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日経記事;『新設火力稼働前倒し 高効率で燃料費圧縮 東電や関電、安定供給を強化』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月26日付の日経新聞に、『新設火力稼働前倒し 高効率で燃料費圧縮 東電や関電、安定供給を強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

 
『電力各社は新設する火力発電所の稼働時期を相次ぎ前倒しする。東京電力は12月に予定していた福島など2基の稼働を今夏に早める。

関西電力も兵庫の設備更新を4カ月早い2015年6月に終える。原子力発電所の再稼働が不透明な中、高効率火力の早期稼働で燃料費の削減を急ぐ。

東北電力を含む3社で400億円規模の燃料費を削減できる見通し。電力各社は急激な業績悪化を受け、コスト構造の抜本改革を迫られている。電力の安定供給にもつながりそうだ。

電力各社は原発停止の影響で、代替火力に使う石炭や液化天然ガス(LNG)の需要が急拡大。高コストの石油火力の再稼働も相次ぎ、大手10社の12年3月期の燃料費は前の期より2兆円強増えた。13年3月期もさらに増加し、収益悪化の要因となる見込みだ。

このため東電に続き関電と九州電力が電気料金の値上げを申請。東北など3電力も近く申請する見通し。値上げ幅圧縮のため合理化を進めているが人件費など固定費削減だけでは限界もあった。

東電が12月の運転開始を予定していたのは広野火力発電所(福島県広野町)6号機と常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)2号機。いずれも高効率の新設石炭火力で、出力は合計160万キロワット。試運転の名目だが、今夏にほぼ営業運転に近いかたちで稼働させる。

稼働前倒しで夏の電力不足解消も狙う。昨年7月に東電が確保した供給力は5786万キロワット。新設火力の上乗せで3%弱の増強となる。一定割合を石油など高コスト火力から切り替えれば前倒しの燃料費削減効果は100億円を超えそうだ。

鹿島火力発電所(茨城県神栖市)でも出力増強を1カ月早める。出力約80万キロワットの7号機を発電効率の高いコンバインドサイクル式に切り替え、124万キロワットにする。工事を14年2月に終えるよう発注先と調整中だ。

関電は姫路第2火力発電所(6基、兵庫県姫路市)をコンバインドサイクルに更新。合計出力は291.9万キロワットと14%増える。当初は13年10月~15年10月に新1~6号機が運転を始める計画だったが、1号機を除き2~4カ月前倒しする。移行完了を早める効果は約140億円という。

東北電は被災した火力発電所の復旧を急ぐ。石炭を燃料とする原町火力発電所(福島県南相馬市、2基)は今夏の復旧を予定したが、3~4月に営業運転を再開する。約150億円相当の収支改善効果が出る見込み。

足元では円相場が円安方向に進み、燃料費が増加する懸念も出てきた。電力業界には円安分を料金に転嫁する制度があるが転嫁までに時間がかかり、停止中の原発を代替する火力の燃料費には適用されない。高効率火力の早期稼働はこうした要因の軽減にもつながる。』


新政権は、2013年度の国内経済の再活性に向けて、新規事業の立ち上げなどを加速させる施策を打ち出しつつあります。

規制緩和や投資減税などとの施策の組み合わせで、今後の国内経済の成長に向けて一定の効果が見込まれます。

経済活動が活発化すると、必然的に電気などの消費エネルギー量も増加します。発電量を増やさないと、企業活動を制約する可能性があります。

現在、ほとんどの原発が停止しており、安全の確認がされるまで再稼働は難しい状況です。

自然再生エネルギーによる電力発電が活発になっていますが、発電量がまだ小さいこと、安定供給体制の未整備、高コストなどの問題が山積しており、本格活用までには時間を要します。

必然的に化石燃料による発電への依頼度が当面、高くなります。

化石燃料の最大の課題は、海外からの輸入にほとんどの使用量を賄っていることです。ほぼ100%の依存度になります。

新政権誕生の前後から、円安が進んでいます。輸出には採算性向上につながりますので、朗報です。しかし、同時に、円安は石油、LNG、石炭などの化石燃料の輸入価格上昇を引き起こします。


経済が活性化してくると、製造業を中心に電力消費量が増えます。発電量に制約があると、企業の事業活動を制限することにつながるリスクがあります。従って、2013年は、電力使用に制約をかけるやり方は、避ける必要があります。

また、電気料金も可能な限り低く抑える必要があります。電力使用量への制約や高額な電気料金は、企業の事業活動を妨げますので、この事態を避ける方法や施策が必要になります。

取るべき方法や施策は、以下の通りです。

・より廉価な発電方式の実施

再生エネルギーによる発電は、この目的に合いません。より高効率な方式が開発・実用化される
までは、本格利用は難しいとみます。

もちろん、日本は多様なエネルギー源を持つ必要がありますので、太陽光、洋上を含めた風力、地熱などの発電方式の開発・実用化を進めて、さらなる技術革新で高効率な発電方式を確立することが重要であり、必要です。

当分の間、化石燃料による発電への依存度が高くなり、円安は、化石燃料の輸入調達コストを高くします。

この事業環境下、各電力会社はより安いエネルギー源を確保・使用する必要があります。LNGの場合、ロシアからより安い天然ガスを調達することで購入金額を下げることができます。

ロシアからの輸入は、日本にとって調達先が広がることになり、既存の調達先との価格競争を促す効果が期待できます。

さらに、米国のシェールガスは、既存天然ガス供給者にとって、売り先の減少を意味しており、日本は価格交渉で優位な立場を確保し、値下げ要求することができます。

日本にとって最も有効な方法は、米国からシェールガスを直接購入することです。このことは、米国の利益にかなうかどうかで決まりますので、TPP交渉などの政治要因やパイプラインなどの供給インフラ構築などがあり、短期的な実施は難しい可能性があります。

状況のような現状下で最も効果的なやり方は、石炭の活用です。石炭は、現状で石油や天然ガスより安く入手可能です。

米国のシェールガスやシェールオイルの使用拡大で、石油や天然ガスの価格が下落することで、石炭の価格も下がります。

国内の火力発電に大量の石炭を使用することで、発電コスト削減が可能になります。石炭使用が進んでいないのは、固形であることによる石炭の取扱いにくさと、高いCO2排出量でした。

石炭は、固形燃料であることの取扱いにくさは付きまといますが、最近、何度か本ブログ・コラムで紹介していますように、LNGと同等程度のCO2排出量に抑えることができる、高効率な石炭火力発電方式が実用化されています。

IHIのような国内重電メーカーが大型超々臨界圧石炭火力発電装置を実用化しています。

現在、国内重電メーカーは、東南アジアなどの海外市場での受注に力を入れて、市場開拓しています。

本日の記事は、国内の電力会社が石炭を使用する火力発電所建設前倒しについて書いています。この石炭を使用する火力発電所建設をさらに加速して、国内の石油やガス使用量を削減することが必要です。

国内で高効率な石炭を使用する火力発電所が増設されますと、国内重電メーカーの受注額も増えると同時に、さまざまな技術やノウハウ蓄積も進みます。

さらに、増産効果で製造コスト削減が可能になり、輸出競争力の向上につながります。


・省エネ技術のさらなる進化と商品・施設への実装促進

日本は、過去のオイルショックを非常に高い省エネ技術の開発・実用化で乗り切ってきました。原子力発電が使えず、化石燃料への依存度が高い現状で、改めて省エネ技術の開発・実用化に力を再投入する時期に来ています。

省エネ技術の開発・実用化は、国内企業のお家芸であり、まだまだやり方を工夫すると大きな省電力化を図れる可能性があります。

例えば、昨年の5月21日付のブログ・コラムで紹介しました、日本板硝子製で2枚のガラスを重ね合わせて冷暖房効果を高めた省エネガラス「スペーシアクール」があります。

同社従来製品に比べて約5割多く太陽熱を遮断し、1枚ガラスの窓に比べて空調費を約4割節約できるとのこと。

詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://glass-wonderland.jp/products/spacia_cool.html

また、同じブログ・コラムで、E・T・E株式会社が商品化しています、既存の空調機に外付けするコイルユニット(商品名「Mi(ミ)ラクルコイル」)で、冷媒の流れに直接働きかけコンプレッサーの負荷を軽減さ既存の冷凍機、エアコンに取り付けるだけで消費電力・CO2排出量を15%以上削減させることについても紹介しました。

この「Miラクルコイル」が、環境ビジネスウィメン・環境省・国土交通省・総務省・日本政策投資銀行・三井住友銀行主催2012「eco japan cup」ビジネスベンチャーオープン部門で、【環境ビジネスウィメン賞】を受賞したとのこと。

詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
URL; http://www.eco-japan-cup.com/winner/winner-all2012.html


このように、省エネ技術の開発・実用化により新規事業機会が発生しますので、中小企業にとっても、大きな事業に発展できる可能性があります。

数多くのベンチャー・中小企業がこの機会を活用して、国内の省エネ・省電力に貢献しながら新規事業を立ち上げていくことについて大いに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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