日経記事;『米欧FTA、中国を意識 貿易ルール、国際標準狙う 日・EUは自動車が焦点』に関する考察 - 成長戦略・競争戦略 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『米欧FTA、中国を意識 貿易ルール、国際標準狙う 日・EUは自動車が焦点』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 成長戦略・競争戦略
情報・知識 ビジネス雑感


皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月17日付の日経新聞に、『米欧FTA、中国を意識 貿易ルール、国際標準狙う 日・EUは自動車が焦点』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『世界の主要国・地域の間で自由貿易協定(FTA)をつくる動きが加速してきた。米国と欧州連合(EU)はFTA交渉に入ることで合意。米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)は今年10月の妥結に向けた交渉が進む。台頭するアジアに背中を押された米欧の新戦略は、日本の対応にも影響を与えそうだ。

「今夜、EUとの包括的な環大西洋貿易・投資協定の交渉に着手する」。オバマ米大統領が12日の一般教書演説で宣言した瞬間、米国とEUがFTA交渉に入ることが事実上決まった。

翌13日昼、オバマ氏とEUのファンロンパイ大統領、バローゾ欧州委員長は交渉開始を宣言する共同声明を発表。バローゾ氏は会見で「世界最大の自由貿易圏をつくる」と高揚しながら語った。

米国とEUは世界の国内総生産(GDP)の約半分、世界貿易量の3分の1を占める。なぜ今、この巨大FTA構想が動き出したのか。働き掛けたのはEU。中国を筆頭にアジアが急速に台頭し、オバマ氏がアジア重視にカジを切り、置き去りにされるとの危機感を募らせた。

「米国が東南アジア諸国に有利な市場アクセスの条件を提供すれば、対EU貿易が減りかねない」。EUの欧州委員会の非公式文書には、ユーロ危機で経済力が陰るEUの焦燥感が赤裸々につづられている。

アジアの台頭が米欧をFTAへと突き動かした。

米国がTPP交渉に参加し、2011年11月に野田佳彦首相(当時)がTPP関係国との協議に入る方針を表明。カナダやメキシコなども交渉参加に次々と名乗りをあげた。

「世界貿易機関(WTO)交渉をつぶしてしまう」と日本や米国とのFTA・経済連携協定(EPA)に慎重だったEUは態度を一変させた。

EUが米国を説得できたのは、中国の存在が大きい。12年の中国のモノの貿易総額は米国を抜いて世界一。一方、第2の経済大国として発言力を高めた中国との間で、米欧はレアアースの輸出規制などの紛争案件が急増していた。

「米欧が多くの貿易ルールで合意しなければ、中国の基準を受け入れざるを得なくなる」。デフフト欧州委員(通商担当)は米紙の取材に中国への対抗心を認めた。

中国の影響力をそぎたい米国にもEUの提案は渡りに船。「輸出倍増」を掲げるオバマ氏にはTPPの次の通商政策の目玉にできる利点もあった。

日本にとって米・EUのFTAの影響は大きい。関税撤廃だけでなく、投資、政府調達、非関税障壁、知的財産権、環境・労働、競争政策、国営企業のあり方など次世代の貿易ルールすべてを網羅し、高次元の事実上の国際標準となる公算が大きいためだ。

日本国内でも「米欧主導でルールができたら日本は後手に回る」(経済界)との懸念が浮上。外務省も「動向を注視する」と身構える。

。。。。

日本が、米欧主導の貿易ルールづくりの動きを把握するカギはEUだ。3月下旬の日・EU首脳協議でEPA交渉入りを正式合意する予定。ただ、EUとの交渉が始まっても、1年後までに日本が非関税障壁の撤廃に応じないと、EUは交渉を打ち切る立場を明確にしている。

最大の焦点は自動車分野の非関税障壁の取り扱いだ。対日EPA反対の強力なロビー活動を展開した欧州自動車工業会(ACEA)。欧州の安全・環境基準の受け入れを求めているだけでなく、日本固有の軽自動車への税制上の優遇措置も問題視している。

ACEA東京事務所のミリントン理事長は14日、「EU・米国FTAは大歓迎。基準を相互承認すれば(欧米間の)違いは簡単に埋められる」とする一方、日本とは「国土交通省は日欧で違った基準が必要という。(日本の努力に)懐疑的だ」と明言した。

EU幹部は「1年で交渉を止めるつもりはない」というが、ACEAが欧州議会・EU加盟国議員への働き掛けを強めれば、対日EPA慎重論がぶり返すリスクは残る。

日本がTPP交渉に参加しないとEUに足元を見られ、より高い要求を突きつけられかねない。逆に参加すれば、米欧との2つの足場を固めて新貿易ルールづくりに参画できる余地が広がる。

世界では今、1つのFTAが次のFTAを呼び込む「FTAの連鎖」が起きている。TPPと日・EUのEPAの二正面作戦は、先進国型の貿易ルールの受け入れを中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)に迫るテコにもなる。。。。』

本日の記事は、米とEUが交渉開始しましたFTAを中心とした海外の動きについて書いています。
記事にありますように、米国とEUの世界の国内総生産(GDP)の約半分、世界貿易量の3分の1を占めます。

この二大経済圏がFTAで合意しますと、その内容は米国がアジア太平洋地域で進めていますTPPにも大きな影響を与えます。

FTAの基本骨子は、関税撤廃、投資、政府調達、非関税障壁、知的財産権、環境・労働、競争政策、国営企業のあり方など全般にわたります。

いわば次の新貿易ルールをを二大貿易圏で作成・実施することになります。新貿易ルールの国際標準となります。

新しい貿易や通商の国際標準は、海外市場とのビジネスのプラットフォームになります。常識的には、日本がFTAやTPPの交渉開始時期か途中に参加しないと日本の主張や要求を新プラットフォームに反映できません。

今までの日本は、欧米地域が中心となって決めてきた、技術や規格などの国際標準化交渉に参加しない、あるいはできない形で後追いで決められた国際標準にしたがってビジネスするやり方でした。

米国は、TPPとFTAの両方の大きな経済圏を相手にして、新貿易ルールを作成しようと動いています。

一方、日本はEUとのEPA交渉を開始しようとしています。現時点で、EU側の欧州自動車工業会(ACEA)は、米国の自動車工業会と同じように、EU圏と同じ貿易ルールの適用を日本に求めており、日本が2014年3月までにこの条件に同意しなければ、日本との交渉を打ち切る方針を出しています。

日本は、足元をみられている状況です。日本は積極的に新貿易ルール作りに参加しして、少しでも国内企業が不利になることを避けるための努力が必要になります。

TPPにについては、安倍首相の訪米時に、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対」との前提で、米側から「聖域」容認でオバマ大統領の合意が得られれば、交渉参加を決めるとされています。

TPPに対しては、農業関係者の反発は強く、6月に行なわれる参議院選挙を意識して現時点でTPP交渉参加を決断していません。

日本は、間違いなく貿易立国です。輸出で外貨獲を稼ぎ、その金で天然資源、食糧、原材料などを購入して、付加価値をつけた商品を輸出することで、国内経済を支えています。

国内企業は、海外企業との競争に積極的に立ち向かっており、日本の経済の屋台骨をささえています。中小製造業者もその一翼をになっています。

自由競争ですから、競争力のない企業はビジネスの土俵から消えていくのは必然なことです。しかし、国内企業のみが米欧を中心に決められたFTAやTPPの新貿易ルールの不利な条件下で、競争することになれば、その不利益さは深刻になります。

新政権誕生前後から異常な円高状況が改善されつつあり、さらに成長戦略の立案・実施に向けて投資減税や規制緩和などの施策が議論されています。

並行して、政府には、FTAやTPPへの対応についても、前向き姿勢で議論・検討して、国内企業が不利にならない、新貿易ルール;プラットフォーム構築に取り組むことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

営業は相手の立場でWhy me? Why we? Why now? で。 松橋 功 - 売上アップコンサルタント(2013/06/05 10:49)

世界スマホ出荷台数が携帯電話の半数超える見通し 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2013/03/08 09:40)

国内企業のIT支出は減速基調 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2013/01/31 10:57)

スマホビジネスはスピードが命 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2012/03/28 10:19)

IBMが株価最高値! 萩原 貞幸 - 経営コンサルタント/起業家(2011/12/05 09:31)