せっかく遺言を書いたのに、受遺者が先に逝っちゃった。!!

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公開日時
2013/06/24 12:56

平成23年2月22日最高裁判決より
Aは平成5年2月17日に、”Aの子供である、Bに全額相続させる”との公正証書遺言書を作成。仮に、Aが亡くなった場合相続人は、配偶者・B・Cの3人。
ところが、Bが平成18年6月21日に突然亡くなってしまった。
また、あとを追うようにAも同年9月23日亡くなった。
Bの子供(孫)たちが遺言が自分たちに代襲されるはずだとして訴訟。

 このようなケースで、Aが作成した”全額Bに相続させる”「公正証書遺言書」の効力は?、またその理由は?、相続分は?

結論:遺言書の効力は無く、一般的な法定相続分で分割することになります。


理由:「相続させる」旨の遺言は,当該遺言により遺産を相続させるものと

された推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させ

る」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事

情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当

該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していた

とみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはないと解するの

が相当である。(判旨通り)


 
 つまり、遺言書を書くときに、遺産を分け与えようとした推定相続人が自

分より先に亡くなってしまうケースまで予測して書かなければならないこと

を意味している。”BがAより先に亡くなった場合には、代襲相続人たる孫

に相続させる”としておけば遺言が効果を発生すると思われる。

相続分:当然、遺言の効力がないため、通常の法定相続分で分割することと

なります。配偶者2分の一、子供2分の一を二人で分割、ただしBが亡くな

っているので、代襲相続人の孫に分割される。

このコラムの執筆専門家

藤本 厚二(ファイナンシャルプランナー)

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”がん”と”死”、必ず付きまとうものが”お金”と”遺産分け”です。肉親の死を目前にしたとき一番に描くのは、”肉親の死後の生活不安”をどう乗り切るかです。がん保険と相続に強みを発揮できるAFPです。がん経験者の立場からもお役に立てます。

藤本 厚二
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