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日経記事;『産学の創薬、5年短縮 企業の検証省く 14年度めど、15病院を指定』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月27日付の日経新聞に、 『産学の創薬、5年短縮 企業の検証省く 14年度めど、15病院を指定』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は2014年度にも、大学病院の研究成果を難病などに効く新薬の開発につなげるための規制緩和を実施する。東大病院など15機関を指定し、その研究成果は製薬会社による検証作業を省けるようにして開発期間を5年ほど縮める。

世界的にも競争力のある日本の大学病院の研究を生かし、先行する欧米の医薬品開発に対抗する。安倍政権が掲げる医療分野での成長戦略の具体策となる。

医薬品の開発は薬として承認される前の物質を人に投与する臨床研究を経て、厚生労働省の承認審査を受ける。製薬会社による臨床研究(治験)で実用化をめざすほか、大学病院の臨床研究の成果を製薬会社が買い取ったり、大学病院と製薬会社が共同で研究したりする場合がある。日本では大学病院が関わるケースは、重ねて治験をする必要がある。

欧米と違って国が定めた臨床研究の実施基準がなく、大学病院の研究の有効性を確かめなくてはならないからだ。その結果5年ほど遠回りになる。

日本の大学病院の研究水準は世界的に高いにもかかわらず、日本の製薬会社による実用化に結びついた例は少ない。規制のない欧米勢が買い取って、研究成果が流出したこともある。

厚労省は、選定した15病院の成果は研究のやり直しを省けるようにする。研究の信頼性を保つために、医療法改正案を今国会に提出し、欧米で利用されている臨床研究の実施基準を導入する方針だ。

「臨床研究コーディネーター」と呼ばれる第三者の監査・モニタリング義務や実験記録の適切な保存、新薬の研究開発を委託する企業による大学病院への監査を可能にするといった基準を設ける。法案が成立すれば、14年度から適用になる。

製薬会社は研究をそのまま薬の開発に利用できるようになる。15病院には、審査体制の整備や人材の確保用として1病院当たり年間約6億円の補助金を出す。特別に診療報酬を引き上げ、研究者や薬剤師、看護師の待遇を良くすることも検討している。

15病院は東大病院のほか、京大病院、阪大病院、慶大病院、国立がん研究センターなど先進的な研究成果が期待でき、企業との取引に透明性が認められる機関を対象にする。10病院の選定は終わり、今後5病院を公募する。定期的に研究成果を評価して入れ替える。

「5年程度の販売チャンスを失っている」(大手製薬会社)として、産業界からは法改正の要望が強かった。日本ではアルツハイマー病などで先端の研究成果があっても、欧米企業に先を越されるケースが多かった。革新的な薬の開発で欧米に遅れ、医薬品の輸入超過は1兆円規模に達する。

安倍晋三政権は規制改革で医療分野の競争力を高めることを掲げている。政府は22日に内閣官房に「健康・医療戦略室」を設置した。医療改革の戦略作りを主導し行政と産業界の橋渡しを担う。』

本日の記事は、政府が成長分野と期待している薬品事業での新薬開発に関する規制緩和について書いています。

今回、見直しの対象となるのは、大学病院などで行なった臨床研究後に必要とされている製薬企業での、追加臨床研究です。

この制度の基本的な目標は、臨床研究を大学と製薬企業の2カ所で行なうことで、新薬の安全性を担保することでした。

各臨床研究は5年位かかるとのことですので、両者で10年を必要とします。製薬企業からは、企業による追加臨床研究を廃止して、新薬開発期間を半分の5年にする要求が出されていました。

臨床研究には、多額のコストと人員を要します。また、新薬開発までの時間が長すぎると、海外の競争相手に新市場を奪われるリスクもあります。

記事によると、日本ではアルツハイマー病などで先端の研究成果があっても、欧米企業に先を越されるケースが多かった、とのこと。

大学病院と製薬企業によるダブルチェック機能は、深夜の安全性を担保する観点から、当該制度の発足時には必要があったと推測します。

大学病院の臨床研究の能力が高ければ、新薬の安全性は担保されます。新薬の安全性の確保からは、大学病院の臨床研究で十分だとの判断されたのが、今回の規制緩和の背景にあります。

恐らく、日本中の規制内容を見直せば、本日の新薬開発のように、今では不要となった多くの規制が存在していることが明確になるはずです。

規制の必要性の有無は、合理的な理由で判断する必要があります。今まであった規制だから、あるいは、何となく必要だなどの曖昧な理由で存続させないことが必要です。

何度か本ブログ・コラムで書きましたように、国土交通省は2011年3月に、「コンテナ型データセンターのうち、稼働時は無人であり、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないものについては建築物に該当しない」という通知を出しました。

つまり、コンテナ型データセンター稼働時に無人化していれば、このデータセンターを建築物とみなさないと判断したのです。

データセンター事業者は、無人コンテナ型データセンターが建築基準法の対象外になることで、設置・運営が容易になり、多くの企業が日本各地にコンテナ型データセンターを置くようになりました。

この規制緩和は、データセンター事業が活性化することで、クラウドサービス事業の競争が激しくなり、より良いサービスが顧客に提供されるようになりました。

その結果、多くの企業がデータセンターを活用したクラウドサービスを使うようになっており、中小企業でもより容易にインターネットやITツールを使えるようになりつつあります。

データセンター事業の活性化が、企業のクラウド活用につながり、中小企業がインターネットやITツールを使いこなして、生産性や事業の付加価値を上げる効果につながっています。

コンテナ型データセンターに対する建築基準法の規制緩和が、新規事業立ち上げだけでなく、企業の事業活動に好影響を与えています。

現在の政府には、不必要・不合理な規制の徹底的な見直しと、緩和・撤廃を行なうことを強く期待します。

民間企業は、規制が緩和されると、そこに商機を見いだせれば、積極的に動いて新規事業立ち上げを行ないます。

本日の記事にあります、新薬開発の期間が10年超から半減しますと、国内製薬企業の商品化速度が早まり、世界市場での競争力は確実に高まります。

国内では、iPS細胞技術を活用した新薬開発も活発化しています。同時に米国でも多額の予算を投じてiPS細胞技術の実用化を強力に進めています。

国内企業が競争力を失わないためにも、企業の臨床研究を不要とする規制緩和だけでなく、他の不要なものは撤廃して、企業がより迅速に事業化できる環境を整備していくことが重要です。


最近、一般用医薬品(大衆薬)のネット販売解禁が話題になっています。これは、最高裁判決後、大衆薬のネット販売は事実上解禁状態になり、ヤフーや楽天などのネット通販専業事業者が大衆薬を自社ルートで販売し始めていることによります。

大衆薬の副作用の問題回避などの課題があるため、各ネット通販専業事業者は、独自の扱い指針(ガイドライン)を作っています。

政府も安全確保のための指針作りの作業に着手しています。

大衆薬のネット販売解禁は、最高裁判決という形で不合理さを突きつけられた政府の対応が後手に回った感があります。

大衆薬のネット販売は、規制が無効になると、企業がすぐに動く事例の一つになります。

上記しましたように、不必要・不合理な規制は、政府が率先して緩和・撤廃することを期待します。

その動きが民間企業の活力を生んで、新規事業立ち上げにつながります。企業は、商機が見いだせれば、活発に事業化します。

今後の政府の規制緩和の動きを期待しつつ、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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