遺産相続の土地評価および費用負担について
父が亡くなり、母と子供4人で土地を相続します。
路線価は16.5万で約140平米の土地ですので、2300万が妥当と私は考えていますが、長男が「以前不動産屋に見積もって貰ったところ1800万だった。その後更地にした時の費用が400万かかったので、差引き1400万で代償分割する」と主張しています。
更地にして売却するのではなく、相続発生前に取り壊し新築した建物に現在長男家族が住んでいます。(母とは別居です)
1)相続の評価として、路線価2300万or長男の言い分1800万のいずれが妥当でしょうか?
2)相続発生前に長男の新築のために必要になった取壊し費用400万を、なぜ遡って私たちが負担しないといけないのかがわかりませんが、そういうものなのでしょうか?
尚、私の知り合いの不動産関係者に見積もって貰った土地評価額は、3000〜3400万でしたが、長男から「それは小売価格。仕入れ値でないと僕が損だ」と一笑に付されました。長男を納得させる「明解な理屈」をお教え下さい。
girigirippaiさん ( 京都府 / 女性 / 51歳 ) | 2014/01/08 18:37
「時価」が基準です。
はじめまして。弁護士の能瀬です。
遺産分割における財産の評価は、分割時における時価が基準となります(特別受益や寄与分がある場合は、また別途ご相談ください)。
土地の時価の算定方法としては、不動産鑑定、不動産業者の査定額(複数の大手業者の査定額の平均値等)、路線価、固定資産税評価額等が考えられます。家庭裁判所では、評価方法について全相続人の合意が得られないときは、不動産鑑定士の鑑定額によることになることが多いです(ただ、費用を負担したくないというときは、複数の大手業者の査定額の平均値等が採用されることもあります)。また、路線価は不動産鑑定の基準になる公示価格の80%程度、固定資産税評価額は公示価格の70%程度とされていますから、路線価を0.8で、固定資産評価額を0.7で割り算すれば、おおよその時価(不動産鑑定に近い金額)がわかります。もっとも、土地には形状や前面道路との関係、日当たり等の関係で個性がありますから、個性が反映されない路線価より、一応個性が反映された固定資産税評価額を0.7で割り算した方が、時価に近い値が出ることが多いでしょう。あるいは、不動産鑑定を除く上記の複数の算定方法をやってみて、その平均値を出してみる、ということも有用でしょう。
また、相続発生前に長男の新築のために必要になった取壊し費用400万円を反映させる理由は無いと思います。
評価・お礼
girigirippaiさん (2014/01/09 20:24)
ご回答、有難うございました。
そうですよね。更地にして売却するならいざ知らず、相続前の取壊し費用を負担する理由は無いですよね。
複数業者の査定 (3000+1800)÷2=2400万(ちょっと乱暴すぎますが)、
路線価 2300万、
固定資産評価額÷0.7=約2400万ですので、
この辺りの金額で理解を得られるよう話を進めていきたいと思います。
ただ、円満に相続するためにある程度の譲歩は止むを得ないとは思っています。
母の老後を考えますと、経済的困窮も心配ですが、兄弟仲が悪くなって禍根を残すことは避けたいと思っています。
参考になりました。
有難うございました。
能瀬 敏文 (2014/01/10 10:44)
能瀬です。だいたい近い値が出ましたね(路線価を0.8で割ったらもう少し高いでしょうが)。
円満に行けばよいですね。