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日経記事;『賢い農業革命 狭い国土 言い訳にしない ネット人類 未来 第3部 山を動かす(3)』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月29日付の日経新聞に、『賢い農業革命 狭い国土 言い訳にしない ネット人類 未来 第3部 山を動かす(3)』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『静岡市で高級イチゴ「章姫」を栽培する中嶌章嘉(60)に最近、長野県から手紙が届いた。「子供とおいしく頂きました」。2人をつなぐのはスマートフォン(スマホ)の農業体験ゲームだ。

仮想から実物に

ゲーム開発のエルディ(東京・目黒)が配信する「畑っぴ」。仮想の農作物をインターネット上で育て、「収穫」できると産地からご褒美に実物が宅配される。イチゴの場合、肥料などアイテムを購入し、7日で収穫が可能だ。

「中国に対抗するには何でもしないと」。中嶌は昨年、ゲームを通じ3800箱を出荷した。2万人の利用者の9割超は主婦。値段はやや高いが「消費者は農業というストーリーに対価を払う」とエルディ社長の宮崎尚登(54)は話す。

環太平洋経済連携協定(TPP)を巡って揺れる日本の農業。ネットを通じた新しい食の流通が生産者と消費者を結ぶ。NTTドコモは昨年、スマホを使った有機野菜の宅配を始めた。事業を手掛けるらでぃっしゅぼーや(東京・新宿)を買収、6千万人の顧客と農業をつないだ。

Q 米国に次ぐ世界2位の農業輸出国はどこ?

A オランダ

 国土が九州ほどしかない同国の輸出額は2008年、790億ドルと日本の30倍に達した。支えたのはIT(情報技術)を駆使した農業経営だ。

首都アムステルダムから車で40分。「フードバレー」と呼ばれるIT農業地区に植物工場が軒を連ねる。今春には東京ドーム約20個分にあたる100ヘクタールの工場もできる。

「まるで証券会社のトレーディングルーム」。視察した三菱総合研究所主任研究員の伊藤保(45)はモニター類で一杯の制御室に面食らった。トマトでは単位面積当たり収穫量が日本の3倍だ。

ノウハウを伝授するのは環境システム会社のプリバなど3社。海外にも手法を「輸出」し、ネットでつないでさらに効率的な栽培法を解析する。

目指せオランダ。富士通やNECは作物の生育データを収集、農家の生産性を高める「農業クラウド」を本格化する。昨夏には富士通など14社がシステムの標準化を目指す「スマートアグリコンソーシアム」を設立。技術輸出も視野に入れる。

「来ーい、来い来い」。大分県久住高原にある九州大の実験牧場。准教授の後藤貴文(48)がスマホを操作するとスピーカーから声が流れ、放牧牛が給餌場所に集まってくる。スマホには餌をほお張る牛が映る。後藤は「出張先のドイツからでも観察できた」と笑う。

「遠隔放牧も」

九大とNTT西日本が進める放牧牛の遠隔飼育システムの実験現場だ。牛に付けたセンサーと牧場のカメラで1頭ずつ管理する仕組みを目指す。徹底的な省人化で大規模牧場を運営し、畜産業の担い手不足に対応する。「全国の耕作放棄地を使った遠隔放牧も可能になる」と後藤は期待する。

日本の放棄地は埼玉県に相当する40万ヘクタール。オランダの例を見ても国土の狭さが大規模農場不在の言い訳にはならない。

世界的にも農産物の生産性向上は喫緊の課題。国連食糧農業機関(FAO)は50年に世界人口が90億人を超え、今より1.7倍の食料増産が必要になると推計する。

20世紀後半の50年、穀物生産は品種改良と大規模生産で人口の伸びを上回った。だが次の半世紀、ネットを駆使しさらに生産性を高める「賢い農業革命」が人類共通の課題になる。』


本日の記事は、ネット活用を試みる農業事業について書かれています。私自身は、ネットを使った農業事業活性化の支援をした経験を持っていません。

しかし、食品加工事業者のネットを使った事業拡大の支援を行なった経験を持っています。その時の経験も含めて、農業事業のネット活用の可能性について述べます。

記事では、スマホやタブレット型端末機器を使ったゲーム感覚で参加できる仕組みを作り、参加者にイチゴを売るビジネスモデルを紹介しています。

この方法は、ある特定顧客に対して関心を持ってもらい、イチゴなどの嗜好品を安定して形で購入してもらう仕組みです。

味や香り、鮮度、価格が安定していれば、一定規模の事業継続が可能になります。

農業事業の場合、一般的には相当規模の出荷量と売上が確保できないと、採算が取れない場合が多く、この点は製造業と同じです。

多くの農業事業者;農家がJAを通じて農産品を出荷するのはこの理由によります。JAが一定量の農産品を売ってくれるので、農業事業者・農家は、安心して農業事業に専念できました。

TPP議論がこれから始まろうとしています。

TPPに対するJAや農業事業者の反応は、新聞記事をみますと、日本の農業を守るために、TPPに反対する姿勢になっています。

片一方、農業の実態をみますと、農業事業者の数は減少し、高齢化が進んでいます。遊休農地も拡大し続けており、TPP参加の是非の議論と並行して農業事業の活性化を考える必要があることは明白です。

消費者は、輸入食品から国内農産品を守るために課せられている輸入関税をカバーした販売価格で、輸入食品を買っています。

米が代表的な事例になります。

米の年間消費量は、毎年減少しています。これは、国民が米以外のパンやパスタなどのめん類を主食の一つとして好んで食べていることによります。

年間消費量が下がっている米に高い輸入関税をかけて、国内品を守る必要性を再確認する時期にきています。

TPP議論は、農業事業の再活性化と並行して議論し、今後の展開の仕方を考え・実証することが重要です。

農業事業の再活性化には、一定規模の出荷量・販売金額を確保できる仕組みが不可欠になります。この時に有効な手段がネットを含むITです。

日本人や日本企業は、残念ながらITのインフラを構築する米国のITベンダーのような事業活動はできませんが、ネットやITの有効活用はできます。

できるだけでなく、国内事業者は、ネットやITを使い倒すくらいの気構えを持って、積極的に活用する姿勢と実行力が非常に大事です。

また、ネットを使うことで、海外市場への展開も可能になります。

私は、今まで名もない多くの中小製造業者の市場開拓や販路開拓の支援をしてきました。支援先企業には、例外なくネットを活用し、売上集計や顧客データ、販売実績などの作業をExcelなどのITツールを使って行なってもらいました。

自社のWebサイトからの情報発信、Webサイトや電子メールを通じての顧客からの質問に対する回答などを丁寧に行なった結果、顧客からの受注が増える結果が出ています。

ネット通販の活用も重要です。当面、自社のWebサイトでネット通販の仕組みを作れない場合、アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者を活用できます。

宅配は、国内ではクロネコヤマトや佐川急便などの専業事業者を活用すれば、速く送ることができます。

当初、自社や取扱商品・サービスにブランド力がなくても、ネットからの情報発信やさまざまな動き方で、多額のお金を使わずに宣伝広告を行なえます。

ポイントは、Webサイト上で出す情報と実際の活動を一致させていくことです。ここでは、詳細を申し上げられませんが、確実にブランド力が上がり、売上も伸びていきます。

本日の記事で紹介されているオランダの事例は、さらにその一歩先を行っています。「フードバレー」と呼ばれるIT農業地区に植物工場が軒を連ねる。今春には東京ドーム約20個分にあたる100ヘクタールの工場もできるとのこと。

植物工場は、ITを活用して生育や味の良さなどを一定水準になるようにコントロールしています。
IT投資は、必要ですが、輸出事業の大規模化で採算が取れるようになります。

顧客は、味や新鮮さ、手頃な価格でないと植物工場で作った商品を購入しません。「フードバレー」はこれらの点を克服したとみます。


ネットの最大のメリットの一つは、顧客と事業者を直接結びつけることです。

「フードバレー」のような植物工場は難しくても、らでぃっしゅぼーや、Oisix(おいしっくす)のようなネット通販を活用して、顧客の嗜好を確認しながら、ネットを通じて事業拡大することが重要です。

顧客の嗜好などがわかったら、自社のWebサイトを通じてネット通販するやり方もあります。ブランド構築を並行して行ないながら、実行することがポイントになります。

守勢一方では、国内農業の将来はみえません。積極姿勢が大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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