日経記事;『真相深層 東電入札に環境省「待った」 石炭火力にアセスの壁 温暖化対応』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『真相深層 東電入札に環境省「待った」 石炭火力にアセスの壁 温暖化対応』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月13日付の日経新聞に、『真相深層 東電入札に環境省「待った」 石炭火力にアセスの壁 温暖化対応、経営リスクに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京電力が石炭火力発電所を新設する計画に、環境省は「待った」をかける構えを示している。発電所の環境影響評価(アセスメント)を盾に、建設を止めることも視野に入れる。

原子力発電所の再稼働のメドが立たない中、火力の可能性を消すような動きは電力各社の経営に重大なリスクを及ぼす恐れがある。

「石炭火力は認められない。東電の入札は延期すべきだ」。環境省は1月、南川秀樹事務次官の名前で経済産業省資源エネルギー庁の高原一郎長官宛てに異例の文書を送った。

発端は東京電力が昨年11月に計260万キロワットの石炭火力を新設する計画を発表したことだ。建設・運営主体を入札で募り、落札者から電気を買う。

環境省は原発2~3基分の石炭火力をつくれば「日本の二酸化炭素(CO2)の総排出量は1%の年1300万トン増える」とはじく。

安倍晋三首相は温暖化ガス削減の新目標を今年11月までに定めるよう指示した。ここで大規模な石炭火力を認めると、目標作りを制約しかねないとの懸念が環境省にはある。

発電所の設置自体は経産相が認可する案件だ。一方で東電の入札が進むなら、環境省は建設前のアセス手続きで反対意見を表明する構えを示す。2009年にも環境相の反対意見で、石炭火力の計画が白紙になった。

経産省はコストの安さもあり石炭火力を後押しする。1キロワット時の電気をつくる燃料費は石炭4円に対し、液化天然ガス(LNG)10円、石油16円と高い。260万キロワット分の石油火力を止めれば、燃料費は年1750億円、LNG火力を止めれば同1150億円減る。

CO2が増える分で排出量取引をしても費用はそれぞれ年12億円、年31億円にとどまり、十分に採算がとれる。東電は家庭向け料金を上げたが、石炭火力ができなければさらに最低でも2~4%の値上げが要る。

アセスの行方が不透明な段階で「口先介入」を繰り返す環境省に東電は困惑している。菅直人首相(当時)が法的な根拠もなく中部電力に浜岡原発の停止を求めたことを念頭に「これは『第2の浜岡』になりかねない」との声が漏れる。

環境省は複数の事業者に入札参加をあきらめるよう暗に働きかけたという。東電のある幹部は「営業妨害で訴訟もの」と憤る。

「延期を要請しているのかいないのか。その点だけ、まず事務方から言ってください」。2月5日の記者会見で「環境省は入札の延期を要請したのか」と問われた石原伸晃環境相は、部下を突き放すような発言をした。。。

関係者によれば、石原氏はエネ庁への要請文書の存在を知らされておらず、部下に不信感を強めたとされる。複数の自民党議員も「あまり深入りしないほうがいい」と助言。石原氏が環境省の路線修正に動く可能性は出てきた。

政府の規制改革会議は「石炭火力発電に対する環境アセスメントの緩和」を、6月までに結論を出す最重要案件に選んだ。8日の会議後、岡素之議長(住友商事相談役)は「CO2も重要だが、高い技術を使った石炭火力は活用すべきだとの声が多かった」と語った。。。

東電は原子力、水力、石炭など24時間安定的に動かす「基礎電源」が足りない。稼働率でやや劣るLNGは対象外のため、原発が動いていない直近でみた東電の基礎電源の比率は18%。

主要国の平均(70%)を大きく下回る。東電以外の電力会社にも、原発に代わる基礎電源は今のところ石炭しか見当たらない。。。』


本日の別の日経記事によると、「政府は今夏も家庭や企業に節電を要請する。4月までに夏の電力需給を検証し、数値目標や計画停電の必要性を詰める。原子力発電所の新安全基準の施行は7月で、再稼働は今夏に間に合わない見込み。景気の持ち直しで生産需要も増える見通しのため。。。」とのこと。

福島原発事故の影響から、当分の間、国内原発の再稼働時期は、不透明な状況になっています。本日の記事にありますように、今年の国内企業の活動規模は、昨年以上になる可能性があります。

もし国内の発電能力が、国内企業の事業活動に影響を与えるのであれば、せっかく円安進行で輸出事業の採算が良くなり、収益向上が見込まれる機会拡大に水を差すことになります。

発電事業に関しては、供給量だけでなく、電気代の圧縮を同時に考える必要があります。

発電能力をコスト圧縮しながら行なうためには、原子力発電以外では石炭火力が有効な方法です。
国内で、もっと石炭を使う火力発電所を増加する必要があります。

今まで国内では、原子力発電以外では、天然ガス:LNGが火力発電源として使われてきました。取扱いが容易であり、安定して供給されていたことによります。

シェールガスを含めた天然ガスの埋蔵量は、豊富なため、しばらくの間火力発電源として有効なものになっています。

問題は、国内事業者が買い取っているLNGの価格の高さです。国内事業者は、欧米の事業者に比べて2~3倍の価格で輸入しているとのこと。まして、最近の円安は、輸入価格をさらに上げる要因になります。

記事によると、1キロワット時の電気をつくる燃料費は石炭4円に対し、液化天然ガス(LNG)10円、石油16円となっています。

石炭の埋蔵量は、LNG以上です。経済産業省は、上記の安い発電コストから、石炭火力を推しています。経済合理性の視点から、当然のことです。

日本は、世界で冠たる環境立国です。石炭火力発電装置でも、IHI、三菱重工、日立製作所などの重電メーカーは、「大型超々臨界圧石炭火力装置」を実用化しています。この装置は、LNG、あるいは石油を使った発電装置と同等なCO2排出量に抑えることができるとされます。

国内重電メーカーは、台湾や東南アジアなどにこの「大型超々臨界圧石炭火力装置」を売り込んでいます。

「大型超々臨界圧石炭火力装置」のCO2排出量が、上記しますように、LNGあるいは、石油と同じであれば、国内でも十分に使えます。

海外で使うのは問題ないが、国内ではCO2排出量削減の観点から新規石炭火力発電所の新設にノーを出すのは、合理的ではありません。

むしろ、現在の国内発電能力と発電コストの視点から、政府は、より積極的に国内重電メーカーの石炭火力発電装置の事業化を後押しする姿勢が重要です。

国内での石炭火力発電装置でその環境対応能力を確認・実証しながら、重電メーカーの「大型超々臨界圧石炭火力装置」の輸出を支援することが、新規事業拡大につながります。

記事によると、政府の規制改革会議は「石炭火力発電に対する環境アセスメントの緩和」を、6月までに結論を出す最重要案件に選びました。早期に、石炭火力発電所の新規設置に向けて、前向きな方針が出ることを期待します。


一方、今年は昨年以上に節電しないと、企業の事業活動や個人の生活に影響が出ます。節電がこのような事業あるいは社会活動に影響が出ないようにするには、今以上の節電効果を生み出せる技術・商品・ノウハウが必要になります。

昨年来、ベンチャー・中小・中堅・大手企業から、各種の新規節電装置が商品化されています。更なる努力で、各事業からより高性能なものが出ることを期待します。

節電は、日本だけでなく世界市場で非常に需要が大きい事業分野です。この機会をとらえて、国内企業が画期的な節電装置・システムを開発・事業化して世界市場で活躍することを期待します。

上記「大型超々臨界圧石炭火力装置」も環境対応の点で、日本が誇る新技術・装置であると確信します。

今後の環境・エネルギー関連分野に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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