- 東郷 弘純
- 東郷法律事務所 代表
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
A
企業業績悪化による解雇は、整理解雇と呼ばれます。
労働者の解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります。
では、どのような整理解雇が権利の濫用(解雇権の濫用)となるのでしょうか。
以下の4つの要件を満たさない整理解雇は、解雇権の濫用となり無効となります。
1 人員整理の必要性 整理解雇を行うには、経営上の相当な必要性が認められなければなりません。必要性の程度については、事案ごとに見ていく必要があります。
2 解雇回避努力義務の履行 解雇は最終的な選択手段であり、その他の手段を尽くすことが必要です。例えば、経費削減、役員報酬の削減、新規採用の抑制・停止、配置転換、出向、労働時間短縮、賃金カット、希望退職者の募集等によって、整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされ、整理解雇に着手することがやむを得ないと判断される必要があります。
3 被解雇者の選定の合理性 解雇する労働者を選定する基準が客観的かつ合理的な基準を用いており、具体的な選定も公平であることが求められます。
4 手続の妥当性 整理解雇に当たって、手続の妥当性が求められます。すなわち、労働者に対して、整理解雇に関する説明・協議義務を尽くす必要があります。
解雇権の濫用ならないように、以上の条件を満たすよう手続を踏む必要があります。
また、使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をするか、または30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
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