- 山本 憲宏
- 山本公認会計士事務所 所長
- 滋賀県
- 公認会計士
対象:会計・経理
今回も「中小会計要領」の各論の解説の続きです。
今回は、「7.経過勘定」を取り上げます。
まずは、本文の抜き出しからです。
(1)前払費用及び前受収益は、当期の損益計算に含めない。
(2)未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に反映する。
経過勘定は、サービスの提供の期間とそれに対する代金の授受の時点が異なる場合に、その差異を処理する勘定科目です。すなわち、サービスの提供については、時の経過とともに発生するものがあるため、会計期間に対応した収益及び費用を認識するために、差異を調整するための勘定科目が経過勘定という事になります。
経過勘定には、「前払費用」、「前受収益」、「未払費用」及び「未収収益」があります。
前払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対して支払われた対価をいい、前払利息、前払保険料、前払家賃、前払保証料等が該当します。
前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対して支払を受けた対価をいい、前受利息、前受家賃等が該当します。
未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいい、未払利息、未払家賃、未払給料、未払社会保険料等が該当します。
未収収益とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、既に提供した役務に対しいまだその対価の支払を受けていないものをいい、未収利息、未収家賃等が該当します。
「前払費用」と「前受収益」は、翌期以降においてサービスの提供を受けた、もしくは提供した時点で費用又は収益となるため、本文の(1)にあるように、当期の損益計算には含めないことになります。
「未払費用」と「未収収益」は、当期において既にサービスの提供を受けている、もしくは提供しているので、(2)にあるように、当期の損益計算に反映することになります。
なお、金額的に重要性の乏しいものについては、受け取った又は支払った期の収益又は費用として処理することも認められます。実務的には、経過勘定については金額的に重要性が乏しいことが多いため、受け取った又は支払った期の収益又は費用として処理することが多いと思われます。このコラムに類似したコラム
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