- 山本 憲宏
- 山本公認会計士事務所 所長
- 滋賀県
- 公認会計士
対象:会計・経理
今回も「中小会計要領」の各論の解説の続きです。
今回は、「5.有価証券」を取り上げます。
まずは、本文の抜き出しからです。
(1)有価証券は、原則として、取得原価で計上する。
(2)売買目的の有価証券を保有する場合は、時価で計上する。
(3)有価証券の評価方法は、総平均法、移動平均法等による。
(4)時価が取得原価よりも著しく下落したときは、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上する。
有価証券の貸借対照表の計上額である取得原価は、総平均法、移動平均法等により計算します。売却のつど取得原価を計算する移動平均法の法が総平均法よりも望ましい計算方法といえます。
期末の有価証券は、原則として、取得原価で計上します。但し、短期間での売買を繰り返す目的で購入された売買目的有価証券については時価で計上します。法人税法上の規定にある売買目的有価証券を想定しておりますので、有価証券の売買を目的とした専門部署を有する企業を想定されますので、証券会社を除く中小企業においては一般に該当することはないと思われます。
本文の(4)に記載のあるように、時価が取得原価よりも著しく下落した時は、回復の見込みがあると判断した場合を除き、評価損を計上します。すなわち、有価証券につき減損処理を行うことになります。
ここで、著しく下落したときとは、個々の銘柄の有価証券(上場株式等)の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合が該当するものと思われます。非上場株式を有する場合においては、入手した事業報告書及び計算書類から判断して大幅な債務超過に陥っている時に評価損を計上することが求められてくると考えられます。
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