日経記事;『起業の軌跡 地盤ネット 山本強社長 地盤改良、必要性を独自調査』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『起業の軌跡 地盤ネット 山本強社長 地盤改良、必要性を独自調査』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月4日付の日経新聞に、『起業の軌跡 地盤ネット 山本強社長 地盤改良、必要性を独自調査 消費者目線で過剰工事防ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東証マザーズ上場の地盤ネットは住宅地盤の改良工事が必要かどうかを第三者の立場で調査する。工事が必要とされた物件の7割が同社の判定では不要となる。

過剰な工事が発生する背景には調査会社が改良工事も一緒に手がけている問題がある。創業社長の山本強は業界の在り方を疑い、消費者の側に立つ姿勢を徹底してきた。

同社のサービスは医療でいう「セカンドオピニオン」。工務店などの依頼を受け、地盤調査会社が改良工事が必要とした物件のデータを解析する。

調査報告書の数値を独自システムに入力し、40万棟の地盤事故のデータと照らし合わせて工事の必要性を判定する。データ入力作業はベトナム企業に委託しコストを削減、判定自体は無料だ。

工事不要とした場合、地盤の品質証明書を8万4千円で発行する。これが主な収入源だ。損害保険会社と連携し、10年以内に地盤事故が発生すれば最大5千万円を補償する。2008年の創業から3万件を解析し、事故は1件もない。

「同じ会社が調査も改良工事もするから、つい過剰な工事をしてしまう」。この疑問が創業の原点だ。数万円の調査だけでは採算が合わず、40万~200万円の工事を手がけて利益を出す構造だという。

多くの消費者にとって住宅は一生に一度の買い物だ。「業者と消費者の間の情報格差が大きすぎる」ため、不安に駆られて不要な工事を頼んでしまう。「表向きは誰も損をしていないようにみえる、よくできた仕組み」という。

自らもかつて地盤調査会社に籍を置いていた。1990年代後半、地盤の手抜き工事など欠陥住宅が社会問題になり、勤務先の住宅会社が地盤調査の子会社を立ち上げた。

それから約10年、消費者を守るという本来の目的からずれ、過剰な工事が増えていると感じ始めた。「組織の中では何も変えられない」と40歳で独立し、改良工事を手がけないことを宣言した。

「どこで利益を得るのか。事業として成立しない」。業界の山本を見る目は冷ややかだった。実際2年間はほぼ無給の状態が続いた。

全国の工務店を組織化している建築関連会社が調査サービスを採用したことをきっかけに口コミで評判が広がった。昨年12月に上場を果たし、13年3月期の売上高は前期の2倍の12億円余りに増える見通しだ。

「正義を貫けば、いずれ道は開ける」。日本と同様に地震が多い東南アジアなど、山本の視野には海外進出も入っている。』


本日の記事は、住宅地盤の改良工事が必要かどうかを第三者の立場で調査・判定する事業をビジネスとする、地盤ネットについて書いています。

地盤ネットの事業基盤は、記事にありますように、医療でいう「セカンドオピニオン」になります。

住宅建設会社から、完全に独立した第三者機関としての立場が、同社の差別化・差異化を可能にしています。

同社のビジネスモデルは、以下のようになります。

・依頼主の信頼を得るために、調査・判定作業を無償で行なう。
・調査・判定結果の品質を保証する。具体的には、損害保険会社と連携し、10年以内に地盤事故が発生すれば最大5千万円を補償する。
・調査・判定結果を成功報酬として、地盤の品質証明書を8万4千円で発行する。

記事によると、2008年の創業から今まで3万件を解析し、事故は1件もないとのこと。

2年前の大震災以来、私も含めて住宅地の地盤に対する関心は高くなっています。時々、近隣の住宅会社から、地盤調査を勧誘するチラシが入ります。一般的に住宅や建築物のコスト構造は、一般顧客にとって不明確な場合が多いのが実情です。

地盤ネットは、この不明確さに目をつけて、「セカンドオピニオン」の専門企業として、独自のビジネスモデルを作っています。

同社の強みは、以下の通りです。

1.調査・判定を無償で行なうことで、顧客の安心感・満足度をあげられる。高い集客効果が得られる。

2.調査・判定を行なう解析などのプロセスをITツールを使って自動化しており、調査データを入力すれば、判定のもとになる数値がアウトプットされる。

データ入力は、ベトナムの企業にアウトソーシングすることで、人件費圧縮を図っている。上記解析などのプロセスの自動化を含めて、短期間に結果を出せるようにすることで、作業内容全体のコストダウンを図っている。

このやり方は、インターネットを使った調査会社が市場調査データを入力して、分析・解析を自動化されたソフトウエアで行ない、市場調査結果を数日以内に報告できる仕組みと同じです。

3.地盤の解析業務内容の高度化が同社の強みを最大化するものになります。当該解析用ソフトウエアの改良や設定パラメータの調整などを行ないながら、解析結果の精度向上を図っているとみます。

また、解析条件は、国土交通省令を始めとする関係法令を遵守すること、ならびに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び瑕疵担保保険法人による設計施工基準に基づいて行なっており、解析結果に疑義が発生しないようにしています。

同社によると、データだけではなく、現地調査チェックシートや現場写真などを基に周辺状況・造成状況等のロケーションも考慮し判断しているとのこと。


同社も他の中小企業と同じように、起業直後は、会社や事業内容に対して社会的知名度やブランド力がなく、起業後2年間はほぼ無収入、つまり品質証明書の発行までつながらない状態が続きました。

創業者の折れない強い意志と、良い意味での執着心、及び上記しました差別化・差異化を可能にするビジネスモデルを持っていることが、現在の成功につながっています。

多分起業後の2年間の無収入状態時は、集客や知名度アップ、資金繰りなどで大変な状況にあったと推測します。

全国の工務店を組織化している建築関連会社が調査サービスを採用したことをきっかけに口コミで評判が広がったとされます。

起業後2年間に、収入を確保できなかったが、地道に住宅地盤の調査・分析を行なって、その結果の信頼性の高さを証明したことが、大型受注につながりました。

市場ニーズの高いところを事業分野として、独自のビジネスモデルと差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウを確立したことが、オンリーワンの事業化を可能にしました。

地盤ネットのやり方は、他のベンチャー・中小企業にとって参考事例になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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