どうして入れ歯が痛むの?(治療編) - 差し歯・入れ歯 - 専門家プロファイル

小野田 恵一
小野田歯科医院 院長
神奈川県
歯科医師
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どうして入れ歯が痛むの?(治療編)

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 前回は部分入れ歯でも歯の残り方によっての痛みが出る時と出ないときがあることをお話ししました。今回は入れ歯で痛みがあるときの治療法についてご紹介します。

 ズバリ、一番望ましいのはインプラントを利用した治療方針なのですが、手術や費用、健康問題などでインプラントを選択するのが難しい方もいらっしゃると思いますので、先にそれ以外の方法についてお話した後、最後にインプラントを用いた方法についてお話しします。

1.痛みの原因となっている場所を特定し、入れ歯の裏側を削って強く当たらないように調整してもらう

 実はお口の中の位置感覚というのは意外と曖昧で、痛くて傷が出来ている場所が外側なのか内側なのか、手前なのか奥なのか、患者さんが訴える場所と実際が異なることは良くあります。

 ご自身の感覚だけを頼りにせず、担当の先生に傷になっている場所をよく見て探してもらい、必要最低限の削る量で痛みを調整してもらいましょう。あちこちと不必要に削ればそれだけ入れ歯が合わなくなり、かえって他の所に傷が出来たり、食べものが入れ歯の下に入り込みやすくなってしまいます。

 

2.入れ歯のかみ合わせの高さを調整してもらう

 かむ力に対して、歯は根の周りの歯根膜に備わったセンサーの働きによって敏感に反応することができます。しかし歯を失って残った土手の粘膜にはそのような働きは無く、とても鈍感です(図1)。

 従って入れ歯に対して過剰なかむ力が加わってもそのことが分からずに傷になってしまうのです。なかなか傷が治まらない場合は入れ歯のかみ合わせを削ってもらい、どんなに強くかみしめても全く上下の歯がかまないようになるまで一度調整してもらうと良いでしょう。

 まずはその状態で痛くなくかめるようになればしめたものです。その後かみ合わせを少しずつ足してもらって適切なかみ合わせの高さにしてもらうのが良いと思います。すこしでも上下の歯がかむと痛くなってしまう場合はかまないままにしておくのも一つの選択だと思います。とにかく、痛いのはつらいですから。

 

3.入れ歯の裏側を軟かい樹脂で裏打ちしてもらう

 入れ歯の裏側を土手を傷つけにくいような軟かい樹脂に置き換えてもらう方法もあります。材料にはいろいろとあり、費用も様々だと思います。ただ、通常の入れ歯の材料に比べて劣化が早いことが多いのが難点です。ある一定期間であっても痛くなくかめれば良いという方にはおすすめ出来る方法だと思います。

 

4.軟かい入れ歯(ソフトデンチャー)を作ってもらう(写真)

 ソフトデンチャーとは材料そのものが軟かい樹脂で出来た入れ歯のことで、保険適応外になります。入れ歯が痛むのはまさに材料が堅いからであり、入れ歯そのものを軟かい材料にしてしまうという逆転の発想が功を奏して、近年急速に普及しつつあります。痛みは出にくいのは間違いないのですが、土手が減って入れ歯の下に隙間が出来たときに裏打ちができないという難点があり、不自由な場合は新たに作り治す必要があります。

 

5.インプラントを用いた治療方法

 最初にお話ししましたように、インプラント治療を選択する事が可能であれば、良い治療結果を期待することが出来ます。今回のお話しの様な部分入れ歯の場合、土手では力を受け切れないのが本質的な問題なため、インプラントを適切な位置に入れて、かむ力を受けることが出来るようになれば、土手に加わる負担は減り、痛みを解消してきちんと食事をすることが出来るようになります(図2)

 

 また、入れ歯に加わる力によってバネのかかっている手前の歯にも不適切な力が掛かっているため、インプラントによって力を支えることが出来れば手前の歯を守ることも出来て一石二鳥です。

 インプラントと入れ歯の合わさる部分は維持装置といって幾つか種類がありますが、詳しくはまた次回以降にご紹介したいと思います。

 

 いかがでしょうか?部分入れ歯の痛みでお困りの方の参考になれば幸いです。

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