財産分与契約が錯誤により無効となるか - 離婚問題全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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財産分与契約が錯誤により無効となるか

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不動産

財産分与契約が錯誤により無効となるか

 

最高裁平成元年9月14日判決、家庭裁判月報41巻11号75頁、最高裁判所裁判集民事157号555頁

【判示事項】

協議離婚に伴う財産分与契約をした分与者の課税負担の錯誤に係る動機が意思表示の内容をなしたとされた事例

【判決要旨】

協議離婚に伴い夫が自己の不動産全を妻に譲渡する旨の財産分与契約をし、後日判決、夫に2億円余の譲渡所得税が課されることが判明した場合において、右契約の当時、妻のみに課税されるものと誤解した夫が心配して此れを気遣う発言を、妻も自己に課税されるものと理解していたなど判示の事実関係の下においては、他に特段の事情がない限り、夫の右課税負担の錯誤に係る動機は、妻の黙示的に表示されて意思表示の内容をなしたものというべきである。

したがって、民法95条が適用される。

 

 

民法

(錯誤)

第95条  意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。

 

 

所得税法

(譲渡所得)

第33条  譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。

 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。

 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得

 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得

 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。

 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)

 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの

 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。

 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。

 

 

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