相続のためにしておくこと
父親が60才になるのを目の前にリタイアのことを口にするようになりました。
母とは離婚し、子供は私一人。ちなみに父親は工場を経営しております。
現在私は他社で派遣社員をしており、父の会社を今後手伝う考えはありません。
そのことを税務署で働く友人に話したところ、私に資金がない場合、父親からは何も相続できなくなるという話を聞き、今回ご相談差し上げております。
上に申し上げた友人の言葉は本当なのか。
父親が元気でいてくれるうちに何かできることはないのか教えていただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
popopoさん ( 愛知県 / 女性 / 28歳 ) | 2008/09/21 21:36
今出来ることを列記しました
popopo 様
初めまして。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨です。
お友達のお話はある限定された条件の場合を敷衍してお話されたのではないかと考えます。
資金が無くても、お父様に資産があれば遺産が残ります。
私も遺産として会社を一つ引き継いでいますが、持ち出しはありませんでした。
お父様の経営されている会社の内容が分かりませんので、何も残らないかなどの判断が出来ません。
通常はお父様の持つ経営されている会社の株式の価値が大きくて、相続税が払えないケース(現預金が少ないため)を聞くことが多いものです。
何もなくなるとの意味は、債権・債務のバランス、会社の継続性(継続しないとすれば、売却か精算)とそれに伴う処理費等がかかりすぎるケースです。
そのためにはお父様の資産と会社の経営状況を知る必要があります。
判断はそれからです。
今出来ることの第一は
お父様の会社の経営状況を確認されるようお勧めします。
お子様がお一人ですから、「心配なので」とお聞きになれば宜しいかと考えます。
・まず、会社の決算書があります。一度読んでみましょう。P/LやB/Sをご自分で紐解いてください。
・お父様から会社の内容を直接お聞きするのも良いと思います。
・将来popopo様が経営を承継しない場合の方針等もお話をお伺いしてください。
会社とは別に、お父様の家計、特に資産と負債の確認もお勧めします。
・工場の不動産の名義と抵当権の設定など
・工場を経営されているので、金融機関からの借入金があれば、ご自分の資産を担保物件とされていらっしゃいます。
・現預金(お父様名義のもの)と金融資産の内容。
・そしてお墓の件もご確認ください。
その上で、お父様をお手伝出来ること(お仕事のことでなく)、家計をpopopo様が取り仕切ることをお勧めします。家計でお金の流れが良くわかります。
評価・お礼
popopoさん
早速ご回答いただきありがとうございました。
コメントを頂き、まず質問の前に自分が知っておかなくてはならないポイントが多いことに気づきました。
相続のためにしておくこと
まず、資金がないために何も相続できないということはありません。
相続税は金銭一時納付が原則であるため、父親から相続する財産にかかる相続税を相続した現金預金では払いきれない場合などには相続の放棄や納税のために財産を処分せざるをえないといった問題が生じることもあります。
今回のケースでは、いわゆる「事業承継」の問題が課題であると思われます。
父がリタイアした後にその会社をどうすべきかの方向性を定めて、事前に対策をすることによりこの問題は解決できると思います。
詳細については会社の概要や父の意思など、具体的なご相談をいただかなければわかりませんが、大きく分けて次の4つの方向性が考えられます。
・親族(相続人)が会社を承継する
・親族以外の従業員などが会社を承継する
・会社を売却する(M&A)
・会社を廃業する(清算)
事業承継は会社の状況や個人の財産、後継者の問題などさまざまな事象がからむ難しい問題です。
上記の選択肢は一般的なものですが、事前対策は早ければ早いほど選択の余地が広がります。逆にいえば時間がないと希望通りの選択ができない場合があるということです。
ぜひお早めに詳細についてご相談されることをお勧めします。