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日経記事;『楽天、スマホ効果 最高益 前期経常益5%増の715億円 年後半に利用急増』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

2月15日付の日経新聞に、『楽天、スマホ効果 最高益 前期経常益5%増の715億円 年後半に利用急増』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『楽天が再び業績の拡大ペースを速めている。14日発表した2012年12月期連結決算は経常利益が前の期比5%増の715億円と過去最高を更新した。

成長鈍化の懸念も出ていた主力事業のインターネット通販がスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)経由の買い物需要を取り込んで、10~12月期に伸び率を回復した。ただ、積極的に企業買収を進めた海外は赤字事業も目立ち、課題を残した。

三木谷浩史社長は同日記者会見し「モバイル経由での取扱高(利用者が売買した金額)は13年末に全体の42%、その先は50%を超える」と語った。

楽天の12年12月期の売上高は17%増の4434億円。スマホによる利用がけん引し、従来型の携帯電話、タブレットも合わせたモバイルでの取扱高が10~12月期に前年同期比で4割強伸びた。

ネット通販に宿泊予約サービスなどを合わせた「国内電子商取引(EC)」の取扱高は10~12月期に前年同期比15%増えた。

増加率は1~3月期に21%、4~6月期は14%、7~9月期は12%と最近は減速傾向にあった。だがスマホ向けのサイトで商品を見やすくしたり、検索機能を強化したりして盛り返した。

例えば、「楽天市場」や「楽天トラベル」などを1つの窓口から利用できるアプリ(応用ソフト)「gateway」では、複数のサービスを利用する会員を増やした。スマホから買い物をするとポイントを手厚くもらえるようにするなど、販促面での取り組みもスマホ利用を促した。

営業利益は前の期に比べ2%増の722億円。電子書籍や海外事業は先行投資で事業部門としての赤字が膨らんでいる。宿泊予約の楽天トラベルでは06年以降の費用計上に関する会計上のミスが表面化、是正のために営業費用が28億円増えたが、ネット通販と金融事業が好調で補った。

金融事業では利用額に応じて値引きに使えるポイントがもらえる「楽天カード」の収益が拡大。不振だった楽天証券も、昨年11月後半からの株式市況の好転で持ち直した。金融部門の営業利益は237億円と8割強増え、営業利益全体の2割を占めた。

最終損益は194億円の黒字(前の期は22億円の赤字)になった。金融事業の再編による損失が一巡した。ただ、米国や英国事業での構造改革にからみ、事業損益が見通しを下回り、減損損失などが出た。海外関連の特別損失が255億円に膨らんで、純利益は過去最高だった09年12月期(535億円)の水準を大きく下回った。

楽天は13年12月期から国際会計基準に移行し、「のれん」の償却がなくなるなどの影響がでる。同社は今期の業績見通しを公表していない。』


最近、ネット通販やそれに関わる物流・倉庫あるいは宅配に関する記事が多くなっています。それだけ、ネット通販を含むITが社会に与える影響が大きくなってきていることを示しています。

BtoB、BtoCの両方の事業にとって、インターネットやネット通販をしっかりと活用してビジネスを行なわないと勝ち残れない事業環境になりつつあります。

本日の記事は、現時点で国内ネット通販の最大手企業である楽天の決算結果について書いています。

2012年12月期連結決算は経常利益が前の期比5%増の715億円と過去最高を更新したとのこと。売上拡大の原動力は、スマホやタブレット端末機器からのアクセス数の増加によります。

本年の2月8日に書きましたブログ・コラム::日経記事;『家電量販店の業績悪化 ヤマダ電,経常益56%減 4~12月,テレビ販売不振が長期化』に関する考察 [インターネットマーケティング]で紹介しましたように、ライフメディアのリサーチバンクは2013年1月30日に、インターネットショッピング(ネットショッピング)に関する調査結果を発表しました。調査対象は、全国の10代から60代の男女です。

当該調査の詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://research.lifemedia.jp/2013/01/130130_netshopping.html

この中で、以下のポイントが調査結果からあげられていましした。

・インターネットショッピングをする機器は、97%が「パソコン」で最も多い。スマートフォンは13%程度。

・スマートフォンを所有しているが、インターネットショッピングをスマートフォンでしない人に理由を尋ねたところ、64%が「画面が見にくいから」と答えており、パソコンと比べて比較などがしにくいことが影響していると考えられる。

・パソコンでもスマートフォンでもインターネットショッピングをしている人に対して、今後はどちらを使うと思うか聞いたところ、48%は「パソコンの方が利用頻度が高いと思う」と答えており、27%は「どちらも同じくらい利用する」と答えている。スマートフォンを利用すると思う人は20%程度。など

楽天のスマホに対する対応とその結果としての売上増加と、上記調査結果は結び付かない印象を与えます。

上記調査は、ネット通販全般の使用状況について調べており、この調査結果から単純にスマホやタブレット端末機器からネット通販を行なう人の割合が少ないと決めつけるのは早計です。

ネット通販を積極的に行なうようになった人たちの中には、スマホやタブレット端末機器を使い始めてから積極的に活用する割合が増えているのは確実です。

スマホやタブレット端末機器からネット通販を行なわない理由の中で、対象となるWebサイトがパソコンのみの使用前提で作られているため、スマホやタブレット端末機器からアクセスすると、画面が小さくて見にくいのが大きい割合を占めています。

楽天の場合、スマホ向けのサイトで商品を見やすくしたり、検索機能を強化したりして当該端末機器からネット通販売上が増えて、収益拡大につながりました。

私の支援先の一つで、BtoC事業を行なっている事業者が自社のWebサイトをスマホやタブレット端末機器にも対応するようにした結果、売上増加した事例もあります。

BtoCのネット通販には、スマホやタブレット端末機器対応のWebサイト構築は、必要であり効果的です。

BtoB事業の場合、現時点ではパソコンとタブレット端末機器に対応するWebサイトを持っていれば十分です。


さて、楽天は現在アマゾンと激しく競争しています。本日の記事によると、楽天はアマゾンと同じ仕組み(仕入れから配送までをこなす直販モデル)ではなく、仮想商店街型の「マーケットプレイスモデル」を強化して勝負するようです。

「マーケットプレイスモデル」の方が出店料やシステム利用料を稼げるビジネスモデルであることが理由とのこと。

私は、アマゾンと楽天、両方のネット通販を使っています。私の個人的な好みで言いますと、アマゾンの方が取扱い商品に関係なく、統一されたWebサイトを使えますので、安心感や使い勝手の良さを感じます。

楽天の場合、出店事業者の個性を感じますが、統一感がなく安心感の観点からは、いまいちの感じがします。これは、もちろん個人的な好みの私見です。

私が主に支援しているBtoB事業のネット通販では、国内だけでなく海外市場もターゲットになりますので、世界市場に販売できる通販の仕組みが必要不可欠です。

この観点からは、現時点でアマゾンに「一日の長」があります。アマゾンは、米国からネット通販を始めて、日本を含む海外市場に展開・拡大をすでに積極的に行なっていることによります。

それだけ、海外展開のノウハウと実績を持っていることになります。

楽天の課題は、三木谷さんが自覚されていますように、海外展開です。国内のネット通販市場は、いずれ飽和状態になります。

しかも、国内には強敵のアマゾンがいて、一定規模のシェアを取ることは確実です。アマゾンが将来国内市場でトップシェアを取る可能性もあります。

楽天は、海外市場開拓を行なうことは至上命題になります。このときに、楽天型の「マーケットプレイスモデル」で行くか、アマゾンの「直販モデル」でいくかは大きな課題になります。

現時点では、楽天は海外市場も「マーケットプレイスモデル」でいくようです。

今後の楽天とアマゾンの競争に注目しつつ、支援先企業がもっとも使いやすいネット通販の仕組みを探します。

企業の実力がつけば、自社単独でネット通販を行なう工夫も必要になります。顧客にアクセスする販路は、基本的に多い方が望ましいので、柔軟な方法でネット通販を利用することが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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