を一変させるインパクトのある商品の提供です。

ソニーがパナソニックと同じような事業展開しても、誰も評価しません。ソニーの強みとパナソニックの強みは、全く異なっています。

今、ソニーに求められていますのは、アップルを超える商品・サービスの提供です。人びとに夢、興奮、感動などの付加価値を与えることができる、琴線に触れる商品・サービスが必要になります。

アップルの後追いを行なっても、サムスンにコスト対応力などで負けることになります。ソニーは、自社の強みを徹底的に発揮できる独自の事業領域を確保・強化することが再生のポイントの一つになります。

それを可能にするのは、商品企画力と開発です。この点は、アップルのやり方を見たうえで、それを上回るよりスマートな仕組みを作る必要があります。

平井さんが陣頭に立って、ソニーらしい一般消費者向け商品を提供する体制の維持強化が必要です。

当面、ソニーは記事にありますように、スマホやタブレット端末で独自性を出しながら、「さすがソニー」と言われる商品・サービスの継続的な事業展開が求められます。

ソニーは、過去何度も集中と選択を行なってきましたが、いまだに電子機器部門で赤字状態になっています。最大の原因は、テレビ事業の不振です。

もっと早期に、テレビ事業は、縮小して価格競争力のなくなった商品群から撤退すべきでした。テレビは家庭の中の家電商品の王さまであり、テレビ事業から撤退すると企業としての顔を失うような考えがあったとのこと。

この考えは、パナソニックも持っていたようです。

集中と選択の中の、事業撤退は方針を決めたら、計画通りに真一文字にやることが成功の秘けつです。私は、何社かの事業撤退を支援しました。その経験から早期実行が重要であると認識しています。

不採算事業からの撤退は、けれんみなく迅速にかつ合理的に行なうことがポイントになります。ソニーには、テレビ事業の赤字状態を解消する早期再建を期待します。

これは、中小企業のトップが自ら動かないと実現できないように、平井さんが陣頭指揮をしないと達成できません。

何度か本ブログ・コラムで述べましたように、IBMは当時黒字であったパソコン事業から撤退しました。パソコンは、近い将来汎用化して価格競争力がなくなり、赤字状態になると予想したことが理由です。

その後、IBMはソフトウエア事業をコアとして集中して、徹底的な差別化・差異化を可能にしていきます。

ソニーに求めたいのは、IBMのような明確な方針設定と早期実行・実現です。

ソニーには、アップルにないものをもっています。ハードウェアでは、世界ナンバーワンのセンサーなどのコアデバイスであり、ソフトウェアでは、ゲームや音楽、映画といったコンテンツです。

これらの財産をどう差別化・差異化実現に結び付けていけるかが、ソニー再生の切り札になります。インターネットやITツールも徹底的に活用することも必要です。

以前に、音楽ソフト配信で、インターネット配信に抵抗するような動きをして、市場をアップルに取られたような失敗をしないことが重要です。

また、平井さんがたびたび触れていますように、業務用と、特に医療分野の新規事業立上もポイントになります。安定した収益が見込まれるからです。

オリンパスとの提携内容が、具体的に発表されていません。新聞記事などによると、ソニーとオリンパス間で、事業方針などに差がある印象をもっています。

医療分野への参入についても早期に方針が明確化されて、最先端のセンサーデバイスなどを活用した商品で事業立上することが重要です。

ソニー再生には、まだ時間がかかります。

中小企業にとって、ソニーやパナソニックの動き方は、今後の事業展開の参考になります。今後とも、両社の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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