民法改正(財産法関係)その11 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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鈴木 祥平
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村田 英幸
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閲覧数順 2017年03月26日更新

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民法改正(財産法関係)その11

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○詐害行為取消権

3-1-2-08

 判例の要件をおおむね明文化したもの。

                                                                           

 

1 詐害行為取消権

民法改正提案では、本旨弁済、義務ある担保供与について、詐害行為取消権の対象から除外することにより、倒産法上の否認権との整合性を図っている。

民法改正提案では、相当対価処分行為は破産法161条と同じ要件で一定範囲でのみ取消を認め、無償行為について受益者の悪意を不要として、倒産法上の否認権との整合性を図っている。

受益者から取消権者が金銭の返還を受ける場合について、事実上の優先弁済機能は縮小。

 

2 詐害行為の偏ぱ弁済について取消を認めるかどうか、弁護士会でも、意見がわかれている。

                                                                                            

債権者と債務者が通謀し詐害の意思で弁済した場合を除き、原則として本旨弁済は詐害行為にならない(最判昭和33年9月26日民集12巻13号3022頁、最高裁判例解説民事編・同年度104事件)。                                                            

 

3 「逆転現象」

平成16年破産法改正により、否認権の対象は、偏頗弁済、義務なき担保供与について、支払不能等の時期的要件により、絞りをかけた。これに対して、現行民法の条文の上では、破産法の否認権より、詐害行為取消権の方が対象が広いこととなっている。これを「逆転現象」という。                                         

広島弁護士会の案は、従来の判例の要件に加えて、否認権との整合性を考慮して、支払不能等の時期的要件を付加するという案であった。

私見であるが、条文の文言はともかく、従来の判例理論では、安易に詐害行為取消を認めているわけではなく、事案に応じて妥当な結論を導くために、各種の工夫がこらされており、判例理論を立法に活用すべきではないか。なお、平成16年の否認権の改正に際しても、従来の判例理論を類型化したとされている。                                       

 

4 私的整理、事業再生

抜け駆け的な債権回収について。

そもそも、私的整理が、債務者と債権者との和解という性質がある以上、一部の強硬な債権者を、多数決で押さえつけるという考え方ならば、特別清算や民事再生等を活用すべきではないか。

 

5 参考判例、最判平成22年10月19日裁判集民事第235号93頁の判旨「 詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するものではない。 」

 

6 詐害行為取消権の効果(事実上の優先弁済機能)

事実上の優先弁済機能については、否定説が有力のようである。

ただし、取消債権者に費用償還請求権を認めることにより、詐害行為取消訴訟を提起するインセンティブはあるのではないか。

 

7 濫用的会社分割                                                            

  参考裁判例、東京地判平成22年5月27日、その控訴審である東京高判平成22年10月27日。                                                             

 会社法改正により、債権者保護策が新設される予定である。

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