日経記事;『日立・博報堂、ビッグデータで提携 解析・助言受注』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日立・博報堂、ビッグデータで提携 解析・助言受注』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月13日付の日経新聞に、『日立・博報堂、ビッグデータで提携 解析・助言受注』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『 日立製作所と博報堂は「ビッグデータ」と呼ぶ膨大な情報の解析事業で提携し、販売促進策などの助言まで一貫して請け負うサービスを4月に始める。日立が技術やシステムを提供してデータを解析。

博報堂が独自データを加味し、それぞれの商品に合わせたマーケティング手法を提案する。顧客企業が求めるサービスを低コストでまとめて提供することで、ビッグデータの活用に消極的だった中堅・中小企業の需要を取り込む。

ビッグデータは朝刊数十万年分に相当するような膨大なデータのこと。IT(情報技術)の進化により、ネット上で個人が発する膨大な情報を解析することが可能になり、販売促進や商品企画などに生かそうとする動きが広がっている。

両社は新サービスを始める受け皿組織として「マーケット・インテリジェンス・ラボ」を発足させ、それぞれ10人程度の社員を派遣。解析に使う専用ソフトウエアの開発などを進め、消費者行動の予測精度を高める。

新サービスではどの時間帯に、どの店舗で、どんな属性の人が何を買ったかといった基本データを顧客企業が日立に提供。日立はこれとは別に交流サイト(SNS)に消費者が書き込んだ情報から、特定の商品に対する購買意欲や満足度などをきめ細かく分析する。

これらの情報を付き合わせることで、購買意欲があるにもかかわらず売り上げが伸び悩んでいる地域や商品を特定。博報堂は独自に蓄積してきた販売促進ノウハウを加味し、顧客企業に商品開発やマーケティング戦略の見直しを提案する。

ビッグデータの活用は大手メーカーなどで広がりつつあるが、中堅・中小企業は解析結果を生かすノウハウが乏しく、利用しにくい面があった。日立と博報堂は中堅・中小企業が負担できる水準に利用料金を抑える方針で早期に詰める。3年後をめどに300億円程度の売上高を目指す。

 調査会社などによるとビッグデータ関連の国内市場は2020年度に1兆円規模と、11年度の5倍以上になる見通し。』


ビッグデータは、日経記事によると、「朝刊数十万年分に相当する数百テラ(テラは1兆)バイト以上の膨大なデータの塊を指す。従来は取り扱い自体が難しかったが、ITの進化で多数のサーバーを利用するなどしながら高速で解析できるようになった。消費者の行動履歴をマーケティングなどに生かしたり、交通渋滞の回避、犯罪予防などへの利用も期待されている。」とされます。

昨年来、クラウドの活用により、ビッグデータを今までより低コストで運用するサービスが大手ITベンダーや通信会社などから、発表されています。

顧客企業からビッグデータを使って売上が伸びたとの声は、現時点ではあまり出ていないようです。

もっとも、顧客企業が売上拡大につながることを公開すると、他社に同じ効果を出せるヒントを与えることになるので、沈黙している可能性はあります。

過去、会社勤務時に、大規模な市場調査を行ない、顧客のニーズ、競合他社の動きや状況、需要予測などをたびたび行なった経験から、大手企業といえども、ビッグデータを活用して自社事業に効果的に使うには、事前準備を入念に行なう必要があります。

この事前準備をきちんと行なわないと、多額の費用をかけて入手したデータの活用が効果的にできないことになります。

ビッグデータを使う・使わないにかかわらず、市場調査を行なう場合には、事前に以下の事項を明確にする必要があります。

1.市場調査の目的
2.予想される調査結果に基づいた仮設の作成
3.仮設に基づいた対応策・実行計画の作成

要は、市場調査を行なったあとの対応すべきことや実行すべきことまでのアウトライン;青写真を作ってから、市場調査を行なうことが重要であり、必要です。

この事前準備は、結構なエネルギーを使います。しかし、この事前準備を行なわないで実行した市場調査は、必ず有効活用されません。調査結果は、単なる参考情報として扱われることになります。

ビッグデータを扱う調査・分析も、市場調査の一つになりますので、しっかりとした上記事前準備が必要です。

本日の記事は、日立と博報堂が共同で中小企業向けのビッグデータから、分析・解析やその結果に基づく販売促進策の助言までのサービスを提供する仕組みについて書いています。

中小企業がこのビッグデータサービスを受けるには、中小企業自身が上記1から3項までの事前準備をきちんと行なっていることが必要です。

そうしないと、上述したように調査結果は宝の持ち腐れになるだけです。

また、市場調査に関しては、ビッグデータサービス以外にもいろいろなものがありますので、それらの中から自社にとって最も効果的な方法を選ぶことも重要です。

中小企業の場合、市場調査以前のこととして、自社の販売記録(売上商品、顧客名や顧客数、販売価格、売上時期、販売数量、売上金額など)をきちんととっておき、データベース化しておくことが必要になります。

私が、売上拡大や販路開拓のための市場調査などに関して支援を依頼された経験から言いますと、このような自社の販売記録を持っていない企業が多いことを実感しています。

このような時には、まず当該企業に対して自社の販売記録作成を行なってもらいます。このときに、ExcelなどのITツールを使ってデータベース化しておくように指導します。

自社の販売記録をデータベース化して、販売実績などを数年単位でみますと、自社の事業状況が見えたり、売上拡大あるいは減少した理由も明確になることが多く発生します。

同時に、毎日の売上を可能な限り簡単かつ有効に記録する仕組みを作ってもらい、販売記録のデータを積み上げていくようにします。

このことを行なうだけで、中小企業は販売施策の検討や作成に必要なデータ・情報を確保できます。

多くの中小企業は、日々のデータ集積を面倒なこととして、行なわない傾向があります。事業活動は、商品・サービスの提供者と購入顧客の間の合理的な動きの中で営まれます。

従って、中小企業経営者が事業判断するときに、客観的な情報やデータに基づいて行なうことが重要になります。

自社の販売記録は、重要な客観的データ・情報の一つになります。市場調査を行なわなくても、自社の販売記録から必要な販売施策の検討・作成が可能になるケースが多くあります。

市場調査は、市場全体の動きや他社・他社商品などの状況を客観的に推測する必要があるときに有効です。

市場調査の手法は、インターネットの発達や進化によって、必要なデータ・情報が低コストで短期間に入手できるようになっています。

多くの調査会社が行っている「ネット調査」もその一つです。当該ネット調査会社と契約しているモニターの協力を得て、Webサイト上で調査を行ない、必要なデータ・情報を入手します。

一般的に、調査依頼から調査結果の入手までの過程が数日間で完了します。調査料金も低めに設定されています。

インターネット上に存在する二次データ(加工・分析されたデータ・情報をいう)を活用した、市場調査も有効な方法です。

私が中小企業の新規事業立ち上げや販路開拓で必要となるデータ・情報は、当該企業の販売記録とネット上の二次データの収集でまかなう場合が多いです。

この方法は、社外の助けを借りないで行ないますので、必要コストは最小限におさえられます。

社外の仕組みをを使ってネット調査を行なう場合も、事前に自社内でデータ・情報の収集・分析を行なっておくと、ピンポイントで必要な事項を集中して行なえるようになります。

このほか、必要に応じて本日の記事にありますビッグデータに基づいた市場調査を行なう方法も考えられます。

また、昨年から、財団法人流通経済研究所と株式会社NTTデータが始めた、流通業・製造業向けのPOS(販売時点情報)データ分析サービス「NPICLOUD」も状況に応じて活用できます。

どのような市場調査の方法を選ぶにしても、事前に上記1から3項のことを明確にしおくことと、少なくとも自社の販売記録をきちんと持っておくことが必要であり、重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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