日経記事;『米、日本にシェールガス 来月にも輸出許可 17年めど開始』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米、日本にシェールガス 来月にも輸出許可 17年めど開始』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月7日付の日経新聞に、『米、日本にシェールガス 来月にも輸出許可 17年めど開始』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

 
『米政府は今春にも、新型ガス「シェールガス」などの天然ガス輸出を解禁する。自由貿易協定(FTA)締結国以外にも輸出を認める措置で、第1陣として、日本の企業連合が参画する事業が有力視されている。

シェール革命で米国は世界最大の石油・ガスの生産国になる。割安な米国産ガスの輸出が本格的に解禁されれば、世界のエネルギー需給や産油国と消費国の関係、企業戦略にも大きな影響が及ぶ。

米国からのガス輸出はFTAを結んだ国を優先するよう定められている。技術革新で地中深くの頁岩(けつがん=シェール)にとじ込められた天然ガスを採掘できるようになり、米国では同盟国である日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国などにガスの輸出先を広げる議論が活発になっている。

米エネルギー省は今月下旬にも、液化したガス(液化天然ガス=LNG)の輸出について判断を示す。

同省の依頼を受けた第三者機関は昨年12月に輸出は「米国の経済利益にかなう」とする報告書を示しており、関係者の意見を精査したうえで本格的な輸出解禁を決める。3月中にも第1弾の輸出許可を出す。

米国でのシェールガス増産をふまえ、エネルギー省には15件にのぼる国際輸出計画が申請されている。関係者によると、同省は環境対策の強化を条件にそれぞれの計画について原則、申請順に審査を進め、輸出解禁の可否を判断する。2015~17年の輸出開始を視野に、早めに買い手を確保する考えだ。

輸出計画の審査では日本の企業連合が参画する事業の優先順位が高い。なかでも中部電力と大阪ガスが加わる米テキサス州の事業「フリーポート」の早期認可が有力だ。

輸出基地となる港湾施設などが整備されており、地元テキサス州の支援も得られるため。認可されれば17年から、ひとまず年間440万トンを日本に輸出できるようになる。

三井物産・三菱商事が参画する米ルイジアナ州での「キャメロン」も申請が早く、輸出解禁が有力視されている。東京電力は6日、これら2商社から、合計で年80万トンのLNGを調達する計画を正式発表した。17年から約20年にわたってLNGを買い取る。

エネルギー不足とLNGの調達費用に悩んでいる日本政府は、佐々江賢一郎駐米大使を通じてLNG輸出の早期解禁を米政府に働きかけている。

今月下旬にワシントンで予定される日米首脳会談でも、経済分野の主要課題と位置付ける。オバマ政権は日本のエネルギー安全保障に理解を示しており、チュー・エネルギー長官も対日輸出に含みを持たせている。

日本のLNGの輸入量は12年で8730万トンを超える。福島第1原子力発電所の事故の影響で火力発電の需要が高まり、消費量が前年比で約11%増えたためだ。

米国から日本への輸出が開始されるのは17年前後で、それまでには関連施設の建設など巨額の投資も必要。ただ輸送コストを含めても現在の輸入価格の2分の1程度である米国産LNGを調達できれば、電力料金の抑制や貿易収支の改善に期待できる。

シェール革命で米国は17年までに石油・ガスの生産量が世界最大となる見込み。日欧などの消費国が中東やロシアに資源を依存する体制が変わるうえ、安全保障から企業戦略まで幅広い影響を及ぼすとみられる。』


現在、日本の貿易収支は、輸出金額の減少と、石油や天然ガスの輸入量の大幅増加で、赤字状態になっています。

新政権の誕生前後から、異常な円高が修正されつつあり、今の為替レートを維持できれば2013年度は、国内企業の輸出採算は大幅に改善されます。

同時に、円安は、輸入品の価格上昇になりますので、石油や天然ガスの購入価格も上昇します。資源を現時点で持っていない日本は、資源エネルギーの調達コスト低減化は、最重要課題の一つとして取り組む必要があります。

その観点からみますと、日本が米国からシェールガスを輸入できるようになりますと、調達先が多様化して、中東への依存度を低くすることができます。

調達先の多様化は、供給側において競争原理が働きますので、調達コストの低減につながります。現在の日本は、主に輸入している中東やインドネシアなどの産出国のほぼ言い値通りで購入しているため、高価になっています。

ロシアは、資源の販売先を多様化しようとしています。これは、中国への依存度を下げる狙いもあります。

日本がロシアから輸入するようになると、米国からのシェールガス輸入を加えると、購入国としての日本の交渉力は強くなります。

米国は、石油や天然ガスの中東依存度を下げようと動きますので、中東も石油や天然ガスの売り先を多様化する必要が高くなり、日本により良い購入条件を提示するようになります。

また、米国は石油や天然ガスの調達コストを大幅に下げることができると共に、中東の政治的・軍事的な緊張や支援を下げることができますので、国内経済の活性化をしやすくなります。

米国は世界最大の原油・ガス消費国です。同日付の日経新聞によると、米国は現在原油消費量の4割超、天然ガスの1割弱を輸入しています。これが不要になります。

2006年に単位あたり9ドルを超えた米国の天然ガス価格は現在3ドル前後まで下がっています。

すでにシェールガス・オイルを中核とした新規化学プラント事業が進んでおり、一部の製造業も米国に回帰し始めました。

例えば、ダウ・ケミカルやエクソンモービルは安いガスを原料に使う石油化学工場の建設を決め、製鉄所の新設計画も進んでいます。

安いエネルギーコストは、製造コストの大幅削減につながりますので、米国メーカーの競争力強化に貢献します。

国内企業にとっては、米国市場は巨大であり重要です。米国経済の活性化は、当該市場の需要拡大につながります。

東南アジアにとっても、米国市場の活性化はプラスに働きますので、国内企業は東南アジアと共に、市場拡大を図れます。

国内化学会社は、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、シェールガスから取れないブタジエンやヘリウム、エチレンなどの化学原料を作る技術の開発・実用化を急速に進めています。

これも、シェールガス・オイルに関する新規事業になります。

現在の日本は、米国と良好な同盟関係にあり、米国も日本に加えてNATO加盟国にもシェールガス・オイルを供給する計画もあるようです。

従って、米国は、しばらくの間、日本へのシェールガス供給をストップする可能性は低いとみます。

但し、シェールガスの販売価格は、まだ示されておらず、今後も安い状態が続くとは限りませんので、日本は調達先の多様化を推し進める必要があります。

また、エネルギー使用量の削減努力を引き続き行なって、エネルギーコストの低減化と、CO2削減を含めた環境対応技術の開発・実用化も引き続き重要になります。

シェールガス・オイルは有限ですので、将来枯渇することになります。その枯渇までの時間を先に延ばすためにも、日本の省エネ技術は重要です。

日本は、藻などのバイオエネルギーなどの生産技術を実用化して、資源エネルギーの海外依存度を下げる努力も必要です。

省エネや環境対応技術の開発・実用化は、国内企業のお家芸の一つですので、ますますこの技術に磨きをかけて、最強の競争力を持つことが重要であり、必要です。

ここから中小企業も含めてさまざまな新規事業が立ち上がりつつあります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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