日経記事;『楽天ポイント、実店舗でも 8100万人会員生かし攻勢』に関する考察 - 全国展開・地方展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『楽天ポイント、実店舗でも 8100万人会員生かし攻勢』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、 『楽天ポイント、実店舗でも 8100万人会員生かし攻勢』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『楽天は4月をメドにネット通販などで付与するポイントを実店舗でも使えるようにする。約8100万人と国内最大の会員を抱える強みを生かし小売店や外食企業などと提携。

ネットサービスとの相互乗り入れで利用者の利便性を高める。国内のポイント発行額は2013年度に1兆円規模に達する見通し。楽天の参入により、消費者や加盟店を囲い込むポイント経済圏の拡大競争が一段と激化しそうだ。

楽天は「Rポイントカード」と呼ぶ共通ポイントカードを発行。ネット通販の決済で使う「楽天スーパーポイント」と実店舗でのポイントを統合する。

楽天市場に加盟する約4万店のうち実店舗を構える店に共通ポイントカードの採用を呼びかけるほか、全国規模の小売りチェーンや外食大手との提携も目指す。

Rポイントカードは提携した小売店などの店頭で配布する。利用者が「楽天市場」や電子マネー「楽天Edy」などの会員であれば、個人IDの登録を経てネットと実店舗の双方でポイントを活用できる。新規利用者の場合も楽天IDを登録すればネット通販などでも使えるようになる。

利用者にとっての利点はネットと実店舗の双方で共通のポイントがためられることにとどまらない。楽天はポイントをもとに購買行動のデータを分析し、利用者それぞれに合わせて割引などの特典を受けられる電子クーポンの発行や広告配信なども始める計画。

利用者は自分がよく行く店や好んで買う商品に関連したクーポンや新製品情報などをスマートフォン経由で受け取ることも可能になる。

共通ポイントカードでは三菱商事子会社のロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)が運営する「ポンタ」(会員数約5100万人)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」(同約4300万人)が先行。CCCも昨年提携したヤフーの「ヤフー!ポイント」を今春をメドにTカードのポイントに統合することを決めている。

野村総合研究所の推計によると、13年度の国内のポイント発行額は少なくとも前年比2%増の9593億円に達する。楽天とCCC・ヤフーが相次ぎネットと実店舗の垣根をなくすことで、ポイント発行規模の拡大にも弾みがつく見通し。』


昨日から、複数の大手小売の動きにが新聞で報じられています。
本日取り上げましたのは、国内最大手のネット通販専業事業者である楽天の動きです。

楽天は、今年の4月からリアル店舗事業者であるコンビニ大手のローソン、ゲオ、昭和シェル石油などと組んで、扱うポイントの共通化を図ります。

既に各事業者で扱っている共通ポイントは、リアル店舗事業者の場合、業種や企業の垣根を越え多数の店舗で共通に使えるポイントカードになっています。

一般的に、100円の買い物で1ポイントがたまり、次の買い物で1ポイントを1円として使えます。

楽天は、Rポイントを発行しており、このポイントとローソン、ゲオ、昭和シェル石油などが扱っていますポンタポイントと共通化を図ります。

楽天は、8100万人の顧客を持っており、ポンタの利用者数は5100万人とのことですので、合計1億3千万人の顧客が共通ポイントを持つことになります。

もちろん、両方のポイントカードを持っている人がいますので、単純にはこの利用者数にはなりませんが、巨大市場になります。

店舗数で言いますと、楽天が4万店、ポンタ加盟店数は、5万2千店ですので、合計9万2千店の店舗網を持つことになります。

一方、ヤフーは、Tポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、ガスト、ファミリーマートなどと提携して、同様なポイントカードの共通化を図ります。

ヤフーの顧客数は、2700万人、Tポイントの使用者数は、4300万人ですので、合計7千万人の顧客数となります。

店舗数で言いますと、ヤフーは2万店で、Tポイントは、5万2千店ですので、合計7万2千店になります。

一方、大手スーパーのイオンは3月4日、J・フロントリテイリング子会社の食品スーパー、ピーコックストア(東京・杉並)を買収すると発表しました。

ピーコックは、高級食材を主に扱っていますが、店舗業績は良くありません。イオンがピーコックを買収するのは、都内にもつ47店舗網にあります。

イオンは、都内に食材を扱う店舗数を増やして、販売効率の良い大都市圏の顧客を取り込むやり方です。

Jフロントも今回はイオンにピーコックを売却しますが、Jフロントは、昨年イオンとの間でパルコの買収で競争し、Jフロントがパルコを子会社化しました。

両社は、大都市圏での店舗網拡大を図っています。

国内小売市場全体でみますと、少子高齢化や人口減少などにより、全体の市場規模は縮小傾向にあります。

地方では、人口減少や過疎化がさらに進んでいますので、大手スーパーが持っているリアル店舗
の販売効率は下がっています。

そこで、大都市圏で食材を中心にした店舗網を増やして、プライベートブランド(PB=自主企画)商品や上記のような共通ポイントカードの普及により、顧客を囲い込んで自社の競争力を高めるやり方を取ります。

イオンとJフロントは、それぞれのやり方で市場全体が縮小していく中で、残存者利益確保を図るため、市場占有率(マーケットシェア)の拡大に動いています。


さらに、リアル小売業者にとって課題となるのが、ネット通販専業事業者との競合です。小売市場全体が縮小しても、現時点では、ネット通販の売上は毎年伸びています。

それだけ、ネット通販専業事業者の存在が大きくなっており、ますますリアル店舗事業者の売上比率が低下していくことになります。

加えて、上記しましたように、楽天やヤフーの大手ネット通販専業事業者がリアル店舗事業者のポイントカード共通化を図ることで、さらにネット通販の売上規模の拡大が見込まれます。

国内大手ネット通販専業事業者や大手スーパーなどの動きは、最終競争者としてのアマゾンを睨んだものになっています。

アマゾンは、積極的にネット通販の扱い品目を増やしており、近い将来に食材もより積極的に全国展開するとみています。

アマゾンは短期的な収益よりも、市場全体を取るやり方で米国や国内市場でWebサイト、物流システム、倉庫拠点などの機能強化に積極的な投資を行なっており、国内市場での売上もさらに拡大していくとみます。

楽天は、アマゾンを注視しており、対抗策としてリアル店舗事業者との提携で、小売市場でのシェア拡大を図ろうとしています。

その切り札の一つが、共通ポイントカードです。これは、アマゾンが持っていないものです。共通ポイントカードは、顧客にとってお金に匹敵するものになりますので、顧客の囲い込みに有効な方法の一つになります。

大手スーパーなどにとっても、自社で行なうネット通販事業に加えて、楽天やヤフーとの提携をアマゾン対抗策の一つとしています。

アマゾン対抗が、国内大手ネット通販専業事業者と大手小売事業者の提携のメリットとなります。

今後、国内小売市場全体でみますと、アマゾン、楽天やヤフー、あるいは、オイシックスのようなネット通販専業事業者の売上が拡大し、リアル店舗の売上は縮小するとみます。

現在は、小売市場に大きな変化が生まれている過程であり、近い将来により効率的な小売の仕組みが出来上がると予想しています。。

この時は、商品・サービスの提供者と、最終顧客がより直接的にコミュニケーションが取れて、緊密な事業関係が作れる状況となります。。

これは、BtoCやBtoBの両分野で起こり、商品・サービスの提供者にとっては、差別化・差異化を可能にするものであれば、より柔軟に売値設定などが出来て、市場や顧客が必要とする量をより容易に提供できるようになります。

この観点から、国内小売市場の動きを注目しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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